見出し画像

広州人は忙しい?

《 福福の知りたい広州! Vol.2 》

こんにちは。福福です。

発展拡大し続ける大都市の宿命かな...

昨年末、「退社時間が一番遅いのは広州」という記事を目にしました。

地図サービス大手の高徳地図が29日に発表した「2020年度移動交通報告」のデータによると、2020年に平均退社時間が遅かった上位10都市には、広州、上海、深セン、成都、北京、東莞、杭州、蘇州、仏山、重慶が並び、広東省の都市が4つを占めた。
(『人民網日本語版』2020年12月31日「退社時間が一番遅いのは広州」より)

その後、『廣州日報』1月7日「“下班最晚”是荣誉也是鞭策」(“退社時間が最も遅い”は栄誉であり叱咤激励でもある)という論説委員の記事を読みました。

「退社時間が最も遅い」ということは、仕事への取り組み方のひとつの指標とも言える。仕事に努力、奮闘することは、個々の幸せや都市の発展への原動力となる。
ただ、一方で犠牲も伴う。
最近、ある若者が深夜の退社後に突然死したというニュースをきっかけに、常軌を逸した残業の風潮に再び関心が高まっている。
健康は幸せな生活の源である。
一部の企業では、報酬や本採用などと引き換えに残業が常態化している現状がある。
このような残業文化のもとでの「退社が最も遅い」は許されない。

記事の最後は、


「“退社が最も遅い都市”は栄誉であり叱咤激励でもある。できることなら、不要不急な残業は減らし、定時で退社できるようにし、家族そろっていつもの時間に夕食をとれるなら、どんなに良いだろう。」

と結んでいます。


福福より

2019年のトレンドワードに「996(※)」という言葉がありましたが、労働環境はますます過酷になっていると聞きます。
また、疲れ果ててベッドに倒れこむ日々を自虐的につづった若者のつぶやきなどをネット上でも多く見かけます。
記事のタイトル「“下班最晚”是荣誉也是鞭策」中の「鞭策」。表現を迷ったのですが「叱咤激励」としました。記事の筆者は残業を奨励しているのではなく、結びの部分にあるように、仕事に邁進しつつも健康で幸せな生活ができるよう「叱咤激励」していると私は解釈しました。

※996:朝9時から夜9時まで週6日勤務を表す言葉


ライチ局長!広州で実際接している人々の仕事の進め方や働き方で、気付いたことや常々感じていることなどはありますか?


→ ライチ局長

以前は、広州でもお昼寝の習慣があり、お昼休みは12時〜14時、家に帰ってご飯を食べてお昼寝をして再出勤なんて人もいました。ほとんど残業しない広州人に対して、毎日残業する日本人は自嘲気味に「工作狂(仕事中毒)だからねー」と話していたものです。

それが今や、例えば夜の会食をセッティングしても、仕事が抜けられない人、会食を複数掛け持ちしている人、会食後に仕事に戻る人、会食中もずっと仕事のやり取りをしている人等々…、中国人は「工作狂だなー」と思うことが増えました。

中国の急激な経済発展を背景に、仕事を頑張ると、それだけ成長するし、収入も増えるし、家族も喜び、楽しい、やりがいを感じる…ということもあったように思いますが、最近は少しずつ疲れてきていて、「そもそも何のためにこんなに頑張っているんだっけ?」と立ち止まってしまうこともあるようです。

中国の経済発展が更に安定期に入ってくると、次はこのワークライフバランスの問題がもっとクローズアップされてくるのだと思いますよ。日本がそうだったように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?