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自分のためならそう言いなよ。

 先日、どうも気持ちの悪いというか、もやもやする『応援』をいただいた。ちょっと消化しきれないので、ここに記す。あくまで私の解釈の話なので、もしかすると不快になる方がいらっしゃるかもしれないことを、あらかじめ述べておく。

 その人はCと出会った合コンで幹事をしていた男(以後、彼のことはミスター幹事と称す)で、私とCを近づけるための協力を申し出てくれていた。
 で、何をしてくれたかと言うと、たまたまの出会いをセッティングしてくれたのだった。私と私の友人と、ミスター幹事と、Cの。

 彼はずっと、「Cとふたりになれるようにするね!」「僕は○○ちゃん(私の友人)と抜けるね!」と言っていたが、私は正直、Cとふたりになることにそこまで魅力を感じていなかった。前回会った2回とも、ただ身体の関係を持つことで終わっているからである。今回は普通に人を交えて、楽しく会話ができればよいと思っていた。だから、その場の雰囲気でお願いしますと言っていた。

 ところが、ミスター幹事は考え方が違ったようだ。合流したお店(彼らにとっては2軒目、私たちにとっては5軒目)に入るなり「もう抜けようか?」とLINEをしてくる。急にふたりにされるなんて不自然にも程があるので「おってよ」と言っても、「○○○○って感じで振ってね!○○ちゃん(私の友人)と抜けるから!」と返ってくる。なんだか私の話を聞いてもらえていない感じだった。

 そして、次の店に移動した際に、コンビニに行くと言って私の友人を連れだした。その際私の友人に、「あっちはふたりで会話しないといけないから」「ふたりで話し合う必要があるから」と執拗に一緒に帰るよう誘ったらしい。
 その間私が何をしていたかというと、取り残されたお店にてCと話してはいた。けれど特段『話し合い』するほどのなにものも私たちの間には存在していなかった。
 私が友人に帰ってきてほしいと言ったので私の友人は戻るべく頑張ってくれたのだがミスター幹事は考えが違ったらしい。私の友人を金魚の糞呼ばわりし(これには本当に怒りが沸いた)、キスを迫り、断られた結果戻ってこず帰った。その間Cにも私にも連絡は一切なかった。

 これが本当に、私とCを思っての行動だろうか。
 私にはそう捉えられなかった。彼は私の友人とふたりになりたくて、あわよくば関係を持ちたくて、そのために『私の応援』を理由にしたのではないかと、そう思えてならなかった。

 日付が変わる少し前、私のもとにはミスター幹事からLINEが届いた。
――ちゃんと2人で話し合ってねー。
 私は既読を付けたものの返事はせずにいた。友人への態度に腹を立てていたのもあるが、話し合うとはなんぞ?となったためである。
 夜中、もう一度メッセージが届いていた。
――ちゃんと、2人で連絡取ってなー。
 
 彼は純粋な善意でそう言ってきたのかもしれない。けれど私はどうしても、強烈な違和感を拭えなかった。

 それは、彼から指示されるべきことだろうか?私が反応せずにいると念押しされるほどのことだろうか。「ちゃんと」という言葉に見え隠れするのは、強制力ではないだろうか。
 
 確かに私はCを良いと思っていると言った。けれどここでごり押ししてもうまくいかないと私の勘(まあ頼りにはならないけど)は言っているし、私は相手の出方待ちをするつもりだった。そもそも、身体の関係は迫れるのに好意を示せない男なら完全に身体目的だと思うし、付き合ってもいいことはないだろう。だからこれをきっかけにアクションを起こしてくれるかどうか、見極められたらいいなあくらいに考えていた。
 けれど私の考えも知らず、Cに対して私をプッシュするわけでもなく、ただ連絡を取って話し合えと言われても、私たちは何を話し合うのだ。
 そもそも今回の会は、私から連絡を取るのが難しく相手の反応が芳しくないから、それなら偶然を作ってしまおうとなったのだった。
 そのような状況下で、何の理由も具体的なアドバイスもなく、ただ闇雲に行動を指示されるとはこれ如何に。

 
 何度も述べるように、彼が本当に良かれと思ってした可能性もある。私の友人への下心を本人は認知していなかったのかもしれない。それはそれで怖い話だけれど。
 私が甘えているだけなのかもしれない。邪推かもしれない。わがままかもしれない。だがどうも、『気持ちの悪い』応援だなあ、とそう思ってしまうのだった。



 『相手のためだという顔をした自分のため』ほど怖いものはない。それが相手にとっていいものになるはずがない。お互い様の関係ならともかく。
 
 自分のためならそう言ってくれればいいのに、と思う。今回のケースではミスター幹事には彼女がいて、私の友人には彼氏がいるため、希望を言われても拒否するけれども。


    なんとなーく久々に人の言動の矛盾を感じた出来事。

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