ティースプーン一杯の轟き
やけに眩しかった
あのころに鳴らされた響きは
生まれる前からの「裏も表も見せ散った欠けボタン」の調べ
悲しみを幾度もこえてきた
あの彼らは皆を救おうとした
たかがティースプーン一杯ほどのものは千個分の太陽の輝きを放ち
千トン分の重みを持つ
その中ではサンドウィッチひとつで満たされることに平然と受け入れられる術がある。
変わらず太陽は空を照らし、空に太陽を昇らせる
薄いティッシュペーパーの膜の中で水色を世界に広げ包む。
境界線などない星。
かつて始まっていた彼らのプランも、今だ自分たちの持つもの以上のものを求め、自分たちの計画に酔いしれる
彼らは相変わらず太陽を空に昇らせる
そして彼らは大声で叫ぶ
浅はかな綺麗ごとを並べるものは
疑い深く、上手く隠れては皆嘲笑う
正義と自由を掲げる銃声より大きな声が鳴り響く中
生き抜く術はティースプーン一杯ほどのものだった
膨大な名声に酔いしれる彼らに驚き与え、肝を潰してしまった
彼らは無理矢理扉を開け、頭の上で扉が揺れる
既に享受されたティースプーン一杯の企てた轟き
それは愛だった
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