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インタビューのワークショップ|夏から秋にかけて

*B・Cグループのキャンセル待ち受付を終了します(7/9)
*お申込みが定員に達し、キャンセル待ちの受け付けに移行しています(7/3)

夏から秋にかけて、3つの「インタビューのワークショップ」をひらいてみようと思います。それぞれ形が違う。「オンラインで全7回」「遠野のクイーンズメドゥで3泊4日」と、初めて試す「オンラインで1回 +安曇野の穂高養生園で3泊4日」の3本。

Aグループ|2022年8月4, 7, 14, 18, 20, 25, 28日[オンライン]
Bグループ|2022年10月4日(火)〜7日(金)[滞在]
Cグループ|2022年10月8日(土)+10月25日(火)〜28日(金)[オンライン&滞在]

最上の形を探しているわけではなくて(集まったメンバー次第で違う時間になるので)、思い付きを試してみたいのと、秋を迎える遠野のクイーンズメドゥや、数年ぶりの穂高養生園での滞在を一緒に楽しみたいというのが主旨。内容についてはいつもどおり「一所懸命やる!」です。タイミングの合う方、どうぞお申込みください。

2022年6月・遠野
穂高養生園メールニュースから

インタビューのワークショップ

10年少々つづけてきたプログラムです。ひとの話を〝きく〟感覚や技術。そのきき方の前で〝はなす〟体験。この二つを軸に、おもに「きき方」の再検討を試みる数日間です。

これまで参加されてきた方々には、ライターの仕事をしている人もいれば、なんらかの支援職に就いている人、仕事で話をきく機会が多い人や、あるいは「なんとなく…」という人も。いろんな方がいました。時間をあけて二度目を体験しに来る人もいます。

きき方を見直したい人ほど、最初のうちは「きけているかどうか?」と「自分」に意識を向けがちです。でも、本人は誰よりも本人に厳しいことも手伝ってか、「きけていない(ごめんなさいっ!)」と凹んでゆく姿をわりと見かける。でもそこじゃないんですよね。
きいてくれる人がいると「はなす」ことが出来るわけです。だから目の前の人が「はなせていたか?」ということの方が大事で、そっちが計測ポイントだと思う。

私にとってひとの話を〝きく〟ことは「相手が自分をより表現出来る時間を、一緒につくること」です。そんな数日間になれば。

2017年・女神山


Aグループ|8月[オンライン]

 2022年8月4日(木)18:30~21:30
 7日(日)9:00~15:00
 14日(日)9:00~15:00
 18日(木)18:30~21:30
 20日(土)9:00~15:00
 25日(木)18:30~21:30
 28日(日)9:00~15:00
 *木曜と日曜が基本で、土曜が1回あります

参加人数:5名
参加費:86,000円(ノート、関連書籍を送付)
参加条件:
・全7回の参加
・ビデオはオン(Zoomを使います)
・通信環境:回線速度が上り下りともおよそ10Mbps以上

キャンセル待ちのお申込み >Googleフォーム「8月、オンライン」


Bグループ|10月[滞在]

 2022年10月4日(火)〜7日(金)…クイーンズメドゥ滞在

参加人数:6名
参加費:69,000円
宿泊費:54,000円(遠野/クイーンズメドゥカントリーハウス)

お申込み >Googleフォーム「10月、クイーンズメドゥ滞在」 …受付終了


Cグループ|10月[オンライン&滞在]

 2022年10月8日(土)9:00~15:00 …オンライン
 10月25日(火)〜28日(金)…穂高養生園滞在

参加人数:6名
参加費:96,000円
宿泊費:55,500円(安曇野/穂高養生園)
*宿泊は全員個室です
*初日(オンライン)の参加条件はAグループを参照

お申込み>Googleフォーム「10月、オンライン+穂高養生園滞在」 …受付終了

2013年・女神山(Photo: Satoko Maeda)

*滞在版のコロナ感染対策は、お申込み後にお伝えします。
*上記の観点もあり定員を絞っています。内容的にはいい効果が出ていると思いますが、一人あたりの参加費が割高になります。金額面で申し込み難い人がいるかも。とくに若い方はまとまった額の出費が難しいかもしれないので、分割払いの相談に応じることにしました。該当する人はフォームで伝えてください。



オンラインについて …A

コロナ禍で見合わせていた「インタビューのワークショップ」を再開したのは、合宿形式では難しかったことを逆にやれると気づいたから。具体的には、Zoomミーティングと「逐語録」を使います。

逐語録は、臨床心理で傾聴を学ぶ際に体験する人が多いと思います。インタビューの仕事では「テープ起こし」という形で隣接的な経験をします。重なる要素が多い。そこを掘り下げるとどうなる?という学び方です。

ひとは話しながら、どんな精神活動をくり広げているのか。きき方はそれに、どんな影響を与えているのか。つぶさに見えて面白い。
ただ逐語録づくりには時間が要るので、合宿の時間枠の中では難しかった。オンライン版ではそれを、約一ヶ月間・週2回のプログラムを通じて各回1ケースづつ、じっくり扱ってゆきます。

全国から参加出来ることに加えて、並行する日常の生活や仕事の中で自分の〝きき方〟を再確認してゆけるのも、このオンライン版のいいところだと思う。昨年から始めてこれが8回目になります。


クイーンズメドゥ・カントリーハウス(遠野)について …B

私は『ひとの居場所をつくる』(筑摩書房・2013)の執筆で田瀬理夫さんというランドスケープデザイナーに出会い、彼が仲間たちと20年ほど前から育ててきたこの場所に来るようになりました。

2018年

クイーンズメドゥは、公開されているようないないようなちょっと不思議な半開きの空間で、現在は関係者による利用が中心です。最近「ハヤチネンダ」という新しい取り組みが始まり、その中でまた変わってゆくと思いますが、一般の宿泊施設のように泊まりに行くのは少し難しい場所です。

広い敷地の中に馬がいます。乗馬用でもセラピー用でも、使役動物でもペットでもない、同じ時空間を一緒に生きている存在として放牧されている。
彼ら(馬)のコミュニケーション特性には、この4日間の中で扱う「きく」と通じるものがあります。このワークショップをクイーンズメドゥで出来るのは最高だな、とよく思う。

今回一緒に滞在して食事をつくってくれる人が、また素敵なんです。そのひと目当てのお申込みが生じてしまいそうなので名前は伏せますが、参加する方はどうぞお楽しみに。


穂高養生園(安曇野)について …C

一緒に冒険をする』(弘文堂)でインタビューを交わした福田俊作さんが育ててきた、心と身体の養生のための滞在施設です。数年前に建てられた「新棟」に、貸切で滞在します。
https://yojoen.com/pr/index.html

穂高養生園へ行くたびに思うのは「健康ってなんだろう?」ということ。

あとスタッフの多さとその質感です。いいなと思う。短いと数日間、長いと数ヶ月間の「ワークエクスチェンジ・スタッフ」として、学びながら働いているスタッフの割合が多い。彼らは厨房や、菜園や、施設管理の仕事を担っていますが、従業員というわけじゃないし、そういう感じはない。
同じ時代を生きている「個人」として、同じく滞在している。同じ〝旅〟の途中で会っている感じがして、気持ちいいんですね。

穂高養生園メールニュースから

宿の基本は清潔であること。そして食事の質だと思います。スタッフの手数も手伝って、ここのごはんは一皿ごとの仕事量がすごい。穂高養生園には「ホリスティックリトリート」の副題が付いています。初めて来たのは20年くらい前でしたが、近年はより若い女性たちが多く訪れている印象がある。気持ちいいんですよね。お風呂は温泉です。

「Cグループ」のプログラムは、1年ほど試してきたオンライン版のよさ、つまり「逐語録」という方法と、滞在型のよさ、つまり身体的で豊かな経験の両方を組み合わせたハイブリッド版です。初日はオンラインで始め、穂高に逐語録を持ち寄って、その検証をしながらワークを進めます。いい時間になると思う。


「インタビューのワークショップ」について(追記)

先日、三砂慶明さんの『本屋という仕事』の中で、沖縄の公設市場で小さな書店を営んでいる宇田智子さんが、こんな話を紹介しているのを読みました。

『ラディカル・オーラル・ヒストリー』には、アボリジニの長老が地図を描くときには大地に線を引き、決して紙を使わないことが書かれている。紙に描けば実際の方角が失われるからだ。

この話は沖縄の街中、しかも市場という空間に書店をひらいている彼女自身のあり方と重なるのだけど、自分にも響いてくるものがあった。
私は「インタビューのワークショップ」で扱っていることを本に書く気がしないというか、書ける気があまりしないんですね。それで「ワークショップ」という形を試しているのだけど、そこが照らされた感じがした。

「こういうきき方が正しい」とか「きくとはこういうことである」といった考え・思考・概念を優先させずに、いまの自分、いま目の前にいる人との具体的なかかわりから、めいめいの旅を歩みつづけることが出来たらいいって、本当に思うんです。