未コード化傷病名を減らす8つの方法。病院の収入につなげよう|医療事務の勉強

医療事務における病名の登録業務は基本中の基本だ。これは請求に関わる重要な部分であり、実のところしっかりやろうとすればやろうとするほど奥が深く、簡単なものではない。色々なテーマが書ける分野であると思うが、まずはこの記事では未コード化傷病名について、またその減らし方について書いていこうと思う。

未コード化傷病名とは? 減らすことのメリットは?

未コード化傷病名とは、文字通りコード化されていない状態で登録された傷病名のことだ。俗にワープロ病名とされるものをイメージするとわかりやすい。レセプトを伝送する場合、病名はコードまたはコードと文字の組み合わせで送信される。レセプトコンピュータ(以下レセコン)の機能でレセプト提出用ファイルを作成するとき、登録されている内容を所定の形に変換しているわけだ。

このコードは、社会保険診療報酬支払基金(いわゆる社保、支払基金)が管理している傷病名マスターに基づいている。そのコードは基本的に例えば高血圧症であれば「8833421」、高血圧性心疾患なら「4029010」のように7桁の数字で表現される仕組みだ。レセコンに傷病名を登録するとき、このコードが一緒に登録される。ちなみに未コード化傷病名のコードは「0000999」である。余談だが、このコードはICD10とは全く異なるものなので注意すること。たまに勘違いしている人がいるので念のため。

未コード化傷病名を減らすことは、点数にも関わってくる。DPC病院の場合は未コード化傷病名数を一定の割合以下にしなければ入院料が減算となるし、逆にデータ提出加算に付随する提出データ評価加算の場合は未コード化傷病名を一定の割合以下にすることで算定できる加算となっている。今後の流れとしては未コード化傷病名をいかに減らすかも、重要な仕事となっていくだろう。

未コード化傷病名を減らす8の方法

前置きが長くなってしまったが、具体的に未コード化傷病名を減らすための方法について書いていこう。実務に当たっている諸兄にとっては今更な知識かもしれないが、何かしらの参考になれば幸いである。

1.修飾コードだけで傷病名を作らず、きちんと傷病名コードで登録する

傷病名を登録する画面では「傷病名マスターに登録されている傷病名」と、「修飾語マスターに登録されている修飾語」を選んで登録する形が一般的ではないかと思う(+直接入力)。修飾語とは、右とか左とかの側性や、頭部や大腿骨といった部位などをあらわすもの。これを組み合わせて病名を作ってしまう場合がある。例えば、下腹痛という病名を入力しようとして「下」+「腹」+「痛」を組み合わせてしまったとしよう。その場合、全て修飾語なのでレセプト伝送用のファイル上「0000999」として登録されてしまう。きちんと「下腹痛」単体で登録しなければ、「8831434」として正しくファイルに書き出すことができないというわけだ。この例のようなケースは稀かもしれないが、似たような例は色々あるはずだ。こうしたものを適宜処理していくことで未コード化傷病名は減る。

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