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さよならポイント?

まず、いわゆる共通ポイント(ex. T ポイント)は決済レイヤー(ex. PayPay)に飲み込まれていきそうですね。

ただ、この流れが進行すると、導入企業目線で共通ポイントの大きな利点であった集客効果は低減していくように思います。 "どこでも貯まってどこでも使える" ポイントであれば、「T ポイントが使えるから」などという理由で購買行動を行うことがなくなるからです。もちろん、消費者からすると利便性は高いのですが。

また、引き続き、"横断的な" 購買データは基盤システム提供者(今までは共通ポイントシステムを提供する CCC など、今後は決済システムを提供する PayPay など)に牛耳られ続けます。もちろん、それらのデータを買うことはできるでしょうし、より多くの購買データが集約されることで、買えるデータの価値はより高くなっていくとは思いますが、それ相応の対価が必要にはなるでしょう。

さらに言うなら、例えば PayPay は中国の後を追っていくと思われますので、いわゆる購買だけでなく、生活インフラやインターネットを通じて提供されるサービスの料金支払いなど、より広範囲な決済とそれに紐づくシステムが彼らの手中に収まっていくこととなるでしょう。


一方、いわゆる自社ポイントはどうでしょうか。

競合との差別化も重要ですので、上記のような共通ポイントの流れに完全に飲み込まれてしまうことはなさそうですが、自分の場合、自社ポイントを生活の中で意識することはほとんどないように思います。微かに意識できているのは Amazon ポイントくらいでしょうか。ただ、微かに意識している程度では、自社ポイントの主目的であろう、悪く言うなら囲い込み、良く言うなら顧客ロイヤリティ向上や長期的関係構築、は十分に満たされていないように思います。ガチでポイ活に取り組んでいるような人達の意見も聞いてみたいところではありますが。

また、自社ポイントと同様の目的を有するものとしては、自社アプリが挙げられると思います。自社アプリの中で自社ポイントを提供しているものもあるでしょう。

自分のスマホの中にも、ユニクロやマクドナルド、丸亀製麺などのアプリが入っており、これらを介して入手したクーポンを使うことはあります。しかし、少なくとも自分にとって、これらの自社アプリも、上記目的を十分に満たすような存在ではありません。もちろん、全く効果がないというわけではないですし、

これらのデータを眺めている限り、特にスマホネイティブな若年層に関しては機能させられる可能性もあるとは思うのですが、どうしてでしょう、現状提供されているような自社アプリがソリューションとしてクリティカルヒットするように思えません。が、誤解している部分も多くあるように思うので、自社ポイントや自社アプリが上記目的に対して大きく貢献しているような事例とセットで反論が欲しいところではあります。


...と、このように、主観が入っている部分も多々ありますが、共通ポイント的な方向性であれ、自社ポイント的な方向性であれ、ポイントシステムというのは、企業がマーケティングソリューションとしてうまく機能させるのが難しくなってきているように思えます。

しかし、ポイントシステムが目指していること自体は別に間違っているわけではないはずです。今後、ポイント 2.0 のようなものが生まれ、機能していく可能性は十分にあるでしょう。ただ、素直に考えると、ポイント 2.0 は、巨人が構築する決済システムの上で動くアプリケーションを介して提供されるものとなり、サードパーティにそれができるようになったら、Google や Apple のような手数料ヤクザビジネスが始まってしまうような気はします。

が、巨人が打てないような一手もありそうな気はします。

例えば、Google や Apple が牛耳っているスマホアプリの世界でも、アドネットワークや App Annie は有用なマーケティングソリューションと言えるでしょう。また、決済は非常に重要なアクションであることに間違いはないですが、それだけが企業と顧客との接点というわけではない(全ての接点が巨人の手中にあるわけではない)でしょう。

既存のポイントシステムが機能しなくなってきている今、これらのことを踏まえつつ、企業側・顧客側ともにもっとペルソナの解像度を上げ、巨人が提供できないようなポイント 2.0 を探してみるのもおもしろいかもしれません。

...おもしろくないか笑

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