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カリヨン巡り:トロント大学     (The Soldiers' Tower, University of Toronto)

私がカリヨンを習い始めるきっかけとなった、トロント大学のカリヨンです。ヨーロッパのカリヨンがほぼ例外無く教会ないしは市庁舎など「公共の」建物に付属する事が多いのと違って、北米のカリヨンは大学内に設置されているものも多くありまして、例えばスタンフォード大学、シカゴ大学、イェール大学、ミシガン大学、カリフォルニア州立大学バークレー校、フロリダ大学、などには設置されています。トロント大学のカリヨンも、そういった大学に設置されているカリヨンの一つですが、カナダに全部で11あるカリヨンの中では、唯一、大学に設置されているカリヨンです。

塔はThe Soldiers' Towerといいまして、第一次世界大戦などの戦争で命を落とした学生の慰霊碑の一部として建てられています。塔そのものは1924年に完成、鐘は最初の23個が1927年に設置されました。その後,1976年に28個の鐘が追加で整備され、現在は51の鐘が4オクターブをカバーしています。最も小さい鐘は23ポンド、最も大きい鐘は4トンもの重さがあります。

塔の北西側に小さな入り口があり、そこから75段の階段を上ると練習用のカリヨンのある練習室があって、更に上に上がると本体の演奏キーボードにたどり着きます。カリヨンの演奏も行われます。慰霊塔の低い建家の部分は学生会館になっており、中には素敵な図書館やレストランも入っています。

演奏の機会はいくつかあり、毎年11月、Remembrance Day(戦勝記念日)にはこの塔の前で記念礼拝が行われます。卒業式の時期は卒業生の入場と退場の際の前奏・後奏として、あるいは国際エイズデーでは学内イベントの一部として、その他サマーコンサートでは他の施設からカリヨン奏者を招いての演奏会が行われます。
(FacebookにThe Soldiers' Towerのページがあります。
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 http://www.facebook.com/soldierstower)

もしトロントの街を観光する機会がありましたら、トロント大学は街のど真ん中にあってアクセスも良く、しかも門も無ければ中の散歩も自由ですので、是非行ってみて下さい。運がよければ、その音色を聴くチャンスもあるかもしれません。

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