Face to Face

Face to Face

椎葉ちひろ
さっきまで雨のパレードの配信ライブを観ていた。
正確には仕事終わりに配信ページを開いて最後のMCと最後の1曲を聴いただけだけど。
あとでアーカイブゆっくり観よっと。

前作の「BORDERLESS」は正直に言うと個人的にあんまりしっくり来なかった。なんとなく堅いような機械的すぎるような冷たいような感じがあった。
だからリリースまではそんなに今作も期待していなかった。
だけど12月23日、サブスクでなんとなくアルバムを聴くと思っていたのとは別の絶景が広がっていた。
「scapegoat」「strange GUM」を過ぎて「if」の辺りから福永さんの声に温かみが加わってきたように感じた。
アニメとのタイアップ曲である「IDENTITY」で深い森から一気に景色が開けてくるような眩さを覚えた。シングルとして聴くのとは違った感覚だった。
「Have a good night」「resistance」で気持ちをゆったり落ち着かせるリズムに身を委ね、
「Dear Friend」で雨のパレードの音楽に身を包まれているような温かさ、愛しさが心の中に溢れてきた。アウトロの「ラララララ~~」がまたその気持ちを加速させた。
アルバムはそのままラストの「Child's Heart」までゆっくり心拍数を上げていくように駆け抜けていく。

このアルバムを通して感じたのは「温かみ」に尽きるかもしれない。
夜のような朝のような、孤独だけど孤独ではないような、現実と空想が入り交じったような、人間らしさ、有機的な感じと言うのだろうか、そういったものを感じた。
「人と距離を取る」ことを求められ続けた今年、私は温かみに飢えていたのだと思う。
そして何も温かみに飢えていたのは私だけではないと思う。数え切れない人が孤独や不安と闘ってきたと思う。
そんな2020年に雨のパレードは、「Face to Face」という作品を世に送り出してくれた。
彼らもまた、様々な想いにもがき苦しんできたと思う。音楽活動をすることすら困難だった時期もあっただろう。
それなのにこんなに素敵な作品を作り上げ、私の耳に届けてくれたことが嬉しくて、感謝しかない。
何周聴いても、私なんかみたいなちっぽけな人間にも寄り添ってくれていると感じる。
きちんとCDを買って聴こうと思う。

そしてなにより、
私は孤独じゃないと思える。
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椎葉ちひろ
本名とはかすりもしません。しがないアラサー女の独り言。