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マウスピース治療が始まるまでと開始直後の様子

記事をお読みいただきありがとうございます!
前回は、私と歯医者さんとの関係(歯科恐怖)から始まり、インビザラインでの治療を選択し、契約して支払いするまでについて書きました。
この一連の記事は、50代の方、管楽器を演奏する方がインビザラインをするかどうか悩んだ時に、できるだけ多くの情報を提供できるようにしたいと思っています。そのため、時系列をできるだけ詳細に書いています。

今回は、マウスピースでの治療が始まるまでにどんなことがどんなペースであったのか、そして実際にマウスピース治療が始まった最初の頃の様子について書いていきます。

マウスピース治療開始までの準備

歯周病治療

2024年3月にインビザラインで治療するための契約を済ませましたが、その時に撮影したレントゲンや3D画像などからマウスピースが出来上がってくるまでには3ヶ月程度かかるという説明がありました。私の場合、歯周病の進行が今後の治療の妨げになることが予想されたので、できる限りコントロールをしていこうということで、これについてはイレギュラーなパターンと言われましたが同じ歯医者さんで診てもらう(自由診療)ことになりました。

歯周病治療の1回目は2024年4月。とにかく痛い(痛そう…も含めて)ことに対する耐性が弱いので、そのことは担当の歯科衛生士さんにも十分お伝えしました。自分が過去(特に子どもの頃)通った歯医者さんで、「痛かったら左手を上げてくださいねー。」と言いつつ左手を上げても「もうちょっとだから動かないで我慢して!」と叱られ、押さえつけられるという体験をしてきているので、歯医者さん(歯科衛生士さん含む)の言うことは全く信用ならないというトラウマになってしまっています。

今回の歯医者さんでの歯周病治療は担当が毎回変わるのではなく、今のところ同じ方が担当してくださっているのですが、こちらの要望にしっかりと耳を傾けていただけるので安心して身を委ねられるようになりました。

長期間放置していたため、歯石がかなり頑固な状態になっているのを除去するところから治療が始まります。4回に分けて少しずつ歯石の除去をしていくことになりました。そして、最初に「痛かったら麻酔しますから言ってください。」と言う歯科衛生士さんに「多分痛いので最初から麻酔してほしいです。」とお願いしたのですが、そのお願いを聞いていただけて最初から麻酔をしていただけるというだけで少し安心感が違いました。

歯石の酷さによっては歯茎を切開して中の歯石を除去するという治療があることも知っていたので、自分の場合はどのレベルなんだろう…と不安に思いながら何とか治療に耐えたのですが、結局歯石除去が済んでみると歯茎の切開まではしなくて良かったようです。1回目、2回目ぐらいまでは恐怖で血の気がひき、恐らく真っ青な顔をして耐えていたんだと思います(笑)
でも3回目ぐらいからは少し慣れてきたように感じます。5月下旬に予定通り4回目の治療で歯石の除去が完了しました。

この歯石除去の治療で1つ大きな発見がありました。麻酔は「誰がやっても痛いもの」と思っていたのですが、歯医者さんの腕次第でその痛みは違うということが実感できたのです。1回目の治療の時に驚いたのが、麻酔がチクッともしないレベルで全く痛くなかったということでした。そんなことは初めてで、その歯医者さんの麻酔の機器の性能なのかと思ったのですが、2回目に別の方が麻酔をした時にはとても痛かったのです。思わず歯科衛生士さんにそのことをお話ししたのですが、麻酔の針の侵入角度や、麻酔の液を入れるスピードなどは歯医者さんがコントロールするので人によって差が出るということでした。
そして、3回目からは1回目に麻酔してくださった方にお願いしてもらえるということになり、とても感謝しています。本当は直接その方にお伝えしたかったんですが、麻酔直後はうまく話せないので、歯科衛生士さんから感謝の気持ちを伝えてもらいました。

歯石を除去した後は1〜2ヶ月に1回のペースでクリーニングを行い、歯磨き指導もしてもらいながら歯茎の状態を診てもらうことになりました。
自由診療なので費用はかなりかかってしまうのですが、私の場合は必要な選択だったと考えています。

虫歯に関する相談とセカンドオピニオン

歯周病の治療とは別に虫歯に関して気になることがあったので、5月に矯正治療をする歯医者さんとは別の歯医者さん(矯正治療をする歯医者さんでは虫歯治療をしていないため)に診てもらうことにしました。この歯医者さん探しは難航を極め、Webに載っている内容だけではなかなか決めることが難しかったのですが、「削らない虫歯治療」についてたくさんの情報を掲載していた歯医者さんに行ってみることにしました。

その歯医者さんで、矯正治療を始めていることや歯科恐怖についてなどもお話しし、カウンセリングをしていただいたのですが、結果として矯正中に虫歯が悪化してどうしても治療が必要になることはなさそうだという結論になり、背中を押していただけました。

前回の記事にも記載したのですが、矯正するためのマウスピースを作り始めてしまっているので虫歯治療のために歯の形が変わってしまうとマウスピースを作り直す必要が出てきます。ただ、私としてはその費用を惜しむあまり痛みが出ている虫歯の治療を我慢するということは避けたいと思い、そのこともお伝えした上でカウンセリングしていただきました。
この歯医者さんは説明がとても丁寧で、私が今置かれた状況やこれからのことを考えた上で最善の提案をしていただいていると感じられました。矯正の治療方針も含めて別の歯医者さんの意見を聞けたことはとても良かったと思います。

「虫歯の痛みかも?」と思って気にしていた歯の痛みは、恐らく歯周病が原因の知覚過敏だろうという見立てだったのですが、実際に歯周病が治ってきた段階で痛みは無くなっていきました。

治療計画の説明と治療計画同意書へのサイン

6月中旬に治療計画が完成し、カウンセリングが行われました。このカウンセリングはZoomで実施されています。治療計画には、料金プランの合意の時にはまだどうなるかわからなかった詳細な治療の内容が記されています。例えば、マウスピースは全体でいくつになるのか、歯の表面に「アタッチメント」という突起物を取り付けるのか、どこにいくつ付けるのかや、「ゴム掛け」「TSA」という工程が必要なのか、それはどの歯に付けるのかなどです。

私の場合、アタッチメントをかなりたくさんの歯に付けることになり、ゴム掛けもTSAも実施という内容でした。
このあたりは5枚目のマウスピース装着の直前に歯医者さんに行って施術してもらうことになるので、その様子をお伝えする時に詳しく書いていきたいと思います。

この治療計画の説明に納得できる場合は、同意書にサインをするのですがこれは電子署名で行われました。
この辺りがITの利用に慣れていない方にとってはハードルが高いかもしれません。契約がどのように行われるのかは歯医者さんによると思いますが、電子契約の場合でももちろん歯医者さんでフォローしてもらえますし、こちらの歯医者さんの場合はLINEで質問もできるので慣れない方でも大丈夫だと思います。
ITの利用に慣れている私にとってはとてもありがたいシステムです。

また、契約してから実際の治療に入るまでの間たくさんの待ち時間があることは人によってイライラしてしまうかもしれませんが、この歯医者さんでは患者を不安にさせないように「いつ次のアクションがあるのか」などの目安や「いつ何をすれば良いのか」をしっかりと伝えるようにしてくれています。
例えば、歯周病の治療では「痛みが強くならないよう4回に分けて歯石除去をします。」と最初に伝えていただいていたり、治療計画の説明に関しては「治療計画ができました」ではなく「治療計画がもうすぐ出来上がるので⚪︎月⚪︎日以降でカウンセリングの予約を取ってください。」といった感じです。

人気の歯医者さんであるため混雑して予約が取りにくいタイミングもあるのですが、場合によっては次のアクションを見越して先に予約を入れるようアドバイスをいただくなど、とても配慮が行き届いていると感じます。

マウスピース治療開始!果たして楽器は吹けるのか?

マウスピース到着

6月中旬に治療計画に同意した後、数日で「マウスピースが届く目安の日」について連絡がありました。この辺りもとても親切でありがたい連絡だと思います。私の場合ちょうどマウスピースが届く目安となっていた日が出張で不在にする予定だったので、家の者に受け取りを依頼したり、マウスピースの着用をいつから始めようか検討したりあらかじめ予定を組むことができました。
この時点でマウスピース受け取り後のカウンセリング(Zoom)を予約するよう指示があります。

そして7月中旬についにマウスピースが届きました!
段ボール箱にたくさんのマウスピースがぎっしり入っているのを見て、治療の長い道のりを感じます(笑)

マウスピースの装着は最初から自分一人で行います。事前のカウンセリングや、動画レクチャーなどで取り付け方のコツなどは伝授されていたものの、実際にうまく付けられるのか、外せるのか、痛くないのか…とても不安になりながらやってみました。

付けてみた最初の感想は「思ったよりも違和感がない」でした。
小学生の時に前歯2本の間を狭めるために歯医者さんでそこだけワイヤーで固定したことがあったのですが、その時は違和感どころかかなり痛かったので覚悟をしていました。なんと言っても歯が動くのですから痛くないなんてあり得ないだろうと思っていました。でも、マウスピースを付けてみたところ多少の違和感(北海道弁で「いずい」)はあるものの痛みはなくてホッとしました。

同じマウスピースを2日も付けていると、違和感すら無くなっていました。この辺りは個人差もあるようですが、本当につけていることをうっかり忘れてしまいそうな感じです。
つけたり外したりすることも、痛みを伴うことなくスムーズにできるようになりました。あくまでも「この時点では」です。

マウスピースを受け取ってすぐ次の受診の予約を入れるよう指示があります。
今回送られてきたセットの中には5枚目のマウスピースだけが入っていないのですが、前述した「アタッチメント」「ゴム掛け」「TSA」の処置を歯医者さんでしてもらって5枚目のマウスピースを受け取るようになっているためです。
マウスピースは基本的に1週間付けて次のマウスピースに交換するサイクルなので、4枚目の装着が終わるのは約1ヶ月後となります。しかしこの時期たまたま出張や外食が比較的多くて予定通りにマウスピースの交換が進まない(1日22時間の装着ができない場合は日数を伸ばして調整する)可能性があり、「早く予約を入れないと間空いてしまいますよ。」というアドバイスもあったのですが予約を躊躇してしまいました。

結局8月のお盆休みも重なってしまい、4枚目のマウスピースはかなり長い期間つけ続ける羽目になってしまいました。

マウスピースとの付き合い方を模索する

マウスピースの装着に慣れると共に、これから長い時間を共にするマウスピースとどう付き合っていくのか、模索の日々が始まりました。

まず数日で気になりだしたのが「臭い」です。口の中に長時間入っているものなので、いずれそうなるだろうと思ってはいたのですが、思ったよりもあっという間に耐え難い臭いになってしまいました。
一般的な「口臭」ではなく、私の場合プラスチックが古くなったような独特の臭いなんですよね。
歯医者さんにもLINEで問い合わせてみたのですが、インビザライン専用のもの(ちょっと高い)じゃなくても市販のもので十分という返答をいただいたので、早速薬局にマウスピース用の洗浄剤を買いに行ったのですが、意外とたくさん種類があるものですね。

最初に試したのは入れ歯でお馴染みポリデントの洗浄剤。これを1日1回、毎朝ご飯を食べている間に漬け置きするようにしました。1枚目のマウスピースは少し臭いがついてしまってから使い出したのであまり満足する洗浄効果がないような気がしたのですが、2枚目は最初から使っていたのである程度臭いは防ぐことができました。
でも、マウスピース4枚目までは5枚目をもらうための処置を予約するのが遅れて1枚の利用日数が長くなってしまったこともあり、黄ばんでしまいました。特に4枚目はかなり黄ばみが目立つ感じに…。
歯周病が完全には治っていないので、血や膿が歯茎から出ていることも原因のようです。

その後こちらも入れ歯でお馴染みパーシャルデントの洗浄剤に変えてみたのですが、こちらの方が臭いや着色汚れがしっかり取れるように感じました。しばらく使い続けてみたいと思っています。

次に模索したのは装着時間です。
1日22時間の装着で7日間のサイクルですが、ご飯を食べる時には外さなければなりません。そしてご飯を食べ終わって再び装着する前に丁寧に歯を磨く必要があることを考えると、1日3食ではどうしても22時間の装着を守れないんですよね。
諦めてサイクルを8日などに延ばすという手もあるのですが、私の場合基本的には在宅勤務であまりカロリーも消費しない(そして運動不足でどんどん太っている)ため、昼食を抜き1日2食にしてみることにしました。

最初のうちは完全に昼食抜きだときついかな…と思って、ゼリー系のカロリー補助飲料をマウスピースを付けたまま飲んでいたのですが、昼食抜きに慣れてくるとだんだん面倒になり今は完全に1日2食になっています。
外食の時が一番困るのですが、特に食後に外出先で歯を磨いてマウスピースを装着するのが難しいことが多く、その場合諦めて装着日数を伸ばして対応するようにしています。歯を磨かず、うがいだけでマウスピース装着して帰ってから歯を磨くというのも考えたのですが、丁寧に歯を磨いた状態でマウスピースを装着するのに慣れてしまっているとどうしても気持ち悪くてできずにいます。

ちなみに昼食を食べなくなって現時点で2ヶ月ほど経過しているのですが、びっくりするほど痩せません!

そして肝心の楽器演奏への影響は?

楽器の演奏について触れる前に、マウスピースを装着した時の「違和感」について記しておきます。違和感はほとんどないと前述したのですが、1つ明らかに違和感を感じるのは「言葉の発音」です。
特に「さ行」の発音がしにくいと感じています。少し舌ったらずな感じの話し方になってしまったし、話すと唾が飛んでしまうことも気になるようになりました。

マウスピースには「歯と歯の間」がないのが原因だと思います。これまで全く意識はしていませんでしたが、歯と歯の間を空気が抜けていくことによって発音が成り立っていたんですね。これは管楽器の演奏とマウスピースの関係を考察するのにも重要な気付きでした。

実際のところ、サックスの演奏の場合マウスピースを付けたままでもほぼ支障はありませんでした。タンギングも普通にできるし、これまでできていたことの中でマウスピースを付けたからできなくなったことは1つもありませんでした。強いて挙げるなら舌の奥がマウスピースの端に少し当たることがあって、慣れないうちは痛みがあったりしましたが、それも一時的なものでした。

でもサックスやクラリネット以外の管楽器には大きな影響がありそうです。これは楽器の奏法上避けては通れないのではないかと思います。フルートは持っているので今度試してみようと思います。

あとは歯並びがもっと動いてきた時にどう変わっていくのかが気がかりですがそれについては追々レポートしたいと思います。

まとめ

今回の記事ではマウスピース治療開始までの準備に関する情報と、マウスピースが届いて4枚目までのマウスピース装着で感じた色々なことを書きました。

特に管楽器奏者の方への情報として重要だと思うのは「サックスではマウスピースを装着して演奏が可能だが、他の楽器では難しいかもしれない」という気付きです。
管楽器奏者だけでなく、アナウンサーや歌手など声のお仕事をする方にも影響がありそうな気がしています。

その他マウスピースとの付き合い方についても、参考にしていただけたら嬉しいです。

5枚目以降のマウスピースではこれまでとは違う状況があると思いますので、またレポートしたいと思います。
次回記事もぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

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