PPバンドでベルトクランプを代用する方法

額縁やフォトフレームの制作でおなじみの留め加工(下の写真の様な四隅が45度の角度で組み立てられている加工方法)ですが、この留め加工の組み立てで便利なのがベルトクランプという道具です。しかし、やはりしっかりした作りのベルトクランプは値段もそれなりにします。制作個数が少ないときはいいのですが、一度にたくさん作りたいときにベルトクランプをたくさんそろえるのは、ちょっと負担が大きいですよね。そこで今回は、ホームセンターで売っているPPバンドで、ベルトクランプを代用する方法についてご紹介します。

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はじめに、組み立てる部材や接着剤のほかに、手締め用のPPバンド(機械で締めるためのPPバンドも有りますが、こちらは材質かたく使いづらいです。)、ストッパー、組み立て時に作品の角に当てるL字型の当て木を4つ、PPバンドを締めるときに使う小さな角材(ここでは、2Lサイズのフォトフレームの組み立てで19㎜角・長さ30㎜の角材を使っています。)を8個用意します。なお、L字型の当て木と角材は作品に使って余った端材などで、制作する作品の数だけ用意しておくと一度に組み立てを済ませることが出来ます。

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まず、部材にボンドを塗る前に下準備としてPPバンドを下の写真の長さ位にセットしておきます。

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次に部材にボンドを塗っていきますが、留め加工では接着面が繊維に対して45度の角度になるため少し接着が弱くなります。両面に少し多めにボンドを塗るようにしましょう。(ちなみに、繊維に対して90度に接着面がなる木口面は接着剤が効かず接着できません。)ボンドを塗ったら、また上の写真の様にバンドをまわし、4隅にL字型の当て木をあてて手で締められるだけ締めます。(下の写真)

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これだけでは、締める力が弱いので8個用意した角材を作品とPPバンドの間に挟んでいきます。当て木の真ん中に2個づつ挟んだ後角材を両端に移動させるときっちりと締まります。この時、作る作品に対して角材が大きくなるほど強く締めることが出来ますが、あまり大きいと挟むことが出来ません。私は、もっと大きい額を作る時は24㎜角の角材を使ていますが、この2種類の角材でだいたい小さな作品から大きなものまで対応できています。

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この状態で、ボンドが乾くまで待てば組み立て完了です。前述したように留め加工では木端の接着より接着力が弱くなるため、下の様な治具を作って角に切れ込みを入れそこに薄い板を接着すると強度を補強することができます。(木工用語で千切りを入れるといいます。)板の嵌め合わせのかたさはすっと入って落ちてこないくらいのかたさが良いです。あまり緩いと効果がなく、かたいとボンドを入れた時最後まで入れにくくなります。

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いかがでしたでしょうか。PPバンドは他にも長い角材をまとめて置いておく時や、何かを梱包する時などあったら結構便利です。また、使ったPPバンドやは同じかより小さな留め加工の作品の組み立てで再利用できます。ベルトクランプをお持ちの方も、数が足りない時や長さが足らない場合に、今回ご紹介した方法を是非試していただければと思います。

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