【日記】星の降る夏の夜に
何かのタイミングで、国立天文台か何かのニュースを見てから、ずっと楽しみにしていた。
ペルセウス座流星群のこと。
私は、さほど詳しいわけではないが星を眺めることが好きだ。
星座を把握することに一時期ハマっていたし、プラネタリウムも全力で見入る。
iPhoneには星座表のアプリを入れていて、時折明るい一等星を見つけては「あれはどの星だろう」なんて見ることを楽しんでいる。
そんな私が、図らずも良い時期に、光害の少ない良い場所に訪れる予定があった。
うまくいけば、流星群をしっかり見られるかもしれないと淡い期待をしてから数週間。
ピークとされている、十二日の夜から十三日の未明を待ちきれず、もう十一日の夜からそわそわを夜の空を見上げていた。
ちなみに十一日の時点でも、小さな流れ星を二つほど目視できた。期待は膨らむ!
そして迎えた、楽しみにしていた十二日の夜。
条件はバッチリ揃っていて、何もかもが最高だった!
見たかった北側の空は雲一つなく、カシオペア座もしっかり見えている。
その「W」の少し下にあるのがペルセウス座という、非常にざっくりとした前知識を持って、その辺りを中心に広く空を見る。
昔から暗さには弱いものの視力自体は良いので、じっと目が慣れるのを待つ。
十分も待たずに、スッと流れる一センチほどの流れ星。
一度見つけられるようになると、夜空を縦横無尽に流れる星々がどんどん見えるようになる。
途中数回、眩しいくらいの明るさを持った長い光の線が引かれた。
絵に描いたような、あんなにわかりやすい「流れ星」は、人生で初めて見た気がする。
少しだけ、「線香花火が終わるときに似ている」と思った。
スッと流れ落ちて、消えるときに光の粒がじゅっと縮んで散り散りになるような、夜空の線香花火。
あれだけ目視ができる流れ星は、一体どれくらいのサイズ感で大気圏に突入してくるものなのだろう。
一体どれくらいの期間、輝いていたものなのだろう。
どれくらいの旅をして、ここまで流れてきたのだろう。
想像は尽きない。
雲がなく、風が少し吹いていたおかげで暑くもなく
眩しい街灯も少なく、人通りもほぼない。
水辺のどこかで魚がはねる音がして、夜の虫の輪唱がただただ響くような静かな夜。
ひたすら夜空を見上げて、一時間ほど無心で「流れ星を浴びた」。
途中までその数を数えていたのだけれど、何だかナンセンスだなと思って八つを超えた辺りでカウントをやめた。
思わず、教え子や星の話題を共有できる人に「北の空を見て!」と連絡してまわる。
感動を共有したがりの、喜びを共感してほしがり。
実際に空を見た数人から、「見えた!」とか「曇ってる…」とかの報告を受けつつ、一人静かな夜に佇む。
人生、これほどまで豊かな時間はあるまいよ!と、本当にたまらない気持ちになる。
そんな、夏の夜を過ごした。
ここ最近で一番胸躍る夜だった。
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