友達の子供に漫画を送ったら感動した話

「絵って……いいよね」
娘との会話でよく言ってる気がする。娘も「うん」と言い、暇さえあれば絵を描いている。

わたしは小さいころから絵を見るのも描くのもすきで、絵本や漫画をよく読んでいた。家で親の帰りを待ってるとき、漫画や塗り絵やアニメに触れてると寂しさを感じずにすんだ。

友達の子供が、描いた絵を見せてくれたり「絵が好きなの」と聞くたびに「仲間がいた！」と嬉しくなる。その子がどんな絵や、漫画にハマってるのかを聞きたくなる。

いっぱいいっぱい描いたらいいよ。この漫画面白いよ！この画材使いやすいよと伝えたくなる。

頻繁に連絡をとっている友達がいる。その子には２人子供がいる。２歳の子と、カエちゃん(仮名・小学校１年生)。

カエちゃんは本をよく読んでいるらしく、以前会ったときに「本好きなの？」と聞いてみたら

「絵が好きなの。だから絵がある本ならなんでもいいの」と言っていた。
子供の頃の自分を思い出したし「君もかい！」と嬉しくなった。

2月の末からコロナで学校が休みになった。春休みまで休校になるみたい。
「うちの地域もそう！」と、友達(カエちゃん母)とLINEでやりとりをした。

子供達は家で過ごす時間が多くなった。
どうやって過ごそうかな…友達はつぶやいていた。

自宅で過ごす時間が多くなって、カエちゃん退屈しているかな〜？と、娘が１年生だった頃にハマっていた漫画をすすめてみた。早速読んでくれたみたいで「声出して笑っていたよ。教えてくれてありがとう」と、友達から連絡がきた。ちなみに「うちの三姉妹」です。

わたしオススメの「ちびまる子ちゃんの11巻もめちゃくちゃ面白いから読んでみて。11巻だよ11巻ね！」しつこく伝えた。

ちびまる子ちゃんの11巻は何回読み返してもゲラゲラ笑ってしまう。まじで面白いから読んでほしい。

以前夫にもすすめた。最初は「え〜？まるちゃんとか俺読まないよ」乗り気ではなかったが、いいから１回読んでみてと強引にすすめたら吹き出して笑っていた。シメシメ。

ちびまる子ちゃん 11 (りぼんマスコットコミックス)

この休みをどう過ごそうか。カエちゃんのおうちはレンタルコミックで漫画をたくさん借りて週１回「漫画の日」を作ったそう。「漫画の日」いい響きだ。
まるちゃんも借りてこよう！と行ったものの、ちびまる子ちゃんが置いていなかったらしく「カエがっかりしてた〜」と連絡が来た。

カエちゃんに早く読んでほしくて、ちびまる子ちゃんの11巻と、点つなぎの本を送りつけた。点を数字の順にむすんでったら絵ができるというやつ。間違いさがしなどもついていた。これならいい暇つぶしになるだろう。

１、２年生の子は何で遊ぶかな〜、喜んでくれたらいいなーと想像しながら選ぶのも楽しくて幸せな時間だった。
娘もその年齢の頃は点つなぎでよく遊んでいた。おとなしくひたすら点をつないでいた。ありがとう点つなぎ。

本を送る前に念のためアルコール消毒をしたわ。
カエちゃんに手紙を添えて送ったら、友達から動画が送られてきた。

動画には、ちびまる子ちゃんと点つなぎの本をヒザの上に乗せて、手紙を開けるところの動画だった。

手紙には「カエちゃんが絵がすきだと聞いて嬉しくなりました！私も絵が大好きだからです！ちびまる子ちゃん面白いから読んでみてね」というような内容を、イラスト付きで書いた。たいしたイラストじゃない。アホみたいな顔して笑っているところや、点つなぎの「点の多さ」に困惑している子供のイラストとか。

まだ１年生だから、ひらがなを多くして、汚い字で読みづらくないようにと丁寧に書いた。私の字は気を抜くと、風にヒュッと横から吹かれたような字で、ふにゃふにゃしている。自分でも読めないときがある。
３回くらい読み返して送ったから、A4の紙の、どのへんに何を書いたか覚えていた。

手紙を読んでいる動画には
顔を微笑ませ、イラストを描いたあたりのところでは興奮して目が見開き、足の指にグッと力が入って、体がビョン！と伸びて、笑っていた。

それを見た時ちょっと驚いたし、じわっと熱くなって、なんとも言えない気持ちになった。

カエちゃんは本当に絵が好きで、カエちゃんにとって大きな存在なんだなと表情からとても伝わってきた。こんなに喜んでくれるなんて思わなかった。

手紙を開ける瞬間を撮ってくれた友達の気遣いや思いも、とってもありがたかった。（２年に１回くらいしか会えない）

この動画は、私の絵のモチベーションが下がったときや、何かに迷ったときに見返そうと思った。子供がこんな表情になるんだとリアルに見れたからだ。

カエちゃんがこれからどんな作品と出会って、何を感じて、何に影響されて大きくなっていくのか楽しみ。

今度会ったときは、最近なにがすき？何を描くの楽しい？って色々お話を聞いてみたい。

楽しみがまた一つ増えた。