
《テストレビュー》日能研 小6 公開模試 2023/5/7実施
(今回のテストレビューは約1300文字です。日能研の「小6 公開模試 2023/5/7実施」の内容に触れていますので、ご注意下さい。なお、全長版は約3700文字になります)
今回は「日能研 小6 公開模試 2023/5/7実施」の国語のテストをレビューしていきます。
大問一
大問一の書き取りは、「気性」「根幹」「自画像」が重要になるでしょう。いずれも意味の記憶が曖昧だと漢字が思い浮かばず、書き損なう恐れがあります。「気性」は「気象」「希少」といった同音異義語も覚えておきたいところです。また、「根幹」は難しい書き取り問題を作りたいときに採用されやすい熟語のため、特に注意して下さい。
大問二
大問二の方は和語が出題されています。「しのびない」「さしでがましい」「はかない」等。和語は受験生が苦手する分野ですので、要チェックと考えましょう。逆に言えばここを押さえておくと他の受験生に差をつけられます。
大問三
大問三はことわざ、慣用句の応用問題です。「①例文からことわざ、慣用句を思いつく→②それに含まれる鳥を選ぶ」という二段構えになっているため、①のステップでつまずくとかなり難度が高まります。選択肢からことわざ、慣用句を考え、それに対応する例文を探すという手もありますが、いずれにしても知識の精度が不正確だと解き切れなくなるでしょう。灘中、洛南高校附属中等で出題されそうな問いですので、そこを志望している受験生でここを落としてしまった人はよく復習しておいて下さい。
大問四
大問四で最も手強いのは、正答率17%の問三-(2)になります。この問いが難しい原因の1つは、単純に言うと「答えが傍線部からやや遠い」ことです。設問が指定している傍線部②は4ページにあり、答えは5ページの後半に出てきます。そのため、傍線部の近くだけを調べて何とかしようとする癖のある受験生は恐らく正解が覚束ないでしょう。しかし、あくまでも「やや遠い」という点がポイントです。確かに少し遠いですが、何ページもあとというわけではないので、少し根気よくページをめくって文章をたどっていけば正解のある場所へは到達できます。それなのに、正答率が17%というのはやや不思議な話です。
そこで設問に戻って見直してみましょう。この問いは「筆者と妻が『バーニーズ』を選んだ理由が含まれる一文」を探すとなっています。それに対して、答えの一文はよく読むと「大型犬を選んだ理由」あるいは「マルコを選んだ理由」を述べているとも解釈でき、「バーニーズ」を選んだ理由の説明と取ると少しずれが感じられます。恐らく、これに引っかかって迷ってしまった受験生もいたのではないでしょうか。
ここは、出題者の苦労(工夫)の跡が見られるところでもあります。この問いが「理由を述べている一文」ではなく、「理由が含まれる一文」となっていることがポイントです。ややぼかした問いかけにすることで、答えの一文を正解と見なしても問題ないようにしてあると考えられます。
国語のテストで難度を高めたい時、問三-(2)のように「問いかけに曖昧なところを残す」という手法はよく利用されます。日能研のテストでも実際の入試問題でもこうしたことがあり得ると意識を持っておくだけでも、引っかけをかわしたり、難度の高い問いを正しく見分けたりといったことにつながる可能性があります。
※以降のレビューでは、大問四の設問をもう1問取り上げて分析を行い、さらに大問五の注目問題について触れています。
(noteで公開しているレビューはここまでになります。全長版をご入用の方は、「『日能研 小6 公開模試 2023/5/7実施』のテストレビューの全長版を郵送希望」とお書き添え頂き、国語学習会の公式サイトのお問い合わせフォームにてお申し込み下さい)
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