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置いていかれている感

オンライン会議のマナー本が出たり、人によってはそんなものが出る前にもっと効率的な使い方を始めていたり、今まで「会わなきゃいけない」と思われていたことがどんどんとオンラインで代替されるようになっている昨今です。

この変化が最大限長くとってもわずか5ヶ月の間に起こっているというのですから、ドッグイヤーもびっくりでしょう。

マナー本についてはそんなもの強要する人がいたとしたら、解雇するリストの順位づけができて楽ですねと言いたいぐらいですが、和尚がそんなことを言ってはなりません。

僧侶の世界はそれこそマナーのようなものが蔓延っていると思われているかもしれませんが、意外や意外、何かを強制するのだとしたらその理由を明確に示なければ誰も従わない世界です。(宗派、地域にもよるかもしれません。後、修行中は除く)

そんな最先端の僧侶の世界ですが、オンラインでのやりとりについては置いていかれている感があります。青年僧侶と言われる世代で構成される組織などは、特に全国組織の上の方は、事務的なものについて省けるものはどんどん省いている印象で、当然パソコンやネットの活用も早めでした。

ITベンチャー並みとはいきませんが、長らくこの界隈を眺めている私が感心したぐらいですから、なかなかの早さでしたよ。

その一方で、全体的なところを見れば、やはりたいそう遅れていると言えます。住職の「仕事」の部分である寺院運営に限って言えば、ITの活用は必須ではありません。国や県への届けだって手書きの紙で出せば良いのですから、パソコンがなくても問題ないのです。

そうした中にいる方々に、便利ですから使いましょうと言っても、これはなかなか難しい。パソコンを使えるようになるには、まだまだ訓練が必要です。その時間があるのなら、仏教書の一冊でも余分に読んだ方が、僧侶としての資質向上に寄与する可能性が高いです。

僧侶の至上命題は、いかに多くの人に正しく仏法を伝えるか、ということ。そこにどうIT技術が活かせるか、もう少し具体的に提案できる力が私にあれば良いのですけれど、そもそも今お寺が直接接している年代の方々は、IT技術に疎い方が多い世代です。活かしたくても、活かせない。難題です。

でも、光明はあります。正太寺はLINEの公式アカウントを取得しています。最近では音声通話も公式アカウントが受けられるようになって、LINEを使っているお檀家さんからはLINEで連絡が来るようになってきました。

法事の予約も、文字の方が便利なはず。お互いに記録に残りますから。

だんだんと、そうしたことが当たり前の方々がお檀家さん各家の代表となってきます。そうしたら、お寺の対応は早いと思いますよ。お檀家さんからの要望というのは、お寺にとってとても重要です。数人のお檀家さんから要望があれば、それは重大なことと認識して、すぐに対応します。企業のお客様相談室よりも絶対反応が早いです。

高齢の御住職しかいないお寺の場合はちょっと難しいかもしれません。年齢だけでは判断できませんが、難しい可能性はどうしても高まります。

方や、60代ぐらいまでの住職・副住職がいて、メールやLINEの活用を要望しても、使い方が分からないからできないよ、という反応があったなら、私を紹介してください。力になります。

この置いていかれている感は、なんとかして払拭しないといけません。お寺に見切りをつけた方々にとってはもはやどうでも良い存在でしょうが、お寺を媒介として受け継がれてきた仏教は、とても素晴らしいものなのです。これを知らずに、これに触れずに人生を過ごすのは大変にもったいない。そこを知ってもらうために、お寺の本来の役割を果たすために、ITの活用は急務なのです。

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