お金note用

22歳料理人 お金の話

少し前に「若手料理人のお金の話のnoteを書く!」とツイートしました。
何人かの方からは「楽しみにしています!」みたいなDMを頂きました。
結構みんな気になるのかな?みたいに思いつつ、詳細な金額や細かな内訳なんかはうやむやにしてなるべくオープンに書いていこうと思います!

学生時代のお財布

僕は高校に入学してからすぐアルバイトを始め、中学時代にクラブチームの野球で培った体力を武器にめちゃくちゃバイトしていました笑
特に高校3年の時にバイトしていたピッツェリアでは、1ヶ月のうち29日間出勤していたりと社員さんもびっくりな働き方でした。
高校3年間で400万弱くらい稼ぎましたが、趣味だったバンド関連、専門の入学金、青春は1度きりだぜぇぇぇ!的な使い方でほぼ使ってしまいました笑

専門に入学し、本格的に食べ歩きをスタート。高校生の時は夜ご飯に2000円使えば超贅沢だと思っていましたが、フレンチのコース食べたらその10倍くらいかかります。20歳になればお酒も飲めるようになり、さらに飲食代は膨らんでいく、、、
そのお金を稼ぐべく、4箇所掛け持ちで常にバイト、稼いだお金は全て食事とワインに全力投球!!!みたいな生活でした。
特にお酒が飲めるようになった専門2年の時には、1年間で80軒ほど食べ歩きに行きました。
この時に出会ったレストランの先輩方とは今もお付き合いさせて頂いており、そんな出会いも食べに行ったからこそだな。と思います。

新卒 社会人1年目のお財布

新卒での僕のお給料、ズバリ20万円でした!(総支給額)
親会社がちゃんとあるレストランだったため、社保も完備。週休2日、有給有り。
と、いまだにブラックな飲食業界ではかなりホワイトな職場でした!さらに見込み残業を超えた分はしっかり残業代も払われていたので、大体月に22〜23万円ほど。そこから社保や税金なんかが引かれて、手元に19〜20万円くらいが残る感じ。
これは街場のレストランの中ではかなり恵まれた条件でした。(友達は月10万とかの子もいた、、、)

その当時僕は実家に住んでいたので、都内で一人暮らししている同級生よりは家にかかるお金が少なかったです。(それでも家賃分くらいは支払っていた)
奨学金の返済もありそんなに余裕はありませんでしたが、月に1軒食べに行き、月2万円くらい貯金できるようなお財布事情でした。

社会人2年目のお財布 その1

和食にいきなり飛び込んだ2年目。同級生からはかなり驚かれました笑
料理人って街場だと昇給の概念すらないとこもあったり、なかなかお給料を上げていくのって厳しいんです。大体お給料が上がるのは転職のタイミングみたいな気がします。(これは僕の体験からなのであっているかは分かりません)

僕は和食に転職し手取りは3万円ほど増えました!そして外食費を支援して頂けるシステムがあり、食べ歩きにも毎月2〜3軒と行けるようになりました。
(事前に行きたいレストランと何を学びたいのかを申請し、レストランで食事後レポートを提出すると食事代を一定額補助して頂けるシステム)

お給料も上がり、食事代も補助が出るようになり、お財布にも少しゆとりが出てきました。
ゆとりが出た分は様々なジャンルの本を買ったり、お酒のセミナーに参加したり、地方の生産者さんを回ったりと、結局料理の為に使っていましたが、お金にゆとりがあると学びがスムーズで驚きました、、、

その後今年の8月に実家を出て、込み込みで生活費が9〜10万円くらいかかっています。(また余裕なくなる泣)

社会人2年目のお財布 その2

そして2020年1月1日より開業し、個人事業主となりました!
まだ始まったばかりなのでなんとも言えませんが、業務委託で頂く報酬は前職よりも増え、上手く経費に落としていけば税金も下がる。
自分の力次第で収入を得る場所も増やしていけるので、よりお財布のゆとりは増えると思います。
ただ、福利厚生はなくなりましたし、有給もない、残業代もない。
お財布に入る金額が増えたからといって、トータルで考えたら良いことばかりではありません。
そこは個人の判断次第(どちらが良いとかではなくて)かなと思います。

とにかく領収書をしっかりと集めて保管しよう!!!!!

料理人と薄給と勉強と仕事道具と

僕はこれまで運良く、平均月収と同じか少し多いくらいの月給を頂くことができています。しかしボーナスが無いので平均年収からは大きく下がるのが現状です。(ちなみに20〜24歳の平均年収は320万円だそうです)

僕は今まで客単価が15000〜25000円くらいのレストランで働いてきました。料理人は食べることによって学び、成長します。
自分が働いているレストランと同じレベルを学ぶ為には、1回2万円くらいかかるわけです。
そして仕事道具は私物を使う場合も多くあります。
包丁は絶対に私物ですし、細かいものであればピンセットやヘラなどもあります。
包丁に関しては料理人それぞれ考え方が大きく違う為、人によってかかってくる金額が変わってきますが、安くても2万円〜くらいはかかります。
洋包丁は基本的にはステンレスですし、プレスで作る為そこまで高くなりませんが、和包丁で本鍛造の青一で水焼きなんて買った場合には、、、

僕は包丁好きで、職人が作ったものを使いたいと思っているタイプなので、この年齢では包丁にかけている金額は高い方だと思います。
生活を切り詰めながらコツコツ貯金して揃えていっています。

良い包丁は良い仕事に繋がる。良い道具は良い仕事に繋がる。

弘法筆を択ばず、だけれども最高の筆を使った弘法大師が最強だと思っています。

良い仕事をする為に、良いレストランに食べに行く。
良い仕事をする為に、良い道具を揃える。

そのためには修行時代のお給料ではほとんどの場合が足りません。シェフになったとしても平均を大きく下回ることも多い(労働時間は1.5〜2倍くらい)
望んで入った世界で職業ですが、飲食業の給料を底上げすることができたら、きっとこれまで以上に素晴らしい料理、サービスが生まれるのにな。と思います。

技術も知識も大切だけれど、同じくらいお金も大切だと思います。
”今のお金” ”将来お金を稼ぐためのスキル”
僕は両方大切にして、これからも働いていこうと思います。


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