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オンラインすごろくでリーダーシップを探せ!2年目の授業で学んだこと

今年も、「女性リーダーシップ論」のゲスト講師のご依頼をいただきました。
3回目の今年も、コロナの状況によりオンラインでの授業が事前に決定し、昨年と同じような内容のワークショップで臨むことにしました。

今回は、オンラインでの授業2回目ということで、この授業を通して私自身が学んだこと、この授業の担当教授とお話しして感じたことなどをまとめたいと思います。

過去2回の授業については、こちらをご覧ください。

昨年からのすごろくアップデート

まず、昨年とは自分自身の状況が色々と変わっているので、準備はすごろくをアップデートするところから始まりました。

・大学院生になった
・会社の組織変更があり、仕事の内容が変わった
・昨年までやっていたプロジェクトで大きな賞をいただいた

新しい経歴をすごろくに入れていくというのは、古い経歴を少し削らなければならないということになります。
いくつかの項目を削って新しい項目を追加したところで、全体を見てみると、なんだか「仕事人間」の雰囲気に…。

でも、全体としては仕事のスコープや責任範囲、関わる人の範囲がどんどん大きく広くなっていっているのがわかります。
この作業で自分でも改めて自分の仕事人生を振り返り、リーダーシップが歳と共に成長し、変化してきていることが実感できました。

すごろくのアップデートと共に、以下の準備も行いました。

1. 配布する補足資料(キャリア教育の一環として、経験した一つ一つの仕事に
 ついて私なりの解説をした資料)
2. 講義用のパワーポイント
3. 3つのアンケートフォーム(mentimeter×2、Googleフォーム)
4. アンケート集計用のスプレッドシート

補足資料、パワーポイントと、アンケートフォームのうちmentimeterは、初めてこの授業を実施したときに作ったものをアップデートしながら使っています。
また、Googleフォームとアンケート集計用のスプレッドシートは、前回の授業で初めてやってみたものです。
アップデートして今回も使うことにしました。

ワークショップ計画書を作成する

前回のワークショップ計画書をアップデートして、今年用の計画書を作成します。

前回は、オンラインの授業が始まったばかりで、学生さんがZoomに不慣れであるという前提で授業を組み立てました。
そのため、色紙を用意してもらい、困ったら赤、OKだったら緑を上げてもらうなど、Zoomの機能を使わなくても意思表示ができるよう配慮しました。
また、すごろくゲームのルールとして「サイコロを振った人が次の人を指名する」としたため、まだ指名されていない人がわかるように緑の色紙を上げてもらうということもしました。困っている学生がいればフォローできるように、人員体制も厚くしていました。

今年については、事前に担当の教授とも相談し、Zoomでの授業にはもう慣れているので、色紙の準備はなし、ビデオもOFFのまま参加していただいてOKということにしました。

ワークショップを実施するにあたり、参加者の表情が見えないというのはかなり厳しい条件ではあるのですが、以下の理由によりビデオOFFの方が良いだろうと考えました。

・ビデオをONにして発言をすることに対して、戸惑いが見られた
 →教室で授業を受けている時よりも、発言時に注目されていると感じる感覚
  が強くなるかもしれない
 →学生の部屋が映ってしまう(背景などを使いこなせていない学生が多い)
・ビデオONにすることでインターネットが不安定になる
 →インターネット環境が良い学生ばかりではない
・取材が入った
 →学生の顔出しに配慮する必要があった

Zoomでの授業に慣れているということを踏まえ、今年はブレイクアウトルームに分かれての作業を入れてみました。
但し、時間の制約がある中で学生自身が提示したツールを使いこなして作業を進めることができるのかどうかに確信が持てなかったので、すごろくゲームは昨年と同様全体で実施、リーダーシップグラフを作る作業は、基本的に個人ワークですがブレイクアウトルームで学生同士会話しながらやってみることにしました。

正味1時間15分ほどのワークショップの流れとしては、このようになりました。

1. アイスブレイク
 
→mentimeterで「リーダーシップ」と聞いて最初に思い浮かんだ一言を
  入力、みんなで結果を眺める
2. ワーク1「すごろく」
 →指名された人がサイコロを振り、講師が解説
3. ワーク2「講師のリーダーシップグラフを作る」
 →ブレイクアウトルームに分かれ、Googleフォームに入力しながら感想を
  シェアし合う
4. まとめ
 →講師の解説の後、mentimeterであなたにとっての「リーダーシップ」とは?
  を入力、最初に取ったアンケートと比較して、違いを見る

ワークショップを終えた感想と、次回に向けた改善点の考察

①すごろくで「次の人を指名する」のは心理的ハードルが高い?

まず、今回とある取材が入ったため、直前に「学生のZoomに表示される氏名をイニシャルにする」というルールとなりました。
そのため、すごろくの時にサイコロを振った学生が次の学生を指名するということが難しくなり(ビデオもOFFで誰が参加しているのかわからない)、途中からは名簿を持っている担当教授に指名していただくことになりました。

授業の対象学年は2年生なので、同じクラスの学生はわかるのでは?と思ったのですが、よく考えてみるとこの学年は入学時から十分に同じクラスのメンバーと顔を合わせておらず、更に2年生以外の学生も参加していたことから、無理もない状況でした。
あまりお互いの関係性が深まっていない中で、更にお互いに顔も見えない状況下で「指名をする」という行為は、敷居が高く感じられるのでしょう。

「次の人を指名する」という方法については、もっと別の方法に変えていく必要があると感じています。(オンラインであってもオフラインであっても)

②ワークショップへの参加度が測れるデータを用意しておく必要性

このワークショップ計画の中に「リフレクションシートへの記入」が入れられていませんでした。(時間の余裕がなかった)
初回の対面での授業では、講師のまとめの後に記入時間を設けたのですが、オンラインになってからは少し手間取ることも予想し、無理に授業中に記入させずにその次の授業までに各自書いていただくような流れになっていました。
昨年は、リフレクションシートの共有は後からいただいて、全体的な参加度についてはそちらで確認をしましたが、終了後に少し学生が残って質問をしていただいたりする時間を取ったため、学生の反応が見えて良かったと思います。

今回は学生から質問を受ける時間も取ることができず、学生の参加度がどうだったのかを知る術がないまま授業を終えてしまいました。
唯一、Googleフォームで取ったアンケート(講師のリーダーシップグラフを作る)の自由記入項目(講師のターニングポイントを選び、その理由を記載する)が、「時間がなければ無理に書かなくても大丈夫」と伝えてあったにもかかわらず、ほとんどの学生が入力してくれていたことが、それなりに積極的に参加してくれていたことを伺わせるデータとして受け止めることができました。

③学生の参加度が高まるファシリテーションの再検討

色々なツールを次から次へと使い、とにかく「スムーズに」オンラインの授業を進めていくことにこだわり過ぎているかもしれません。

この授業についてディスカッションをした教授からは、そのようなご指摘を受けました。
意図的に「グダグダ」してもいいんじゃないか…と。

振り返ってみると、初回の対面授業では、すごろくもリーダーシップグラフ作りもグループワークにしていたのですが、かなりグダグダした感じがありました。
オンラインということで、時間内に終わらせるために講師側でコントロールし過ぎてしまっている面もありそうです。

④IT企業の社員「らしさ」を伝えるにはオンラインでの授業が効果的

これはオンラインのワークショップを有効に活用できている側面です。
私自身がIT企業で働いていることが、こういったツールを使いこなせていることによって説得力が強くなると感じました。
また、すごろくで使ったサイコロも、Scratchで作ったサイコロアプリを使うことにより、その印象をわかりやすく伝えられていると思います。

対面でも、micro:bitを使ったサイコロを用意したり、アンケートフォームも利用しましたが、やはりオンラインの方がより強みが表現しやすいと感じました。

Zoomのホワイトボードなども活用できると良いのですが、学生が操作に手間取るとフォローが追いつかないという危惧もあり、思い切って活用できていません。
次回は少しチャレンジしてみても良いかもしれないと思います。

⑤すごろくに出てくる「出来事」が仕事のことばかり

これについては、担当教授からご指摘もいただきました。
新しく追加したい項目が出てきた時に、どこを削るのかは悩みどころなのですが、この授業の目指す姿と、全体のバランスを見て決める必要があると思います。

ごく普通の家庭生活にもリーダーシップが必要な場面があることを、次回はもう少し織り交ぜながらやってみたいと思います。

まとめ

たくさんの改善すべき点があり、次回はうまくできるのか今から心配になったりしますが、毎年ブラッシュアップしながらこのワークショップを育てていきたいと思います。

そろそろ「すごろく」じゃない方法を考えて試してみても良いかもしれない…と思い始めているので、1年かけて色々と次に向けた検討をしてみるつもりです。


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