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適切な解像度で未来を考える

まだ世の中にないものを考えるとき、適切な解像度(抽象度)で考えないと新しい未来を描けないと思った話。

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新しいサービス企画をしている。課題仮説を立てて顧客候補に会い、サービスのコンセプトやバリュープロポジションを書いている。が、どうにも腹落ちのするものが作れない。そんな折、隣のチームと話しているとどうやらそのチーム(別のサブプロダクトを担当)も同じようなことを考えていたらしい。

こんな経験ないだろうか。社内カニバリともいえば良いか。実はここに「考えても腹落ちしない違和感」がありそうな気がした。

新しい企画やプロダクトなど「ゼロイチ」の作業に取り組むとき。もしくは今あるサービスのビジョンを明らかにするときに、目指すところの抽象度が低い(具体的すぎる)と個別ケースに見えて「それN=1の話じゃない?」となるし、逆に高すぎると共感は得やすい一方「それウチがやる必要ある?」となってしまう罠。今回は前者を避けるあまり検討のレイヤーが高くなりすぎて後者に陥っていたらしい。

例えばEdtechサービスだとその存在意義を問い詰めていくと「生徒の個性を…」とか「先生が生徒の頑張りを見守って…」になりがち。でもこれはEdtechが解決すべきものというよりは「教育そのもの」の理念に近い。そのため、教員の心構えとしても言えるし、学校経営の指針にも当てはまるし、教材作成の目的にも適用されうる。

よってここで「それらをICTサービスで行うにはどうすれば?」「その結果どのような価値をもたらす?」とさらに問いかける必要がある。これが「解像度を上げる」作業になる。目的のローカライズとも言えるかもしれない。

解像度の低い言葉はおおよそ正しいことを言っているため共感しやすいが、それが一般論になってないか?を気にしてみると良い。もしビジョンステートメント正しすぎると感じた場合、解像度を一段上げた、つまり対峙しているマーケットやユーザーの課題や価値にもう一段踏み込んだものに練り直したほうがよい。

今回自分のケースでは考えていることが「教育ICTならおおよそ言えそうなこと」レイヤーでとどまってしまっていた。ターゲット顧客、得たい未来、製品特性などの前提を踏まえた上で、より顧客課題と価値に迫る解像度の高いビジョナリーワードを探したい。

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