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MEETING #10 料理人とつくる食の流通の話|真鍋太一さん × 西村佳哲

2/27冒頭に表示した3枚のスライド。こんな山あいのまちの、寄井という場所にあるテストキッチンで真鍋太一さんと話を交わした。

彼は肩書きより仕事が先を行っている人で、◯◯プロデューサーといった平易な説明が難しい。以前は、東京に店を構える数名のシェフと「Nomadic Kitchen」という活動も手がけていた。

近年の主な仕事は、神山で出会った人々と立ち上げた「フードハブ・プロジェクト」。スタートから5年目を迎える彼の目に、いま見えている風景を聞かせてもらった。約90分の音源を公開します。

お話の内容
・東京から戻るときのPCR検査は
・職人に向いてる高校生の話
・つくり手と「横にいる」関係を、東京でもつくってみたい

・石の上にも3年?
・3年目がいちばんキツかった
・いま5年目で、すごくいい状態になりつつある

・コロナ禍に出来たこと
・「システムのアップデート」は経営者の仕事
・飲食業には必ず「スィートスポット」がある

・試せる職場のよさ。常にある「休みたい」議論
・みんなが「一緒に考える環境」はつくることが出来る

・なんでも「自分たちの中だけで」つくるのでなく
・6年前に書いた「good food system/よい食の仕組み」がつくれるかも

社会の課題解決には、「意識改革」「技術革新」「法律の改正」といった3つのアプローチがあってそのどれも欠かせない、と前に川嶋直さん(当時キープ協会)から教わった。この3つのアプローチは、たとえば〝環境問題の解決〟に当て嵌めるとわかりやすい。

2項目の「技術革新」は別の言葉でいうと「キーテクノロジーはなにか?」という話で、真鍋さんのアイデアや活動ではそこに〝料理人〟がいる。

お話の内容(つづき)
・料理人を、物事に適切に掛け合わせる
・神山からでなく東京からだと、各地域との掛け算を起こしやすい
・「認証制度」を核に、スピードを上げることが出来る

・なんかこうみんな大都会に、というか大都市に、単独で挑んでいる感じがしていて。それを「面で」動いてゆくというか。わかんないけど…。


後半、いま彼がたぐり寄せ始めている、「ミドルレンジの食の流通」「料理人を核にしたワーカーズコープ」の話になった。

「流通」という言葉が使われているけど、語られているのはただの「食品流通」の話ではなく「人や活動の流通(交歓)」の話でもあるし、聞き込んでゆくとさらにいろんな話に展開してゆくから、いまアイデアとして鮮度の高い状態なんだなあと思う。

アイデアや思い付きに対して聞いていた側の人が、「それってこういうことだよね?」「既にあるじゃん」「何が違うの?」と問いを並べて、自覚なく潰しにかかってゆくことがあるけど、本当にやめた方がいい。

新しいアイデアというのは、本質的に、理解も認識も難しいものだし、あたりまえのように矛盾を内包している。しかし考えてみれば、優れたアイデアも、優れた芸事も、たいてい、相反する二つ以上の行為や要素を同時に成立させる。

最後に自分が「価値観の合う人同士で…というか、価値を一緒につくってゆける者同士で」と言い直している部分があり、本当にそうだなと思った。

価値観より相性の方が大事だ、と最近つくづく思う。長く一緒に働けるので。
そもそも人は変わってゆくものだから、いま価値観が合っていたとしても、それがいつまでつづくかはわからない。それより気の合う仲間と、価値そのものをつくり出しながら、一緒に変わっていってしまう方がいい。

〝選択を事後的に正解にする〟ことが大切で、それを実現出来る仲間が要る。フードハブ・プロジェクトにもNomadic Kitchenにも、そういう力のある連中が集まっているように見えるので、次の5年間も楽しみだなと思った。:-)


この日はトークプログラムの前に、開店前の神山「かまパン&ストア」「かま屋(食堂)」の。トークの後に、同じく開店前の銀座「かまパン&フレンズ」のウォークスルー・ガイドも行った。うっかりクラウドに録画して低画質になっています。ごめんなさい。

フードハブ・プロジェクト/FoodHub Project
http://foodhub.co.jp