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2019年 映画ランキング

皆さん、おはこんばんちは、神谷です。
「書かねば書かねば」と言い聞かせれば言い聞かせるほど、書けずにいた2019年映画ランキング。 
GWの自粛期間中には…、ということでなんとか書くことができました(汗)
個人的な好み、独断と偏見にまみれたランキングとなっていることは予めご承知おきくださいませ。
とはいえ、真剣に選んだ10作品です。
見て損はないかと思いますので、この自粛期間中に映画を見られる方の参考になれば嬉しいです。

ではさっそくいきましょう。
今回は10位から発表です!

⑩記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜

イラク戦争開戦直前、主要メディアが政府の主張を支持する中、終始真実を叫び続けていたのは中堅新聞社ナイトリッダーだけだった…。
ロブ・ライナー監督らしい安定の見やすさと、社会派作品ならではの固さがちょうど良い塩梅でミックスされており、見ていて心地よい作品です。
なお、事前にイラク戦争については少しだけ勉強しておくと、より楽しめると思います。
フェイクニュースが溢れる世の中に、真のジャーナリズムを。

⑨ 僕たちは希望という名の列車に乗った

舞台はソ連占領下の東ドイツ。
ハンガリーで起きた民衆蜂起の犠牲者のために黙祷を行った学生たちの実話を描いた作品です。
当時の東ドイツが如何に閉鎖的で監視社会であったか、その中で抑圧されながらも懸命に生きようとする若者の姿が描かれています。
現代社会でダラダラと生きている自分自身が何故か恥ずかしくもなり、同時に「頑張ろう」と思える、そんな映画です。
結構シリアスではあります。

⑧家へ帰ろう

戦争で傷を負ったユダヤ系の老人が、古い友人に会いに行くロードムービーです。
「戦争を知っている」のと「戦争を経験している」ではまったく違うのだということを見せつけられる映画です。
ただ戦争の悲惨さを描きながらも、主人公の頑固オヤジっぷりは作風を重くなり過ぎない要素としてうまく機能しており、暗くなり過ぎないのがいいですね。
ラストシーンの友人の演技は鳥肌モノ、見ていて思わず涙が溢れます。

⑦フリーソロ

命綱無しで崖を登るロッククライミング「フリーソロ」のプロクライマー、アレックスの挑戦を追ったドキュメンタリー映画です。
「おいおい、嘘だろ?」と目を塞ぎたくなるほど、危険でリアルな映像が味わえます。
手に汗握る、とはまさにこのこと。
そして、「プロ意識とは何ぞや」ということも考えさせてくれる映画です。
2019年、アカデミー賞受賞作品。

⑥工作 黒金星と呼ばれた男

北朝鮮の核開発をめぐり緊迫する1990年代の朝鮮半島を舞台に、北への潜入を命じられた韓国のスパイの命を懸けた工作活動を描いた作品。
実在した人物、黒金星を演じる名優ファン・ジョンミンの演技は圧巻です。ほんと凄いなこの人。
派手なアクションなどなくても十分に震える、まさにこういうスパイモノは韓国映画のオハコでしょう。
さりげに男同士の友情にもグッとくる映画です。

⑤サマーフィーリング

最愛の人を亡くした青年の心の再生を描いた物語です。
フランス映画らしく、終始淡々と描かれていますが、だからこそ感じるリアリティと深い悲しみがあります。
人はそう簡単に立ち直ることはできず、心の傷は日常の中で少しずつ少しずつ癒していくしかないんですね。
また浜辺でのラストシーンがとても美しく、見た後にずっと心に残っていく、そんな作品だと思いました。
私の大好きな映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」と似ているので、同作が好きなら間違いなく本作も好きになると思います。

④パッドマン

インドにおいて安全な女性用ナプキンの普及に尽力した男の実話を描いた作品。
幾多の困難を乗り越え、ナプキンの普及だけでなく、ナプキン製造機を使って現地民の雇用をも生み出したその男の姿は、まさにスーパーマンならぬパッドマンでしょう。
偉業を成し遂げた彼ですが、その根本にあるのは「妻への愛」だという点は、女性にはグッと、そして男性にはグサッと刺さるところかもしれません。笑
純粋にサクセスストーリーとしても面白いです。

③ジョーカー

バットマンの宿敵・ジョーカーが如何にして生まれたのか、を描いた作品。
これまでに悪役の生い立ちをここまで深く描いた作品があったでしょうか…という意味で衝撃的な作品です。(ここが個人的に3位に選んだ所以です)
またテーマとして、格差社会、貧困、イデオロギーの抑圧など、現代にも通ずる社会問題を描いており、他人事では笑えない作品となっております。
当然ですが、アカデミー主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスの演技は必見です。
物語後半に出てくる階段上でのダンスは、狂気的でありながら、非常に美しく、芸術的なシーンだと思いました。

②マローボーン家の掟

人里離れた屋敷に住むマローボーン家にはある秘密があった…。
「1917」のジョージ・マッケイと「スプリット」のアニャ・テイラージョイという今後の映画界を背負って立つ2人が素晴らしい演技を見せてくれます。
ジャンルとしてはホラーであり、ミステリーでもあり、ヒューマンドラマとも言えるような本作は、「永遠のこどもたち」のセルヒオ・サンチェス監督作品であると聞かされる「なるほど」と納得します。
同作が好きなら間違いなく本作も好きになることでしょう。
あまり話してしまうとネタバレしてしまうのが難しいところですが、とにかく二転三転するストーリーと、切なくも暖かいラストが素晴らしい作品です。
最後の場面、“開けずにしまってある薬”を見た時は本当に感動しました。

①アマンダと僕

母を亡くした娘・アマンダと、アマンダを引き取ることになった青年(母の弟)が、互いに踠きながらも懸命に生きようとする様が描かれています。
なんというか、押し付けがましくない優しさが心に染みてくる作品です。
何より素晴らしいのは2人の主人公の演技で、この2人を起用したことは作品の価値を二段階くらいは上げているかもしれません。
また美しい風景と青々とした空が印象的な映画で、ラストシーンで確実に涙腺は崩壊します。
伏線があるので最初からしっかり見てほしいですね。
個人的には2019年圧倒的1位の作品です。
なお、この作品は前述の映画「サマーフィーリング」と同じ監督作品です。
恐るべしミカエル・アース監督…今後も注目していきたいですね。