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80年代男性ソロアイドルの真打ち 晃司クン

80年代男性ソロアイドルについて言及してきたからにはこの方を語らずにはいられないでしょう。吉川晃司。

吉川 Heibon Sep. 1984 小

 デビュー時 magazine h  1984

幼心にトキメいた男性歌手。「アイドル」と言えないかもしれないけど、デビュー当時はそういう扱いでした。

84年はいい曲がたくさんリリースされて充実した年だったのだけど、その中でも彼のデビューはすごく鮮烈だった。存在が新しかった。背が高くスーツを着て歌も上手く曲もロック調。顔もジャニーズにありがちな濃さ甘さがなくシュッとしてて。もと水球選手という話題もあったりと、ジャニーズとは違って「本格派、子供だましじゃない」といった雰囲気があった。片手バク転も背が高いから迫力があった。

さすがに1年目はまだ顔にあどけなさが残っていたけど、そういった素朴さ初々しさが絶妙で好きだった。同期のバンドSALLYのメンバーの手記によると、晃司クンは「デビューの年はまだ自分は田舎者だという引け目があったようで、何を着ていいか分からないからと普段でもステージ衣装着ていた」とか「普段はノソッとした印象だった」とか。

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デビュー前 shueisha 1983

それでも84-85年はチェッカーズ郁弥クンと晃司クンの時代。男の子はファッションなどを真似たそうです。

「チェッカーズのフミヤ君と吉川君。なぜ彼等がこうまでも魅力的なのでしょう。まず彼らのルックスとキャラクターが、これまでの男性アイドル ⇔ 女性ファンといった関係をうちやぶり、普段着の男の子として売りだしたところです。」 24歳男性からの投稿 Oricon 1984

ただ、売れてくるとぐんぐんあか抜けて。2年目に入って色気がついて完成されたルックスになるころには私の関心も冷めてしまいました。だから紅白で暴れたことなんて気づきもしなくて。そのころは晃司クン、既にとんがりきっていたんだな、と。

とにかく80年代中期、それまで男性アイドルは女性ファンのものだったのに対し、郁弥クン、晃司クン、慎吾ちゃんの3人が、世の男子の視線を男性アイドルに向けさせたという転換期となりました。

さて、現在の吉川アニキ。私は、男の人がどんなに顔が整っていようと、若いころどんなにイケメンだっただろうと、オジサンになってしまえばただそれだけで魅力を感じないのですが、吉川アニキだけはカッコイイと認める。主観として「カッコイイ! 好き~♡」じゃなくて、客観視でカッコよさを承認できる、というか(上から目線、許してね)。自分で自分のカッコよさを理解しきっているのでしょう。その自信がさらにカッコよくさせてる。デビュー時に感じたそのまま、逸材であり続けたすごい人だと思います。やっぱり選び抜かれた80年代素材バンザイ。長年一人で戦い抜いてきたソロアイドルたちを改めて称えたい!