救いの「手」・手あての意味
初めまして、naokoです。
記念すべき第一回目の投稿が「蕁麻疹」の話になります。
文字を見ただけで、ムズムズ・カユカユするって方がおられたら本当に申し訳ありません。
二十歳を過ぎたころから急に蕁麻疹が出だした。始まりは、当時友達と一緒に通っていたスポーツジムの室内プールから上がったときだった。
本当にある日、突然のことだった。太股の内側からポツポツと何やら出来はじめ、掻いているうちに全身に広がった。
その日を境にプール上がり・お風呂上り・発汗・緊張・気温の差、すべてにおいて蕁麻疹がでるようなった。
あれから30年余り(年齢が丸裸(汗))たまに何年間かマシになることもあるんだけど、ひたすら蕁麻疹との闘いの日々を送っている。
もちろん、色んな病院にも通った。でも受診時=「その時」に蕁麻疹が出ている状態を見せるのはとても難しい。今なら写メには残せるけれど。
言われることはいつも同じ、「蕁麻疹の原因ってすごく難しいんですよ。」「はっきりと解明しないことがほとんどです。」「だから出るのを抑える薬、出た時のかゆみを抑える薬を渡します。」です。。。それが効くときもあれば、全く効かない時もある。眠くてどうしようもないときもある。
痒いのと痛いのは背中合わせだと言うが。全身が痒いというのはもう正気でいれない。布団の上で、両手で全身を掻き、のたうち回る。大体1時間もすればマシになってくるのだが。
うちの高校生の息子にしてみれば、お風呂上がりの母はいつも掻きまくっている、だろう(笑) かわいそうだけど、こんな姿しか見たことがないと思う。
そして最近、またもやそれが酷くなりだした。2年前に乳がんの手術をして、そこから飲んでいるホルモン剤がそうさせているのか?はたまた年齢的なものなのか?考えても考えても解決しないので、もう疲れてしまって、なるようになれ!と思っている自分もいる。プロフィールにも書かせていただいたように、生まれながらのアトピーというのもあって、ダブルで痒い。
そして、またタチの悪いのが、「目」にまで及んできたこと。ひどいときには全く目が開かないくらいに腫れあがる。どこかで見た宇宙人のようだ。それが2日間ほどひかない。仕事も休まないといけないほどだ。
「くっそぉ~~!!!!」と開かない目で叫ぶ私に旦那は「そんな言葉をつかったらあかん。」と穏やかにたしなめてくれるが、「くっそぉ~~!!!!」以外の言葉でそのときの自分のかゆみと感情を何とかコントロールし、尚且つ苦しみをやけくそチックに超えることができる言葉が浮かばない。あれば教えてほしい。
つい2日ほど前にも、その現象が起きた。宇宙人まではいかなかったけど、半分くらい腫れた。どうしても行きたい用事があったので、目を冷やして、アイメイクをグリグリ塗りたくって出た。帰りにいつもアレルギーの目薬をもらっている眼科にいって、宇宙人のことを相談しようと思った。
診察の前に眼圧や視力を測ってくれるお姉さんがいて、初めてのお姉さんだったので、切実に「これでも腫れてるんですよ。」と訴えた。いつもの顔じゃないんですって。。
そして優しい女医さんの先生の診察。いつもアレルギー体質の話はしているけど、宇宙人になったときの写メを見せて、どうしたものかと相談した。
先生もアレルギー反応だと仰った。だけど不思議なことに最近そのような患者さんも増えてきて、、、って。目の不調を訴える人も多いようだ。
先生と話をする間、無意識に両腕を掻いていた私に、「身体も乾燥していて痒いんでしょう?」と手を取ってくださった。
掻きまくって真っ赤になり、がさついた腕をなでながら、
「かわいそうに、、、ほんとうに痒いでしょう。辛いね。眠れないね。」
そう言って先生も使っているという保湿剤を塗布してくださった。
何度も何度も腕をや指先を往復させながら、「面倒だけど、手でこうやってしっかりと塗って保湿したら、かゆみもマシになるよ。手には不思議な力があるって信じてるの。」そう言いながら、温かくなるまで私の手を取って。ずっと。ずっと。
何十年も色んな病院に通って、こんなことは初めてだった。
淡々と接する先生ばかりだと思っていた、お医者さんなのだから、みんなに感情移入していてもそれはそれで大変だし。自分の病気と上手く付き合っていくしかないですね、といつも言われることは同じで。。。皮膚科の先生でさえ、あまり触れないのだから。
なのに、他の患者さんが待っておられるにも関わらず、一生懸命に保湿剤を塗り込みながら、私の気持ちをゆーっくりなだめるようにさすってくださった。
「かわいそうに、、」お医者さんが使う言葉としては賛否両論あるかも知れない。でも、少なくとも私にとってはそのひとことにすべてを吸収してもらえた気がする。
同情や哀れみや、私がかわいそうとか、そんなことは正直、本当にどうでもいい。
先生のその言葉と「手」の中に、私の中で限界に達そうとしていたものがただ、ただこぼれ落ちた。
救いの「手」は、どこまでも優しく、柔らかく、温かかった。
これが本当の意味の「手あて」なんだと思う。
#エッセイ #日記 #蕁麻疹 #アトピー #アレルギー体質 #手あて #初投稿
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?