見出し画像

怒涛の2週間を経て得た「気づきと学び」

皆さん、こんにちは。神村です。

前回は「組織行動論」を受講する学生たちの意見などを共有し、アフターコロナを見据えた大学・企業のあり方を対談形式でお届けしました。
今回は、standfm収録前に私が経験したいくつかのエピソードを交えながら、読者の皆さんにとっても大切だと思える学び・気づきをお話したいと思います。

(本稿は「Off the pitch talk 」第95~97回の放送内容のまとめです。今回はインタビュー:小出さん、文責:神田さんでお届けします)

↓↓音声で聞けるstand.fmはこちらから↓↓

#95 : https://stand.fm/episodes/60ab708dff44a404e6f96614
#96 : https://stand.fm/episodes/60ae23651eca766e1fe5a013
#97 : https://stand.fm/episodes/60b0d165a9cdfbfe2671c4a8

マルチタスク / マルチフィールドが活躍のカギ

(小出):神村さん、最近何だか結構お忙しそうじゃないですか?
(神村):気付かれちゃいましたね…苦笑。実は、GW期間が明けてから、かなり忙しい日々が続いてました。基本的には Slack とかも即レスを心掛けているつもりですが、大学の講義の仕事や以前ご紹介した「Morning Pitch for Interns」の準備、さらには企業の顧問業務が一気に立て込んでしまいました。ある時には学生、またある時には企業の重役と話す機会があるなど、毎回話すレイヤーが異なるため、段々と頭が混乱してきたりもしました。

(小出):お聞きするだけでも、けっこう大変そうですね(笑)
(神村):最近すごく思うのは、マルチフィールドでマルチタスクの重要性なんだよね。「私は〇〇しかできません」や「それは私の専門外なので…」という言い訳は通用しない時代なんだということかな。昔から言われていたような気もするけど、副業人材などがも徐々に増えてますますそう感じるようになったよ。

(小出):副業とかをして、色々なスキルが身につくのはあると思う一方で、「自分はこれを武器にする」といった専門性を身につけるのも大切ではありませんか?
(神村):専門性は仕事の”深さ”に該当するので、当然大事です。仕事の幅と深さを両立させようというのが本質ですね。小出君の場合も、トレーナーとしての技術的な専門性がなければ、そもそも仕事を依頼される機会が減ってしまうよね。でも、たとえばトレーナーの仕事に加えて、それを動画編集していくクリエイティブスキルを身につけて行けば、他トレーナーとの差別化に繋がりますよね。

(小出):なるほど。
(神村):とにかく、大事なことは新しいことにチャレンジする時間を創りだすことなんだよね。時間は有限だから。そのためには、普段やっている仕事の効率性(スピード)を上げないと始まらないね。だから、完璧主義であることよりも、80%でいいから、一気に仕上げるスピード感を意識したほうがいいね。そのための、事前準備がどれだけできるか(≒段取り力)も非常に大事だね。

(小出):なるほど。 脳に様々な刺激が与えられそうですね。笑

アドバイスする側も学ぶことが大切

(神村):僕らの年代になってくると、若い世代に向けてアドバイスをしたり講義をしたりする機会が徐々に増えてくるんだけど、アドバイスを与える側も知識や経験をアップデートさせる必要があるなと強く感じる。そうでないと、単なる経験談になって、しまいには「おっさんが昔話してるなぁ」と若者に聞いてすらもらえなくなる。苦笑
(小出):単なる経験談だけだと確かにそうなるかもしれないですね。

(神村):僕が若い頃にも、上司の話をただ聞くだけなのは嫌でしたから。 誤解しないで欲しいのは、先輩からのアドバイスは時に役立ちますし、ためになる場合もあります。ただ、多くの話が精神論に終始したり、成功自慢話で終わることも事実ですから。
(小出):そうですね。神村さんは具体的にどのようなことを工夫されているんですか?
(神村):例えば、ある会社の経営会議に月1で参加しているのですが、すごく意識しているのは「人間観察」かな(笑)
どんな顔して話しているか、どんな姿勢で人の話を聞いているかなどをノートにメモったりしています。話の内容もさることながら、いわゆる「顔つき」を見ていると、いろんなことがわかってきます。そして、それはそのまま自分にも当てはまることなんだと思っています。もう1年半以上その役員会に出ていますが、企業の役員たちが徐々に変わっていく姿を見るにつけ、自分にも学び・成長の機会があると実感したりします
(小出):凄く具体的ですね!
(神村):一つの仕事/場面での出来事が、他の場面でも生きる、つまり「知恵」として蓄積されていくということですね。引き出しを多くして、応用力を磨くといってもいいかもしれないね。

(小出):それらのエピソードから、今の若者に向けて活かせることはありますか?
(神村):最近強く思うのは、他者の行動力の原点を探ることの大切さです。何をやりたいのか?それはなぜなのか?を知ると言うことかな。
アドバイスする時って、つい「こうやりなさい」と一方的な命令口調になりやすいのですが、一歩踏みとどまって「どうしたい?どうやりたい?」そして「なぜやりたい」と聞くようにしていますね。
(小出):確かに、そのような考え方や行動はすぐに実践できますし、 自らの癖になるまで実践し続けたいですね。

後輩との久々の再会エピソード

(神村):そんなこんなで慌ただしい日々を過ごしていたんですが、嬉しいニュースが二つもあったんです。
(小出):へー!それはどのような出来事だったんですか?
(神村):一つ目は、JAC在籍時、2002年に新卒1期生とした入社したメンバーが、わざわざ大阪から山形に試合を見に来てくれたんですよ。正直びっくりしたし、本当に嬉しかったです。その時は2人で来てくれたのですが、一人は入社半年、もう一人は3年ぐらいしか在籍しないで辞めてしまった子です。
(小出):そうなんですか。意外にも短いですね。
(神村):そうなんだよ。実は彼らが辞めて以来、会うことは一度もなかったので、突然 Facebook で「山形でお会いしたいです!」と連絡が来たときは大変驚きました。当時の僕は、相当厳しいハードなマネジメント(今ならパワハラと言われそうな・・・)をしていたので、彼らにとって当時の私は嫌な上司だっただろうなと思ってました。我ながら反省する部分があったからです。ですが、想定とは裏腹に、彼らの方から「あの時、神村さんに教わったことや、当時の経験が今役に立っているんです」と言ってくれたんです。もう感無量というか、今までやってきたことは無駄じゃなかったなと心から思えた瞬間でしたね。
(小出):それは素敵なお話ですね!

(神村):時期を同じくして、実は似たような話が、もう一つあったんです。別の人材会社で2010年に新卒一期生として採用した子で、当時から仕事熱心で努力家の素晴らしい社員でした。ただ、3年在籍した後、自分の夢である教師を目指すために退職したんですね。その方が、今年になって教師として新たなチャレンジをするにあたり、昔の上司である僕に推薦状を依頼してきたんですよ。
(小出):辞めた会社の上司に推薦状を書いてもらうなんて、僕は言えないかもしれないです。(苦笑)
(神村):自分のやってきた仕事に対して、確固たる誇りがあったからだと思います。ビジネス社会での経験を持つ教員としての自負みたいなもんじゃないかな。
それを考えると、後輩たちにアドバイス・指導した経験が、10~20年の時を経て形になることもあると気付きました。
(小出):そんな感動的なエピソード、なかなか起こらなそうですけど、学校の教員や部活の顧問から言われた言葉が今になって響く、みたいな感覚と似ているのでしょうか?
(神村):そうそう、まさにそんな感覚だと思う!「先生冥利に尽きる」というか、長く一緒に居なくても、限られた時間の中で伝えたことを生徒が覚えてくれて、今に活かしてくれているのと同じです。こんなに嬉しいことは無いですよね。ここ2週間の疲れが一気に吹き飛んじゃいました笑
(小出):僕もいつか接してきたアスリートに、そんな風に言ってもらえたら嬉しいですね。
(神村):小出君も、いつかきっとなれるよ。

若手にアドバイスする際の3つの留意点

(神村):先輩が若手にアドバイスする際に大事なことが3つあるんですよ。
(小出):気になります!ぜひ教えてください!
(神村):まずは後輩が理解できるまでとことん説明する努力をすることです。「お前もいつか分かる時が来るから、今は分からなくても我武者羅にやりなよ」などと説明を端折らない。
(小出):たしかに。先輩風を吹かすだけだと後輩の信頼は掴めないですよね。
(神村):次に、物事の本質を伝えるということです。言い換えれば、大人扱いするって意味かな。若いからとか、新卒だからという理由で表面的な言葉でごまかしてはいけないのです。江戸時代は子供も論語を読んでいたわけですよ。本物・本質を若い時から植え付けていくことがその後の成長を大きく左右すると思いますね。
(小出):なるほど。
(神村):最後は、自分自身が信頼に足る人間であろうと努力し続けることです。そして、自分が人を信頼することです。これはある意味、当たり前かもしれないですが、今だからこそ私なりの経験を踏まえて皆さんにお伝えできるのかなと思います。

まとめ:「やってきて良かった」と思える仕事を続けるために

(神村):今回は2002年、2010年の新卒入社の後輩たちが私にアプローチしてくれたおかげで、私自身も大事なことに気づくことができました。今後このような機会がどれだけあるか分かりませんけれども、これから後輩や部下を持つ世代の方々には、あなたの未来に実る仕事があることを意識して欲しいと思います。「やってきて良かった」と思える時が必ず来るから。本日お話したマルチタスク等のスキル的なことと、人間としての人格磨きの両方やることが大事なことだと思うよ

(小出):そうですね!とても大事な観点が盛りだくさんの内容でしたので、社会人の方は特に学びが多かった内容だったと思います!神村さん、今週もありがとうございました。
(神村):ありがとうございました!

(文責:神田)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?