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『ひとよ』- DJ電熱線のビリビリビリ映画

こんにちは、DJ電熱線です。

今回は、白石和彌監督の最新作『ひとよ』をご紹介します!

女優で劇作家、演出家の桑原裕子が主宰する「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台を佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子の出演、「孤狼の血」の白石和彌監督のメガホンで映画化。タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、愛した夫を殺害した。最愛の3人の子どもたちの幸せのためと信じての犯行だった。こはるは子どもたちに15年後の再会を誓い、家を去った。運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子、残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。そして15年の月日が流れ、3人のもとに母こはるが帰ってきた。次男役を佐藤、長男役を鈴木、長女役を松岡、母親役を田中がそれぞれ演じるほか、佐々木蔵之介、音尾琢真、筒井真理子らが脇を固める。(https://eiga.com/movie/91031/

(C)2019「ひとよ」製作委員会

田中裕子さん演じる母親、こはるという人物がほんとうに温かくて優しくて、可愛げがあって、時おり飄々としている"陽"のひとであり、それがなおさら「夫であり、子どもたちの父親を轢き殺した殺人犯」ということを生々しく感じさせるのですが、これぞ数々の犯罪者を描いてきた白石監督の成せる技なのかもしれません。

(C)2019「ひとよ」製作委員会

家族のかたちや関係性は色々だと思いますが、例えばこの物語に出てくるいくつかの家族は「親だから」「自分の子どもだから」「家族だから」という良くも悪くも互いへの期待や絆のせいで葛藤に苦しみます。

3兄妹が過ごした母親不在の日々、時間が動き出した母親との生活。そこにあるのは嬉しいという気もちなのか、苛立ちなのか、動揺なのか。そのギャップを埋めていく難しさを3人それぞれから感じ取ることができて、彼らのどの行動も決して否定することはできませんでした。

(C)2019「ひとよ」製作委員会

序盤の犯行シーンは緊張感があり、ううっ、白石監督の映画が始まった…と無意識に身構えてしまいますが、以降はゆるやかにそれぞれの日常が描かれて行きます。テーマは重めなのですが、白石作品のなかで最も「やさしい」作品ではないでしょうか。

ドキドキ、ハラハラする場面もありますがDJ電熱線的には心温まる作品だなあと思いました。
とってもおすすめです!

(C)2019「ひとよ」製作委員会


白石和彌監督最新作。佐藤健 × 鈴木亮平 × 松岡茉優 × 田中裕子を迎えて贈る感涙のヒューマンドラマ。11月8日(金) 全国公開。

https://hitoyo-movie.jp/

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