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インド放浪記2 今でもインドに吸い込まれていく・・・

ラジオから音楽が流れてくる・・・

   Words are flying out like endless rain into a paper cup
They slither while they pass

懐かしいなぁ~ビートルズ
ビートルズの音がひとつ、また、ひとつと
夜の帳に染み込んでいく      静かだぁ~

   They slip away across the universe

そうだ! そうなんだ・・・インドの国境ってどこなんだろう?
法的な国際法なんたらじゃなくて実態としての・・・
インドに入った途端~そこは太古の昔から滞留している空気に
包まれる

   across the universe  そうなんだ、インドは宇宙だ!
人類の歴史という宇宙がインドにある
そんなインドの宇宙を散歩したなんて・・・こんなに人生
楽しいことがあるのだろうか? 

Nothing's gonna change my world

    楽しさのみに包まれると人間が腐りだす
    人生、山あり谷ありが楽しさの根源だ

オブラディ・・・オブラダ・・・またまた懐かしいビートルズが
ラジオから流れてきた

このオブラディ・オブラダってインドの臭いがプンプンする
確かに言葉はイギリス風でもあるのだけど、リズム? メロディ?
なんか知らんけど、この曲・・・インドだ!!

そう思うと頬に目から零れ落ちた涙が流れた
バンコックでほとんどの乗客が降りた
いま、この機内は、ほんの数名の日本人だけを乗せ東京に向かっている
機内放送は壊れたレコードのようにオブラディ・オブラダがかかっている
これで何回目だろう

あの女には参ったなぁ~
さっきまで横に座っていたけど、東京も近くなったし
飽き飽きしてきたのだろう・・・見回すと少し後ろの座席で横になり
熟睡のご様子~

でも、女は逞しいよ
特に日本女性ほど逞しいのはいないかな?
お金を持たずに・・・もちろん言葉など何もしゃべれずに
それでいて気合ひとつでマドリッドから何回も飛行機を乗り換えて
そして、もうじき東京に着こうとしてるのだから
東京に着いたら会釈ひとつで走り去るように、どこかに消えるのだろう!

フランクフルトのイミグレで知り合った、この女性のことは後で
話すとして、僕はインド1年の放浪の岐路についていた
安飛行機の関係で東京ーパリの1年間オープンのチェケットひとつを
握りしめた旅行を終えようとしていた

日本をひとりで飛び出し~予定などなかった
インドで自信がつけば中近東を2~3か月放浪して帰ってこようと
思っていたが怖くてやめた

中近東が怖かったのではない
インドで僕はインターナショナルになった
様々な人種、文化、宗教の人々と交流し楽しかった
中近東にも行きたかった

ヨーロッパの連中はヒッチハイクでイスタンブールまでやってくる
もちろん旅立ちはひとりが多かった
イスタンブールがひとつの山だ
彼氏彼女と出会ってないと中近東に入ると途端に厳しくなる

イスタンブールからは国際バスに乗る
2~3日または1週間ほどかけてカブールに着く
アフガニスタンはこの世の楽園だと100人が100人とも
異口同音に言った
カイバル峠はこの世の楽園だと
特に夕日が世界一綺麗と言った

アフガニスタンは田舎である
人々は温かくのんびりしていて親切である
物価は安い
そしてハッシシがどこでも世界一の品質のが無限に入る

ヨーロッパからのヒッピーはカブールで1~3か月過ごす
だいたい男10に女が1の割合だった
ひとり身の男は2週間ほどで旅立つ
カップルはハッシシとSEXと散歩に明け暮れるのが
1~3か月

そんなアフガニスタンの今は戦場
カイバル峠も破壊された
今ではもう行けない地と変わった

イランも昔とは違う
シリアも違う
何が怖かったのか?
それは、このまま中近東を放浪すると日本に帰れなくなると
それが怖かった

インドを離れるときすでに僕は半分日本人でなくなっていた
このまま中近東を彷徨えば僕は日本に帰っても生涯日本社会に
戻れないような~怖さがあった


インド youtube
https://note.mu/lupin3/n/n3e3d1c0ebc20

インド・バナラシー
https://note.mu/lupin3/n/n5110c9ca0bd3
インド・ガンガの沐浴
https://note.mu/lupin3/n/nd2df436eb679
インド・ガンジス川の沐浴
https://note.mu/lupin3/n/n8d4e58f9cba0



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