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zoom短歌朗読コンサート~宇宙のおさんぽ

前回のzoom短歌朗読コンサートに、アンコールのお声をいただき、2回目のコンサートをStudio ふわりさんに企画していただきました。

雨の日曜日の朝、北海道から沖縄までのそれぞれのおうちにいながら、はるかな宇宙のおさんぽを、一緒に楽しむことができました。

今回は、歌集『ここからが空』の歌のほか、新作もほんのちょっぴり。
豊かなご感想をたくさんお寄せいただき、ありがとうございました。
今回は、みんなで語らう時間が足りなかったので、お寄せいただいた感想をこちらでシェアさせていただくことにしました。



理由のわからない涙がたくさんでました。
りりんさんの中に広がる豊かな世界をあらためて感じることができた気がしたし、りりんさんが音読する短歌は、本を読んで味わうのとは、また違うように感じられて、うれしい体験でした!

雨音が美しいです 一行のメールが雨をすりぬけとどく

パート1は朝の張り詰めた静かさ、夜の音を感じました。
パート2は雨音を心地よく感じました。
パート3は種、卵など生まれる小さなエネルギーを感じました。
今日のお天気にしっくりとくる心地よい時間でした。
「音」の調べを体感する素敵な時間でした。目で読むよりも思考が働かず、「感じる」事ができました。31文字でありながら、文字数以上の事が情景として立ち上がり、細胞に響きわたるような一時でした。
画面に映っていた皆さんと一緒に、心が洗われるような新鮮な場所、広々とした明るい森にお散歩に行けたようで楽しかったです。笑顔で心を込めて一首ずつ楽しそうに詠んで下さったお姿と弾むような声が一番印象に残りました。
終わってから、娘に、生まれたときのエピソードを久しぶりに話したところです。それだけ、優しい気持ちになれたのかな…。参加して本当に良かったです。
今日は歌の意味がいろいろ湧いてきて困るくらいでした。心がリラックスできていた証拠かも。
歌の解釈に正解はなくて自分が感じたものが正解、というりりんさんの言葉にとっても納得しました。


めじろ来て「地球は球」と啼くあしたまだ闇にゐるひとをおもへり

夏は夜 子の音読をききながら剝けばかがよふグリーンキウイ

ねむれざる夜の恩寵しののめはつぼみほどけるやうに色づく

めじろの歌は、まだ闇の中にいるひとが、きっとまだ眠っているひとかな、と思いつつ、お腹の子のような感じもして素敵だなと思いました。
「地球は球」とあさやけのつぼみの歌は、アメリカ先住民族のおまつりで、みんなで裸足でステップを踏みながら、朝日がのぼるのを祝ったことを思い出します。そして、地球は祈りで回っているのだ、と。「まだ闇にいるひとを思う」祈りが、地球を回しているのだと思うよ。
めじろの鳴く表の晴れやかな所と同時に、まだ闇のなかに居る心も同居してて、どちらも私だしそれで仕方ないし、でもそれでもいいんじゃないかなと思いました。
グリーンキウイのうた、好き。夏の夜、宿題だったのかな。皮をむくと同時に、緑の果実があらわれるよね、いのちのみどり。
で、あさやけの歌が続いていて、壮大な、俯瞰するまなざしを感じている時に、ふと、「では、眺めているのは誰か?」と思ったとき、それは、グリーンキウイの皮をむく、日常の営みを丁寧に生きているひとの、まなざしなのだと。キウイの皮をむくのは、まるであさやけをもたらすみたいです。


われはただいつぽんの道濃くあはく朝明けの風を吹きとほしつつ

一本道に続いてきてこれからも続いていく私の人生、いいことや悪いこと、濃密な時やのんびりした時、嬉しいことや悲しいことが、順番にあるいは続いて訪れては去っていくんだなと、これまでもそうだったし、きっとこれからもそうなんだなと心静かに思いました。


ゆるるこゑ、きみのあしおと、かぜのおと 電話に耳をおしあてて聴く

特に黒電話のころ、受話器で足音に想像をめぐらせたころを思い出して何とも懐かしい気持ちになったりしました。

何も手にもたずこの世に生まれけり天よりさゐさゐ地にそそぐ雨

どの鳥も空のまなかにあることの貴さに双の羽をひろげて

あさがほの黒くしづもる種のなかうづまき銀河は蔵はれて(しまわれて) あり

この星の芯より湧きてたんぽぽのひとつひとつが空の受け皿

「さいさい」と、手に何も持たず生まれて、おひらきで、「天の受け皿」となる、ひとつひとつの花。そして、その花の種に宇宙がしずもっている。うた一つ一つだけでなく、うたの流れそのものが、交響曲のようで、心地よかったです。そして、鳥たちの「空のまなかに」とつながるの。心地よいです。それはきっと、それがほんとうのことだからだね。
朝顔の黒い種の中をのぞきこんだら巨大な銀河が渦巻いてて、分子の中の渦巻きをみて圧倒されていたら、今度は、星の芯から地表まで続くその先に咲くたんぽぽが、広い空を受け止めていて、一気に視界が広がって。慄きました。言葉だけで目の前の情景が極ミクロから最大マクロまで一気に広がりました。こんなに大旅行ができるなんて、すごい経験をさせてもらいました。

それから、前回朗読したこちらの歌にも、ご感想をいただきました。

青草をのぼりつめたる天道虫ゆくりなく割れここからが空

てんとう虫は息子のことで、草を上るてんとう虫を大丈夫かしらと見る視線は私のものかな。大丈夫かな、落ちちゃわないかなと心配しつつも見守りるだけで手は出さず、そしたらてんとう虫君は自力で飛び立っていきました。いつのまにか飛べる力を身に付けてて、私にはそれが突然のように見えたけど、てんとう虫君は自分では準備が少しずつできていることが自意識の奥の方ではわかってて、だから心配しつつも見守るだけでいてくれてありがとう、と思ってるかもとも思いました。

こころのお散歩をご一緒くださった皆さま、お心を寄せてくださった皆さま、ありがとうございました。

今回もたくさんのアンコールのお声をいただきました。
次回は、皆さんと語らう時間をゆっくりとれたらと思っています。

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雨の日をたのしく

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