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組織行動を促すための3つの重要ポイントとは?

皆さん、こんにちは。神村です。

全4回の「組織論・組織行動論」の解説も3回目を迎えました。
前回の流れを踏まえて、組織行動における規範、目標設定、付加行動の3点について詳しく解説していきます。
皆さんの会社のみならず、あらゆる組織運営の根幹をなす部分ですので、参考になれば嬉しいです。

(本稿は「Off the pitch talk 」第231~233回の放送内容のまとめです。今回はゲスト:小出さん、文責:神田さんでお届けします)

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#231 : 組織行動における"規範"とは
#232 : 組織における目標設定を考える
#233 : 組織における"付加行動"を考える

組織行動における”規範”とは?

(小出):まずは”組織行動”という言葉の定義から教えてもらえますか?

(神村):これまでお話してきた組織の定義(=何か共通の目的を達成するために集まった集団)をベースにして、個々の組織構成員がどのような行動を取るべきかを表すのが、組織行動です。組織の掲げる目標やビジョンを達成するためには、この概念が非常に重要になります。平たく言えば、言行一致を内外に示すことにも繋がるわけです。

(小出):なるほど。実際に掲げて目標やビジョンを達成する上でポイントはありますか?

(神村):大きく分けて3つあります。一つ目は、組織における”規範”です。二つ目が組織の”目標”、そして三つ目が”付加行動”です

(小出):最後の付加行動が気になりますが、まずは”規範”から解説をお願いします。

(神村):組織における”規範”とは、学校で例えるならば校則です。組織はどうあるべきか?を定めるので、会社によっては「社訓・何か条」みたいに細かく定義されている場合もあれば、ある程度、言葉の解釈に自由度を持たせる場合もあります。

(小出):僕の学校は比較的校則が自由だったので、おそらく後者に該当しますね。個人的にも、あまりガチガチに縛られるのには慣れてません、、(苦笑)

(神村):小出くんらしいね(笑)規範の決め方については、「こうしちゃダメだ」、「これはNGだ」という Do Not の縛り方よりも、「こうありたい」という Want to Be の軸で決める方が一般的に良いとされています。小出くんはクレドって言葉、知ってる?

(小出):聞いたことはありますが、ちゃんとは説明できないです。。。

(神村):クレドを体現する組織の例では、リッツカールトンやディズニーランドが挙げられます。彼らは自分達の行動指針を細かく書いたカードを常に持っています。そのカードに書かれた行動規範を読むことで、自分達の行動を振り返ったり、どうすべきか迷った時に参考にしてるんだよね。これは、社風を醸成する重要な意味を持ちます。

(小出):とても興味深い一方で、社風を形成するのって難しそうです。

(神村):僕も最近知ったんだけど、幕末の新撰組には”局中法度”という規則があって、つまり新撰組の行動指針が5か条に定められているんだ。その第一条には「武士道に背いてはいけない」って書いてあるんです。そもそも武士道の定義って人によってバラバラじゃない?
局中法度の場合、解釈の違いを許容していたのかもしれないと思う。それでも、何か深く根底に流れていた「武士道」があった。
だから、新撰組の構成員は武士ではないのに「最強の武士集団」として語り継がれてきたのだと思う。規範の浸透がいかに重要かを示す事例なのだと僕はとらえています。

(小出):確かに、「スポーツマンシップに則る」って言葉なんかも人によって解釈が分かれますよね。ちなみに神村さんが会社を経営されていた時は、どのように規範を定めることを意識されていましたか?

(神村):経営者だった当時から、2つのことを意識していました。一つ目は「規範の数を多くしない」ということ、二つ目は「規範の言葉の解釈に幅を持たせる」という点です。以前プロフェッショナルに関する放送で紹介した「二つの”ジリツ”(自立/自律)」という表現なのです。
シンプルに「2つ」に絞っています、そして自分で考えることに焦点を当てているのです。

組織における目標設定

(小出):さて、次の”目標設定”についてご説明をお願いします。

(神村):目標を立てる上で大事な観点が2つあります。一つ目は”定量目標”です。会社で言えば、売上とか利益とか成長性などの数字で表せます。二つ目は”定性目標”です。この両者のバランスがうまく取れているのか、あるいは定量的なものが先に来るのか、とにかく定性の目標を重んじるのかは組織次第で変わるでしょう。まさにそれが、会社の風土とも言えます。

(小出):あくまで組織によるという意味では、バランスがどうであろうと善悪の話ではないということですね。

(神村):そうですね。バランス(定量と定性の比率)はもちろん大事ですが、それ以上に重要なことは「目標を自分ごとに落とし込む」ことだと思っています。会社が勝手に決めた目標ではなく、その意味を個々人が理解することが前提となります。個人と組織の成長が同時成立する関係が重要なのです。

(小出):目標というと、やたらに数字の話になって、それに対する感情論が湧き出てきます、「できそう、できない、無理・・・」アクションする前から考えちゃいますし、できなかった時のダメージも大きいような気がします。

(神村):だからこそ、上長がメンバーに対してとことん説明することが大切。お仕着せではなく、自身が理解した、自身の言葉で「目標を語る」ことが、もしかすると真のリーダーになっていく最初の一歩かもしれません。

(小出):説明するときに「目標達成することの意味」とか「それができることで社会にどう貢献できるか」、あるいは「自分の成長とどう関係するのか」などの観点が重要ということですね。

(神村):そうだね。組織の中に軋轢や認識の差異が生まれる原因は、年代差や役職の違いが原因になることが多いと言われますが僕はそうは思いません。共通理解を浸透させることを面倒くさいと思っている双方に原因があるのです。「擦り合わせの時間」ほど重要なものはありません。

(小出):同意です。僕が所属する組織の人とも、認識が揃うまでしっかり話し合いたいと思います。

組織における”付加行動”を考える

(小出):それでは最後に”付加行動”についても解説お願いします。正直、僕はこれが一番気になってました。笑

(神村):さすが小出くん、実は3つの中でもこの”付加行動”が組織の成否を分ける上で重要なんだ。「付加行動」という言葉自体は、僕が勝手に考えた言葉だけど、重要度は一番高いとさえ思っています。組織には、規範や目標みたいに”組織から与えられるもの”があります。でも、個々人の行動の中には、「言われてない(指示されてない)けどやるべきこと」があるでしょ?それを能動的に考えて社会に価値を付加するための行動が個々人にできる組織は強いと言えます

(小出):確かに必要だし、それができる組織でありたいですね。

(神村):スポーツチームでも、ムードメーカーみたいな存在って重要だと思います。あるいは、リーダーや仲間が精神的にキツイ時に細かい気配りができたりする人材も必要だよね。でも、それって他人からやれと言われることじゃないし、個々人のキャラクターに依存するので、組織で実現するのは結構難しいんだよね。誰もが「本当はこうした方がいいんじゃないかな?」とか「あいつ大丈夫かな?」って思うことはある筈なのに、実際の行動に移せる人が少ないのは、評価の仕組みがボトルネックにあるというのが私の見解です。

(小出):つまり、評価制度の中に、付加行動をどれだけ組み込めるかということですか?

(神村):その通りです。仮にそれがダイレクトに評価に結びつかなくても、それを賞賛したり、業績の良し悪しに関わらず付加行動を起こそうとチャレンジした部下(メンバー)を上司が褒めることができれば、段々と浸透していきます。

(小出):それ自体は納得できるのですが、どうしても業績が上がらない部下に対しては、上司が「そんなことやるより、もっと他にやるべきことがあるだろう」って言いたくなる気持ちもある気がします。

(神村):上司の視点で見れば、そう思うのは自然でしょう。ですが、部下の視点に立つと、せっかく自主的にやったのに評価されないどころか怒られる始末だったら、それ以後は付加行動を起こさなくなりますよね?ですから、マネージャーや上司は「君の行動は凄いと思うよ。とても周りのことを気遣ってくれているよね。」とか言えるようになるのも大事なことですね。

(小出):これって時間軸も重要な気がしていて、「今は重要じゃなくても、長期的に見れば重要なこと」をやっていくことがきちんと評価されるなら、付加行動をやる意義が見出せる気がします。

(神村):その通り!ムードメーカーになるとか、組織に対して何らかの行動ができていれば、たとえ業績が思うように伸びなかったり、調子が悪い時があったとしても、いずれ成果は出るものです。

(小出):部下の付加行動を受容できるだけの上司個人の度量と、組織の体力が大事になってくる気がします。

(神村):常の個人のパフォーマンスには差があります。貢献成果の大きさにも違いがあるのも事実です。そこで、組織構成員すべてが「チームとして最大のアウトプットを出すことに集中すること」を心底理解している組織は強くなります。そのためには上司が「良い時も悪い時も、それぞれがチームに貢献できることをやっていこう」と部下に日頃から伝えることも大切ですね。

まとめ

(小出):今回も、個人的には学ぶべき点が多かったです。組織のことや人材面のトピックについては、やっぱり人材のプロである神村さんに聞くのが一番ですね!笑

(神村):とんでもない。今日学んだことを活かして、小出くんが組織の中で益々活躍してもらえたら嬉しいよ!頑張って!

(小出):はい!いよいよ次回は本企画の最終回になります。引き続き、よろしくお願いします!

(神村):はい、ありがとうございました!

文責:神田) 




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