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留学している君へ、7年後から手紙です

拝啓 

初めてアメリカに留学している君、お元気ですか?
そちらの天気はどうですか?寒いですか?暑いですか?
日は長いですか?

英語はどうですか?友達は出来ましたか?

・・・

本当はもっと聞きたいところだけど、この辺でやめときます。

もう既に、日本にいる友達や家族から嫌というほど聞かれているでしょう。

そしてその度に強がって、「楽しいよ」「友達できたよ」といってるかもしれません。

本当は、初めての海外で、朝起きてから夜寝るまで英語に囲まれているのも初めてで、自分をさらけ出すなんてそんな次元にすら到達しない自分に苛立って、落ち込んで、孤独感を感じてるけど。

だけど自分が目指した道だから、今更弱音なんて吐けずに、静かに、この先続いていくであろう長い長い道に、絶望しかけてるのかもしれません。

本当に友達できるのかな、卒業できるのかな、ついていけるのかな、英語喋れるようになるのかな、居心地が良くなるのかな。

周りにいる生徒はみんな英語を自由に操って、心配事なんて何一つない顔して、そんな人たちが羨ましくて、自分だけが一人取り残されて、同じ境遇の人も誰もいなくて孤独な感覚になってるかもしれません。

一生懸命準備してきたつもりなのに皆んなとはスタートラインが違うことにはとっくに気づいていて、

皆んなと一緒にいても一言も喋れないまま時が過ぎて、
寮に戻っても家族や日本語を喋る友達はいない。

毎日もちろん充実している。ここが夢の場所だった。私を夢に導いてくれる場所に変わりはない。やりたかったこともできてるし、毎日忙しいし、最高な環境。なんだけど、その代償としてはまだ若者の君には重すぎるような負荷がかかってるんだよねきっと。

だからちょっとだけ、7年後くらいの未来から話しかけたいと思います。
そのくらい許されると思ってます。

まず一番に、あなたは大丈夫だよ。サバイバルして、ちゃんと生きている。
先が見えない暗い時期があっても、最終的には大丈夫になってる。

そして、頑張ろうとしないでいい。
そこにいる時点でもう既に、何百もの勇気を振り絞ってきたんだよ。その舞台に立ててるだけで立派なんだよ。うまくいかないことがあっても、あなたが足りないとかそういうことじゃないんだよ。

大変な時はアイスクリーム食べて、チョコレート買って、ベッドの中で日本語の動画でも見て、現実逃避したっていい。

本当に大変な時は、一旦足を止めて休んだり、日本に帰ってきたりしてもいいんだよ。今はアウェイかもしれないけど、ちゃんと帰る場所はある。

不安になることも、周りと比べることも、おかしいことじゃないよ。
自分には周りが皆んな先を走ってるように見えてるけど、周りも意外と不安に思ってたりする。

今は毎日大変で、成長できてるのかもわからないけど、自分の知らないうちに少しずつ前に進んでるものだからあんまり心配しないでいい。

・・・ここまで書いたけど、今の君にとって何を言っても響ききらないことは分かってる。今の君にまだ形になった未来は見えなくて、君の道は君のものでしかなくて、いくら周りの人の経験を聞いたって、君は君の足でしか進むことができない。

だけど、これだけは知っていてほしい。
君の、肩書きの影になっている、他の人からは見えない、
大変な毎日も、綺麗事では済まない現実も、逃げ出したい今があるってことも、分かってる人はいる。君のその勇気ある挑戦がただ華々しいだけの綺麗なストーリーじゃないことを理解しながら応援している人たちがいる。

何回だって足を止めてもいいし、今思っている以上に、自分を甘やかしてもいい。ただ、自分にとって一番大切なものは忘れないでほしい。それがここに来た目的でも、毎日の楽しさでも、睡眠でも、美味しいものを食べることでもいい。自分の大切なものを大切にしてほしい。

明日とか、来週とかに全てが簡単になるわけでもない。
こんな大きい変化に慣れて、いろんなことができるようになるのは時間がかかる。あたらしい世界に生まれた赤ちゃんのようなものだな、といつも思っていた。

でも、今の君だけの経験も、時には感じざるを得ない痛みも全て、君を強くしてユニークなものにして、君に新しい価値観を与える君だけの特別なものになる・・・というのはまだ綺麗事にしか聞こえないよね、ごめん。

とにかく、声を大きくして言いたいのは。
そこにいるのは君だけど、君は一人じゃない。先が見えなくても大丈夫!時が解決することも、気づかないうちに強くなっていることもある。状況も変わるし自分の生き方も変わる。だから大丈夫だって、未来から手紙が来たと、思っててほしい。

頑張るな!

7年後の君より


あと書き

ハーバードに入学したのが、早いもので7年前の夏でした。

そして気づいたら、今年の夏、2度目の北米挑戦をしていました。
場所も違うけれど、自分も変わっていて、

英語が喋れてこちらの文化も理解している自分できた今回は、
友達もすぐできたり、いろんな人に声をかけてもらえるようになったり、自分でできることが増えたり、行動範囲が広がったり、自分に自信がついていたり。

今になって、改めて振り返ると、あの頃の自分があったからまた再びここに来られたと思うし、嫌だったことも、辛かったことも、ちゃんと自分の強さに変換されてることがあったんだな、と思えるようにもなりました。

もちろん全てを綺麗事にするつもりはなくて、なくてよかった痛みや辛さもあったと思います。だけどそれを自分のことだと受け止めて今の自分を楽しめる強さも少し手に入れられました。

だからこそ、あの時の自分に大丈夫だよと言いたいし、
あの時、ハーバードに入学する決断をしてよかったとも思うし、
4年間で成長した自分に感謝もしたい。

そしてそれ以上に、寄り添いたい!!!あんた絶対大丈夫だから、孤独だけど一人じゃないから、無理だったら止まっても逃げてもいいから、と言いたい!!という想いで溢れています。

今日も夢を追って留学してる人がいると思います。一人で孤独だなと思いながら頑張ろうとしてる人がいると思います。

解決方法は何もあげられないけど、本当にどうしようもなく先が見えなく「すごい世界に乗り込んでしまった」と思う気持ちはわかるから、それだけ伝えたいです。

頑張らないで大丈夫、既にその舞台を選んでる君はすごいよ、時間が解決することもたくさんあるし、心配しなくても知らないうちに前に進んでることがあるよ。周りの人とスタート地点が違うこともあるし、君だけ超難関コースを進まなきゃいけないこともあるけど、比べなくても自分の性格を変えなくても合わせようとしなくても、ちゃんと進めてるから大丈夫だよ〜〜と声を大にして伝えたいです。

私は日本が本当に大好きだし、文化も社会も生活スタイルも日本って素敵だし一番居心地いいな、と思う分、世界に出て初めて気づいたことや初めてぶち当たった壁もたくさんありました。今、壁にぶち当たってる人はその分、挑戦しようとしてる人。そのことをまず、誇りに思ってほしいです!

半分は、7年前の自分への手紙で
半分は、7年前の自分のような挑戦者たちへの手紙です。

必要な人がもしいたら、届きますように!!!♡

いただいたサポートは海外での活動費や、日本でのスポーツ支援活動に使用させていただきます!いつも本当にありがとうございます!