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まこと
2021年1月15日 23:04
◇「あの一番明るい星が見える?」 星が見える丘の上で2人、無数に輝く星々を地に寝そりながら眺めていた。 彼女は夜空に瞬く星の中でも、一際煌めきを放つ光に向かって指をさす。「あれは北極星《ポラリス》っていうのよ」「ポラリス」「あの星の下に、ジュリアードがあるって言われているの」「ジュリアードって?」「遭難した船乗りのお話のアレだよ」 それは街に伝わる船乗りの伝説のお話。おと
2021年1月1日 12:46
サザン…サザザン… 何度も打ち寄せる波の音、潮の香り、真っ赤な空を悠々と飛んでいくユリカモメ。私は大海原を前に、1人佇んでいた。潮風にふわりと柔らかく制服のスカートが揺れる。 湿った柔らかい砂の上にローファーと紺の靴下を脱いだ足をのせて、遥か水平線の彼方に沈んでいく夕焼けを見つめていた。潮の香りが鼻を掠める。しょっぱいと感じたのは海水を飲んだわけではなく、両の目から静かに流れ落ちてきた雫が