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春節は広州で!

《 福福の知りたい広州!vol.6 》

こんにちは。福福です。

2月12日は、旧暦の元旦。中国の春節でした。
例年、中国のこの時期は、春節を故郷で過ごす人々の大移動があります。
コロナ禍にある今年の春節期間。
広州市は、人々に帰省や旅行などによる市外への移動を避け、市内で春節を過ごすよう呼びかけてきました。

日常的な行動が厳しく制限された昨年の今頃と大きく異なるのは、
市外への移動を避けるよう促す一方、市内のショッピングやレジャーなどの外出は
積極的に後押ししている点です。

春節を市内で迎える人が例年に比べ大幅に増える中、

「広州市での春節を存分に満喫してもらい、経済の活性化を図る」「帰省せず、春節を広州で過ごすことを選んだ人々への対応」

に関する、広州市の取り組みを抜粋してご紹介します。

『廣州日報』2021年2月10日の記事より
円滑な交通・流通サービスの確保:
広州市交通運輸部門は、地下鉄やバスの混雑を回避するため、人出に応じて増便や運行時間延長を行い、市民の快適な外出をサポートする。流通については、郵便や宅配各社による人員増員、車両追加などで、春節期間中においても円滑な宅配サービスを実施する。
春節関連商品の十分な在庫確保:
広州市商務局など部門の奨励により、生鮮市場や大型スーパーなどの多くが春節期間中も営業し、食料品をはじめとする春節関連商品の在庫を例年の三割増にするなど、市民のニーズに応じた多種多様な商品を十分供給できるような体制を整えている。また、広州市が全市のレストランをサポートし、大晦日の夕食などのテイクアウトサービスを実施するよう奨励している。
途切れの無い社会保障サービスの確保:
広州市民生部門は、市内各コミュニティのソーシャルワーカーやボランティアと共に、全市203カ所24時間対応のサービスステーション確保や、生活用品を届ける慰問活動など、安心して春節期間を過ごせるよう精神・物質両面におけるサポートを展開する。
文化レジャー、1500超のイベントなどの実施:
広州市文化旅行部門と庭園部門は、広州で春節を過ごす市民が存分に春節期間を満喫できるよう、様々な分野の展示や芸術関連の公演など、趣向を凝らした各種イベントを計画している。
また、屋外での活動にあたっては、公園を予約制として入園者数を制限するなど、様々な感染拡大防止策講じている。
安心できる医療サービスの確保:
春節の連休期間中であっても、臨機応変に対応できる1600名超の医療従事者の確保など、コロナの感染拡大防止や突発事項に対処する体制が構築されている。また、健康面、心理面の相談を受ける24時間ホットラインを開設し、市民の様々な問い合わせや要望に応じている。その他、市内276カ所でPCR検査を受けられる体制を整えている。
学校に残る教師と学生に、心温まる冬休みを確保:
広州市教育局は、春節に帰省せず学校に残る教師や学生が健康で安心して過ごせるよう配慮している。
広州大学では、冬休み期間中であっても図書館や体育館を開放し、キャンパス内売店の営業、年末年始の学食食券配布、心理カウンセラーによるオンラインカウンセリング対応などを実施している。
帰省せず、春節期間中も仕事を続ける労働者へ優遇措置:
広州市人力資源・社会保障局などは、広州市に残って仕事を続ける労働者への振替休暇の実施やボーナス支給などを、企業に奨励している。

【 福福より 】

市内での活動がこれだけ自由に行える前提として、個々の感染リスクを知らせるアプリ「健康コード」などの普及もあると思います。

それにしても…政府が市民の春節期間を充実させようとすればするほど、そのサービスを提供する側は忙しくなるのだと考えると、少し複雑な気分です。

ところで、ライチ局長は、広州でどんな春節期間をお過ごしですか?

【 ライチ局長より 】

「春節」というのは、中国の1年間で数あるイベントの中でも、最も特別で、最も大きいイベントになります。

中国という国は、実は、部分的に移民国家のような構造を有しています。

農村の人たちは、現金収入を得るために大都市に出稼ぎに出かけます。
そのまま居着いてしまう人もいますが、基本的には、出稼ぎはあくまで出稼ぎ、心では常に故郷に残してきた家族の面影を抱きながら過ごしているものです。

そんな彼らが、1年に1回、故郷に帰って家族や友人たちに小さく錦を飾るイベント、それが「春節」です。

当然、この時期には都会から田舎の果ての果てまで、民族大移動が起こります。
それらは、「春運」と呼ばれ、日本のUターンラッシュなどと同じように、毎年の風物詩になっております。

しかし、今年は、コロナの影響で、この「春運」が危険視されました。
昨年、コロナが蔓延し始めた時期と「春運」が重なったことで、拡散を食い止めるのに大変な苦労したという苦い経験もあるようです。

その結果、今年は春節は故郷に帰らず、居住地で春節を過ごすように全国的に呼びかけられました。

福福さんが、今回紹介してくれている記事は、それを受けて広州市政府が行った数々の対応策…、というわけです。

私自身も、招聘元から広州市外へ出ることを制限されたため、特にどこかに遠出することもないまま春節を過ごしています。

折角だからと、普段は行かないような公園や観光地に行ってみたりしていますが、どこもあまりの人の多さに辟易しています。

故郷に帰れない人にも広州を楽しんでもらいたい、と、各施設が実施しているイベントに、広州市以外の広東省の観光客も引き寄せられているようです。

飲食店も多くの店は閉まっているため、営業している店にお客が殺到しています。

商業施設も、映画館も、娯楽施設も、毎年海外旅行で春節を過ごしていたような中国人の欲望の受け皿のようになっています。

こういうところだけを見ていると、中国国内の消費の勢いに改めて驚きを感じるのとともに、結果的には、いつもと変わらず盛り上がっている春節だな、という気持ちにもなってきます…。



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