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欧州サッカーでのブロックチェーン体験が一般に

「えっ、これブロックチェーン使ってたの!?」エストニアにいた頃、そんな風にはじめて驚いた。忘れもしないUEFAスーパーカップ2018、レアル・マドリード対アトレティコ・マドリードの試合。そう、サッカー好きであれば一度は生で観たいと思うマドリードダービーがヨーロッパのIT小国で行われた。こんな好カードをまさかエストニアで生で観れるなんて!

当日、スマホを片手にスタジアムへ向かうと、そこでは試合前からサポーターたちの応援歌が鳴り響いていた。いやぁ、たまらん。この時にスタジアムの前でみんなで撮った記念写真は今もこれからもぼくの宝物である。

そして、いざ入場ゲートへ。「近くのエリアにきたらBluetoothをオンにしてください」という案内の通りにスマホを操作すると、画面にはQRコードが表示された。それを係員の人が読みとり、荷物検査をして、「OK」の一言で終了。最近のデジタルチケットシステムに似た簡単なプロセスで、ブロックチェーンを感じる要素はどこにもなかった。

入場後は、何も知らぬまま、ただのファンとしてビールも楽しみつつ試合を観戦し、ダービーらしい点の取り合いに熱狂した。そして、興奮冷めやらぬまま、翌日に業界ニュースを見ていて、どうやら今回のチケットシステムにブロックチェーンが使われていたらしいことを初めて知った。「えっ、...!?」興奮倍増である。

今週、UEFAがEURO2020で同様のチケットシステムを導入することを発表した。実証実験的な位置づけにあった当時から、約1年半で規模を拡大し実用化レベルにまで発展したことにこれまた驚いた。何気ないブロックチェーン体験が社会に定着しようとする例をはじめて見た気がする。どんなサービスであれ、一般の人がその裏の仕組みを知る必要はまったくないのだ。

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