【開催レポート】第1回Hack 4913 Visions For 2030
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2030年までに持続可能な経済の成立を試みるムーンショット目標SDGs。その大胆な目標を実現するためのアイディアを、常識に縛られずに発想するブレスト型勉強会[Hack 4913 Visions For 2030]の第1回を、10月17日に開催しました。この記事は、第1回のレポートになります。
まず、Hack4の当日の進行はこちら。
参加者の自己紹介(10分)
今回はスペシャルゲストを合わせて10名が参加しました。メンバーは企業経営者からクリエイター、自営業者、学生までさまざま。多様なバックボーンのメンバーがフラットに参加できる場として開催できたことは主催者としての願いが叶ったといえます。
スペシャルゲストの取り組みの紹介(10分)
この流れに基づいて、まずは第1回のスペシャルゲスト、NPO法人LivEQuality HUB代表理事・株式会社千年建設代表取締役 岡本 拓也さんに、その取り組みについてお話しいただきました。
LivEQualityHUBは、シングルマザーの貧困家庭を支援しているNPOですが、株式会社千年建設と共同で事業を行っています。千年建設がハード=住居を用意し、LivEQualityHUBがソフト=利用者とのマッチングや行政サービスへのアクセスを支援するという具合に、NPOと営利企業の得意分野をうまく組み合わせて支援を展開しているのが特徴。その2つの組織を岡本さんがハイブリッドに経営されているというのが、非常に先進的な取り組みと言えます。
岡本さんの取り組みから、シングルマザーの貧困という課題が生まれる構造的課題や、どのようなアプローチをされているのかを伺うことで、その後のブレストの参考になりました。
ブレストによるアイディアだし(1回目) (15分)
次に、「どんな政治体制や法律や経済状況、社会の雰囲気、技術が実現したら、貧困がなくなりそうですか?」ということを考えてもらいました。Hack4のブレストは単なるアイディアだしではなく、マーケティングのフレームワーク「PEST分析」を活用しています。ここでは、PESTの各項目ごとに、どのようなアイディアが出たのかを羅列します。もっと体系的・視覚的にアイディアを見たい人は、こちらのホワイトボードをご覧ください。
Politics=政治
子育て世帯には必ず年齢や人数に応じた適切な物件に住めるよう行政から家賃補助がでる
子供一人当たりの税控除制度とか
直接民意を反映するしくみ
子供を産めば産むほどお金がもらえる仕組み・法律
ベーシックインカムのような一律給付の法案可決
大学無償化
教育費用を国負担とし
学力格差を無くす
水・空気・土・地下資源は地球の財産だからさ、誰かがそこで利益あげる仕組みって違和感
賞味期大嫌い
日常食料品・生活用品における消費税ゼロ化
ベーシックインカムの導入
最低賃金の向上
所得税に準じて、一部金を自分が希望する団体に自動的に寄付
婚姻時に、離婚時の養育費負担の取り決めを義務化
子どもの数に応じた
年金の給付額決定制度
所得に応じて、子供の勉強用具無料
所得に応じて子供の食費無料
子供の預かり・低所得者を優先
生活保護基準の柔軟化
変えられるものと、変えられないものがあるので、支援額の幅を分ける
生活保護受給率の向上 20% ⇒80%
義務教育の過程でお金の勉強機会を増やす。
社会の仕組み等
生活支援が閉ざされたもののイメージなので、支援した方のその後の統計発表
Economy=経済
住居だけでなく働く場、オフィスや店舗もあるといい
空き家がどんどん増えてくるので、住む=お金を払うではなく、住むことでお金がもらえるようなシステム(NFTのPlay to Earn 的な)
空き家や空き部屋を改修してオフィスと一緒にして待機児童を減らす。
エアビーっぽくして収益化。
利益至上主義ではなく、適切な利益率で事業を回すのが良いとするような評価指標の確立
仕事におけるスキルをもっと可視化・評価し、昇給・転職をしやすくする
日本の食文化をグローバルに横展開
コンビニが実現する低価格で美味しい商品を開発する企画力やアイディアを輸出する物々交換を農協がやる
貧困と認定された方と富裕層をつなげるクラファン的な取り組み=見返りは子どもたちからの感謝
企業の生産性向上⇒賃金の向上/就労時間の短縮化
快適で安価な住居の提供を増やす(アフォーダブルハウジング)
フリーバンクの設立
(余裕のある人の寄付、緊急性のある本当に必要な人が自由に使える)
中抜き屋さん禁止
国費でお米の一律給付
Society=社会
所得が低い人ほど職業訓練が手厚くなる
民間企業と非営利セクターの掛け持ちが当たり前になる(週2,3日ずつ勤務)
意味のないお金への気づき(昭和はあったかもしれないけど)
寄付が意外と社会の誰かと接点を持つことに繋がることを実感する
もっとプロボノ的な活動が広がる
食品ロスを無くす
消費し切れなかった国は罰則を設ける3大宗教がお互いを認め合う
空き家の改修をするときに、DIYを子どもたちと一緒に遊びの一環でやる
車って一家に何台いるの?地域に3台とかの方が良くない?
命に関わることでお金取るのって倫理的?
ディズニーランドのファストパス2000円がモヤる(2500えにして500円寄付すれば)
不揃い野菜とか買わない農協とかよくわからない。農協なのに農作物を愛していない
誰かにとっていらないものは、誰かにとって必要なもの
平等な教育機会、子どもが子どもを支援したいと思う世界観
ホールインワンするとなんか贈るのがモヤる。寄付すればいいのに
お金の必要がない社会 資本主義の終焉
飛行機のファーストクラス無駄に払い過ぎ
貰えるものは貰う
再利用できるものを最大限再利用する文化の醸成
第一次産業の地位向上
ディズニーランドの入場券に寄付金が含まれる
生活用品の譲り合いの促進
社会や環境、他人のためにお金を使うことがカッコいい❣という社会になる
副業の増加
ゴミはゴミじゃない
子育ては「母親」「両親」という意識をリリースする。社会で育てる意識の醸成
小学生からの就労意識向上の啓発
ゴルフのホールインワン保険みたいなの
寺子屋の復活&
こども食堂の拡大
子供への性教育の強化(出産の知識向上・選択における自己決定の強化)
Technology=技術
貧困世帯のための社会保障やサービスを、記入方法から完了まで網羅したサイト(全てを電子化するまでの繋ぎとして)
小数点以下のお金が貧困世帯の支援に回る金融システム
スマホも持てない層の繋がり支援のしくみ
エネルギー問題を全て解決する自然由来のエネルギー技術
海水を淡水に変換する技術 水不足問題を一気に解決する
雨水が一瞬で飲める水になる
支援マッチング
支援が必要な人のデータベース公表(マッチング)
その他
小学生の頃から職業体験などをたくさんやってキャリア教育
小学生から職業体験を授業に組み込む(ゲーム好きな子はゲーム開発とか)
このようにたくさんのアイディアを出していただき、それぞれのアイディアを発表していただいて、自分にはない視点や感性を共有するまでが前半の部。続いて、ここで出されたアイディアを「いかに実現するか?」を考えるのが後半の部となりました。
ブレストによるアイディアだし(2回目) (15分)
2回目のアイディアだしでは、1回目に自分が出したアイディアだけでなく、他の人が出したアイディアに対する実現方法を考えても良いことにしました。そうすることで、「自分では思いつかない解決法」を他の人に考えてもらえるような構成にしました。いかにアイディアリストを書き出しますが、どのアイディアに対してどんな解決策が考えられたのか、関係性を丁寧に読み解きたい方はこちらのホワイトボードをご覧ください。
Politics=政治
一次産業への新規参入者に対して手厚い支援=地方創生にもつながり一石二鳥
米農家への費用補助
選挙多数決制度廃止
いいねの数より超いいねの数
技術的にはAIによる政策提案、国民のオンライン投票
直接民意が届く制度を作る
水がいっぱいある日本と石油がたくさんある中東のような、補完関係の連携強化
Economy=経済
お金があればできること⇒投資の促進⇒運用益からの税収増
凸凹を補い合う共創システム
不動産業者と提携することで実現可能=成功すれば地域活性化につながるため行政巻き込むことで一石二鳥
生活支援者を雇い入れた企業への助成金(職業訓練含む)=税金の循環と社会支援
政府系銀行の増設
Microsoft、Google、Amazon、Meta、共同プロジェクトとして貧困に対処
千年建設様の新規事業
国という概念を無くす
通貨の単位を一つにする
為替という概念を無くす
金融システムの簡素化
不要なルールの撤廃
Society=社会
自分パーパスの設定(私の存在意義)
教育なのかもしれない
NPOの人を主役にしたドラマや漫画でアカデミー賞みたいな賞を作る
義務教育で。
意識の変革⇒新しい価値観を描いた映画やドラマ、小説を応援する仕組みを作る(クラファンの意識・応援バージョン)
お金の勉強を授業でする
お金以外の大切なモノを見つける
未婚・既婚・子供いるいない関係なく集まれる子育てコミュニティ
「ソーシャル子育て」みたいな言葉を作って広める
就活制度の変改
課題を知ることによる意識の転換
ツイッターのハッシュタグから始めてロビイング
空き地や公園で屋台や出店で毎晩炊き出し祭り
全戦争の停止
Technology=技術
スマホのインフラとしての無償化
全国のこども食堂数の把握、アプリで一目で分かるように。
その日寄付したい人が気軽にできるサービスの展開
生活品譲り合いアプリ(無料版メルカリ?)
小数点以下の金額を寄付するアプリ
ゲーム感覚で仮想通貨を持たせて、SDGs達成のワークをして、支援を受けたり増やしたりできる仮想空間を作り教育現場に投入する
例えばAIのような技術で貧困は救えない。大切なのはEI(エモーショナルインテリジェンス)だ
令和のお雇い外国人
寄付行為をNFTにして、寄付履歴が他の人も見れるようにする
千年建設さん!!
いらないものを置いて帰る、いるモノを拾って帰る
匿名で行える場所を作る
余剰と不足を世界規模で見える化
世界レベルの再分配をAIとビックデータを活用して実現
天才キッズたちに制作を依頼
国民一人一人が抱える課題をAIへ学習させ、分析し見える化させる
その他
すごい管理社会になってしまうんじゃないかなぁと少しの不安
まとめ
いかがでしょうか。2時間弱で、なんと140個の「荒唐無稽なアイディア」が生み出されました。アイディアの一つ一つの精度にこだわるのではなく、思考の枠を取り外して、普段とは違う思考方法で考えると、思いもよらない解決策の糸口が見つかることがあります。
参加された方からの声
自分の中である程度確信を持って取り組んでいたことにも、まだまだ様々な取り組みの余地があると気づくことができてよかった。一点突破の先に行政連携や社会の変化があると信じているが、色々な人と繋がることも大切だなと思った。
多様なバックボーンの人たちとアイディアを出し合うことで、自分では思いつかないアイディアや視点、切り口に触れることができてとても楽しかった
社会課題解決に関わる仕事をしているが、いつも同じ仲間と議論をして同じような話になってしまう。自分は「Technology、技術」に関するアイディアがほとんど出てこなくって、その部分への視点があまり持てていないことに気づくことができた。
PEST分析は慣れていないものだったが、具体例が示されていたため要領を掴みやすかった。
一人ひとりの意見をしっかり聞くことができてよかった。
大人の方と議論をする場があまりなくて、それを求めて参加したので、とてもありがたかった。安心感のある雰囲気でよかった、また参加したい。
普段は正解がありそうなことを探す仕事なので、枠がない場というのはとても刺激になった。
自分も子ども食堂などに参加していたので興味をもって参加した。貧困をなくすことは世界平和につながるお話しだし、岡本さんの取り組みを聞いてすごく刺激になって、面白かった。
自分はアイディアがポンポン出てくるタイプではなかったが、「こんな発想もしていいのか!」と発想が広がったので楽しかった。
岡本さんの取り組みについて知るきっかけができてよかった。
などのご感想をいただきました。
SDGsを切り口に、ムーンショット思考を実践する勉強会Hack4に、あなたもぜひご参加ください。
第2回Hack4のご案内
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