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育休をとっても家計は大丈夫なのか

こんにちは。Masafumiです。
前回は、子どもができたタイミングでの上司への報告(私の場合)と、子どもが生まれる前に育休の意思を堅めておくことのススメについて書きました。

今回は、育休の意思決定をするにあたってそもそも給与がどうなるかということを中心に書いていきたいと思います。

なお、本記事での育休は「育児休業」のことであり、「育児のための特別休暇」や「年休を活用した育休」ではありません。特別休暇や年休の場合、一般的な休暇になるので、所得の話について複雑に考えなくても大丈夫です。

1.給与は支払われない…けど給付金がもらえる

まず、重要な事ですが、育休中は会社からの給与は支払われません。

これだけ聞くと「育休なんか取れない!」となりそうですが、給与の支払われない期間、私のような公務員の場合は共済から育児休業手当金(給付金)が支払われます(民間の場合、雇用保険から支払われます)。

その金額ですが、平日1日につき、最初の6ヶ月間は標準報酬日額※の67/100が、その後の半年間は標準報酬日額の50/100がもらえます。
※標準報酬日額=標準報酬月額÷22 (この計算は国家公務員の場合)

また、会社からの給与は支払われない(=所得ではない)ことの裏返しとして、所得税がかからなくなります。つまり、給付金から所得税は引かれません。

ただし、住民税については、前年の所得に対して課税されており、育休中もかかりますので注意が必要です。この住民税についても、翌年の課税額には反映されるので、翌年の住民税は安くなります※。

※これ、実は保活的にはとっても重要な話です。認可園の場合、保活ポイントの高低によって順位がつき、ポイントの高い方から順に認可園が決まっていきますが、同一ポイントの場合は所得(最新の課税状況)によってさらに順位を付けている自治体が多いです。育休のタイミングや自治体にもよりますが、うまくタイミングを合わせれば認可園に入りやすくなる可能性があります。

2.なんと、共済掛金は免除になる

所得税に加えて普段給与から引かれている共済掛金ですが、申請することで、これは免除になります(民間の場合の保険・年金も同様です)。

下のホームページでは年金(共済長期)のみの記載ですが、保険(共済短期)についても同様に免除です。

しかも、掛金免除を受けた場合でも、年金額の計算について不利が生じることはありません。すごいですね。

先ほど給付金に所得税はかからないとお伝えしましたが、育休当時の私の場合、これと共済掛金の免除を組み合わせると、実質の手取りは給与収入の時の8割超になりました。

仕事の時はランチ代と晩ご飯代が別にかかっていたことを考えると、減収分はさほどでもないというのが実感です。

3.働いた分の期末手当がもらえる

国家公務員の期末手当(ボーナス)は、毎年6月30日と12月10日に支給されますが、仮にこの支給日時点で育休中であっても、働いていた分の期末手当はちゃんと支給されます。

例えば、期末手当の対象期間中に5ヶ月働いていて、ひと月が育休の場合は、5ヶ月分が支給されることになります。

私の場合、5月末からの育休(育休の初期は年休活用、その後育児休業)だったのですが、6月にほぼ満額の期末手当をいただきました。

この辺りは「国家公務員の育児休業等に関する法律(平成3年法律第109号)」や「人事院規則」にも規定されています。

4.復帰後の昇給も基本的には考慮される

期末手当に近い話ですが、国家公務員の場合、毎年1月に定期昇給(俸給表の号俸の上昇)があります。

この昇給についても、育休で不利になることは実務上ほとんどないようです。育休関係の人事院規則に以下の条文があります。

(育児休業をした職員の職務復帰後における号俸の調整)
第十六条 育児休業をした職員が職務に復帰した場合において、部内の他の職員との均衡上必要があると認められるときは、その育児休業の期間を百分の百以下の換算率により換算して得た期間を引き続き勤務したものとみなして、その職務に復帰した日、同日後における最初の昇給日(中略)又はその次の昇給日に、昇給の場合に準じてその者の号俸を調整することができる。

国家公務員の場合、一般的には1回の昇給で4号俸昇給します。
私の育休復帰時の場合、定期昇給では3号俸のみの昇給でしたが、この規定に基づいて号俸が調整され、追加で1号俸の昇給が行われ、結果、通常昇給と同様の昇給となりました。

もちろん、勤務成績が良好であれば6号俸、8号俸昇給することもあるので、勤務している場合と比べればちょっと…というところはありますが、約半年の育児休業をしていても一般的な定期昇給と同じ昇給度合いだったのは、当時かなり驚きました。

5.組織内での評価は…

こればかりは、私本人がどう評価されているかを推し量るには限界があるので詳細には記載できません。

ただ、個人的な感覚で言えば、特に評価が下がったとか、変な部署に送られたということを感じたことはありません。

育休取得後も、特に遅れることなく昇格(俸給表上の級の上昇)もしていますし、社の新卒採用のチームに参加して、就活生に自身の経験を語る場も与えていただいています。

育休からの復帰時は、息子を保育園に送るため通常より勤務開始時間を1時間ずらす形で復帰しましたが、それも認めていただいた上での上記の状況です。

もちろん、職場や上司・同僚に恵まれた可能性は大いにありますが、その後の周囲の育休取得者を見ていると、私がレアケースということでもないようです。

「育休を取得したかどうかよりも、日々の関係性の中で信頼される人でいられるかどうか」

復帰して4年経とうとしている今、こちらの方が育休復帰後の評価に影響していると、自信を持ってお伝えできると思います。

(2020.10.20追記)
育児休業手当金の計算ですが、標準報酬日額が13,000円ちょっと(月額300,000円位)を超える場合は、そこで頭打ちになるようです。ご注意を。

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