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マンションをリフォームした話

これは Mobility Technologies アドベントカレンダー2021の23日目の記事です。

Mobility Technologiesでバックオフィスの開発をしています須江です。アドベントカレンダーに技術的な真面目な記事が並ぶ中、まったく関係なくプライベートの話をします。
技術の話も業務の話も一切出てこないので、そういう要素をお求めの方にはすみません。

はじめに

住人ともともとの住まいのスペックは下記のとおりです。

  • 住人

    • 夫:某ベンダー勤務のマネージャ

    • 妻(わたし):MoT勤務のエンジニア

    • 子供:6歳のゲーマー保育園児

    • 兄猫:12歳の雑種。でかい

    • 弟猫:12歳の雑種。ずる賢い

右が兄、左が弟
 ふっくらしてます
  • 住まい

    • 15年前に新築で購入した3LDK

    • いわゆるファミリータイプマンション

      • 南北方向に長い長方形

      • ベランダに面してLDと洋室1

      • 玄関入ってすぐ左手に洋室2、右手に風呂トイレなどの水回り

      • 長方形の真ん中部分、洋室2とLDに挟まれて和室

      • キッチンはクローズド

      • 洋室1にウォークインクローゼット

      • 和室に押入れ

      • 洋室2に半畳分ほどのクローゼット

    • 一度目の大規模修繕も終えたところ

さて、これらの住人と住まいでどういうリフォームをしたのかをこれから書いていきます。リフォームというのはプロジェクトですので、みんな大好きウォーターフォールモデルに当てはめて書いていきましょう。

営業活動(2021/03)

ウォーターフォールモデルと言ったのに、いきなり営業活動から始まった!

リフォームのきっかけは、同じマンション内での「リフォーム見学会」のチラシでした。リフォーム途中のお部屋を見学しませんかという言葉につられて見に行ったところ、そこはスケルトンリフォームの真っ最中、全ての内装を引っ剥がされて壁も天井もむき出しになったお部屋がありました。
リフォームにはいくつかのバリエーションがあります。スケルトンリフォームというのは、室内の設備、内装、壁、天井などを全て取り去って一旦建物の躯体の状態のみにして、内部を全部作り直すことです。
ほいほい見に行った我が家、まずそこを教えてもらうところから始まりました。一度壁も天井も剥がすので間取りは自由自在、キッチンの位置なども変更できます。ここで俄然、夫がやる気になりました。

コロナ下になって以来、わたしも夫もリモートワークメインになり、常に家で二人の大人が仕事をしている状態でした。夫はもともと洋室1(通称パソコン部屋、大量の本とPC関連パーツだらけのスチールラックに埋もれた部屋)を使っていましたが、わたしはLDのダイニングテーブルで仕事をしていたので、仕事時間になると近くの床におきっぱなしのディスプレイをよいしょっとテーブルに載せ、棚からMacを取り出して、という働き方で、たまに仕事時間が伸びたりすると家族の食事と干渉してあまりよい状態ではありませんでした。
スケルトンリフォームでそれぞれの作業スペースを作ったらよいのでは? それに子供も来年から小学生になるので、ベランダに面した部屋を明け渡したいが、今のままでは作業スペースが足りなくて明け渡せない。
よし、いましかないのでは!?

このフェーズで思ったことは
「実際にリフォームしている現場の見学会を開いて、そこに来たお客さんを捕まえて営業するのってめちゃくちゃ効率のよい営業方法だな」
です。見に来る時点で興味あるに決まってますからね。同じ見学会でうち以外にも成約に至ったお客様が複数いらしたそうです。

要件定義(2021/04-05)

見学会のつぎに、リフォーム会社さんとの打ち合わせです。こちらの要望をだし、それに従ってリフォーム会社さんが図面を引いてきてくれるので要件定義ですね。

最初持ってきてくれたプランはわりとありきたりなものでした。

  • キッチンがクローズドなので、向きを変えてカウンターキッチンにする

  • 家の真ん中にある和室を潰してLDの一部とウォークスルークローゼットにする

  • ベランダ側の洋室1を主寝室とする

  • 玄関側の洋室2を子供部屋にする

リフォーム会社「LDをこれだけ広くとれば、テレビをおいて、その前にソファをおいてくつろげます」
うち「正直、ソファでくつろいでテレビ見るとかに興味を感じません」

そう、我が家の要望をきちんと出さないと、要件定義はできないのです。我が家の要望を出してみたところ、こうでした。

  • 大人二人の作業スペースを確保。同時にオンラインミーティングをすることもあるので、部屋は分かれているほうがいい

  • カウンターキッチンにして、キッチンにいながらにしてLDの様子を見られるようにする

  • ウォークインクローゼットは角っこがあって意外と使えないので、横に真っ直ぐなクローゼットがいい

  • ベランダ側の洋室1を子供部屋にする(リビングを通らないと行けない部屋を子供部屋にする)

  • 収納多く!

その結果出てきたのが、今の部屋の図面でした。

  • 2LDK+ウォークスルークローゼット+サンルーム

  • LDのベランダ側に作業スペースを設けてる(通称サンルーム)

  • サンルームとLDは半透明な扉で区切り、全開にすればLDとしても使えるように。閉じればクローズドな作業部屋

  • 和室があった場所を潰してLDとウォークスルークローゼットにする。LDの隅っこにカウンターをつけて作業スペースとする

  • 玄関側の洋室2を主寝室にする

  • ベランダ側の洋室1を子供部屋にして、壁一面のクローゼット

あとはこの図面を元に細かい検討に入りました。

このフェーズで思ったことは
「要望は最初にきちんと伝えないと、ものすごく見当違いのものが来る」
「普段はなんとなく生活していたが改めて考えると、気になるところがたくさんあった」
です。生活の見直しをすると、システムで解決できる不便さを無理やり運用でカバーしているところが多々ありました。

設計(2021/05-07)

細かい設計の話です。
最初はリフォームだからと気軽に思っていたのですが、スケルトンリフォームって全部作り直しなんですよ。つまり、決めることがめちゃくちゃ多い。
わかりやすいところで、キッチンのメーカ、キッチン什器、ユニットバス、トイレ、壁紙、床材、照明の種類と数、コンセントの位置と数……。無限にある。
それらを住宅設備の各メーカーを回って決めていくわけです。ショールーム6,7箇所回りました。
メーカーのショールームではまた無限と思われるほどのカラーバリエーションがあり

メーカー「さあ、どうしましょう? 北欧風? アーバン? ポップにします?」
うち「色とか素材を選ぶセンスはないので、おすすめを教えて下さい」

自分で色やら柄やら考えてもいい感じになる自信はまったくないです。なので、ショールーム二軒目にして編み出した技が「カタログを見せてください、その中で1番目か2番目に出ている組み合わせと同じものにします」でした。素人がない頭をひねるよりも、プロのデザイナーが決めた配色のほうがいいに決まってる!
あと、我が家、正直に言ってそこのこだわりがまったくありませんでした。

我が家がこだわって決めたのは、以下のものです。

  • 壁に猫が登るためのステップ(ねこステップ)をつける

  • 猫のトイレをウォークスルークローゼットの棚の下部に置く。そのため一番下の段だけぶち抜き

  • その棚だけ周囲にエコカラット(脱臭に優れている壁材)を貼る

  • 作業スペースはどこも机の上にコンセント四口+LANの口、机の下にコンセント四口

  • とにかくあちこちにコンセントを作る

  • 照明、エアコンは全部、スマートスピーカーで操作可能なものにする

もともと間取りからして謎な家なのに、コンセントとねこステップと猫トイレエコカラットでますます謎な家になってしまいました。でもどれも大事。

このフェーズで思ったことは
「自分たちの要望で重要なものはなにかを決め、あと(デザインとか)の決定は手を抜く」
です。選択と集中大事です。でないとあのショールームめぐりは本当にたいへん。

開発(2021/08-11)

仮住まいに引っ越しして、工事の時期です。我が家は特にやることなし。墨出し会という、内装を取っ払った家に線を引いてここに壁ができます、収納ここになります、みたいなチェックがあった程度です。この記事のヘッダ写真は墨出し会のときの内装を取っ払った状態の室内です。

建築ってシステム構築と違って工期遅れ発生しないからすごいよな、とのんきに思っていましたが、発生しました工期遅れ。まあ、でもスケジュールどおりに行かないのは仕方ないよね……。
最後の方は「この日に引き渡しできます」と聞いたのでそれに合わせて引っ越しスケジュールを組んだら、「やっぱり室内の扉が間に合わないので引き渡しが十日間伸びます」と言われて大騒ぎ、なんてこともありました(結果から言えば間に合いました)。

受け入れテスト(2021/11)

完成した部屋の施主検査です。想定通りに全部作られているね、ということを検査します。なにか問題があったらここで指摘して直してもらいます。
前述の通り、工期遅れが発生していたので、施主検査の日に実はまだ室内の扉が入ってないとか、ねこステップ取り付けられてないとか、ハンガーパイプ入ってないとか諸々ありました。チェックできるところだけチェックします。

が、われわれもはじめて完成した新しい家に入るので、テンションが上ってしまうわけです。図面だけで見ていたのが立体になっているので、わ、クローゼットこんなふうになってる、キッチンいいね、風呂が広い(仮住まい先の風呂が狭かったのでその反動)などなど。今思えばチェックすべき点を全然チェックできていませんでした。

  • 動くところは全部動かす(扉や引き出し、水栓とか)

  • ライフラインが大丈夫なことを確認する

これをやるべきでしたね。ここで手を抜いたことが次フェーズで炸裂します。

このフェーズで思ったことは
「完成(間近)に興奮して、チェックすべき点を見失わない。チェックリスト先に作っておく」
です。人間、興奮するとだめです。

ロールアウト(2021/11末)

引っ越しして、リフォーム後の家に住み始めました。引っ越しの直前に無事に部屋の扉も入って安心です。

引越し当日は慣れない肉体労働でただのゴミになるので、最低限明日から暮らして仕事ができる環境を作らねば、と、キッチン、風呂が使えるようにするのと作業スペースまわりの整備とだけ行うことにしました。その最中に問題が発覚しました。

インターネットに接続できない!

うちのマンションは建築当時からマンション全体で某社の光の回線が引いてあり、各家庭にはLANケーブルが引き込みされています。その、家の中に来ているネットの口にルーターをつないでみても、つながらない。マシンをつないでみてチェックすると、まったくパケットが来ていない。
インターネットはライフラインです。これがないと生活できない。せっかくぴかぴかの新しいお家に引っ越したのに、そこは山奥のキャンプ場だったみたいなものです。
なぜ施主検査の日にマシンを持ち込んでチェックしなかった……。たいへん悔やまれます(新築の引き渡しのときはチェックしていました)。
ちなみに、ネットに接続できないのはリフォーム会社さんのせいではなく、どうやらマンション内を通っている我が家への引き込み線が断線しているらしく、現在もネット接続できない状況が絶賛継続中です。つらい。

山奥のキャンプ場であることを除けば、リフォーム後のお家には満足しています。
夫婦ふたりとも専用の作業スペースができたのはとても良いです。カウンターキッチンも便利、洗面所には廊下からとキッチンからと2つ扉をつけましたが、これもよい。ウォークスルークローゼットは収納力たっぷり。
猫も猫トイレの場所をすぐに把握、リフォーム前、昼間は押入れで寝ていた猫たちは、今はウォークスルークローゼットに布団が積み上がっているところで寝てます。疑似押入れ。

このフェーズで思ったことは
「使ってみないとわからないことはたくさんあるなあ」
です。継続的な改善が行えればいいのですが、リフォームはそう簡単に行えるものじゃないので、ある程度フレキシブルに作っておくと良いのかなと思っています。具体的には収納棚を可動棚にしておいてよかった。


振り返り(2021/12)

日々、夫婦でリフォームしてここが良かった、どうすればよかったを話しています。

  • トイレの照明スイッチはトイレの外に作るべきだった(なぜかトイレ内にある)

  • 廊下とウォークスルークローゼットと動線が複数あるのがよい

  • 室内の扉、全て引き戸にしたの良かった

  • 電源コンセントをたくさんつけてよかった。でもまだ足りなかった

  • 作り付けテーブルはオフィス机みたいに配線用の穴を開けておけばよかった

  • 照明がスマートスピーカーで操作できるのはやはり便利

  • ネットーーー! はよー!

まあ、でも最後はこれにつきます。

  • 猫は思い通りにならない。

高い金をかけて壁につくったねこステップ、まだ、うちの猫たち下から二段目にしか上がってません……。

猫が上がっていないねこステップ
真ん中はテレビ台、左側は夫の作業スペース


おわりに

リフォーム見学会からなりゆきでがっつりリフォームすることになった我が家、リフォームするには、リフォーム会社さんとの何回にも渡る打ち合わせ、ショールーム見学、施主検査など何度も平日の昼間に抜け出すことが必要でした。
そんなことができたのは、今現在、完全フレックスのリモートワーク勤務だからだと思っています。「ショールーム行かないと」というと快く有給休暇を取らせてくれた周囲にも恵まれました。
そんな自由度の高い働き方も認めてくれるMoTは現在一緒に働く仲間を募集しています。
この記事と業務はまったく関係ないですが、移動に関わる仕事は面白いですよ? いかがです?


MoTアドベントカレンダー、明日は fetaro さんの「自作の強制TV会議参加スクリプトで会議への参加遅れを撲滅した話」です。

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