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社会人の語学留学のリスクとリターンを天秤にかけて考えてみる

社会人になってから、今の仕事を辞めて何か違うことをやってみたいと思う方、多いのではないでしょうか。

キャリア全般のお話は転職関連の優秀な皆々様がすでに解説し尽くしているかと思いますので、今回は「留学」というところに焦点を当てて考えていきたいと思います。

特に社会人の場合、退職して留学することでの「リスクとリターン」を知って総合的に判断したいかと思いますので、この辺りを突き詰めていきます。


【留学】損得の方程式と天秤

細々した話に入る前に結論言います。

留学は、

時間×お金=英語力、国際的なコミュニケーション能力、環境変化の対応力

となっています。

リスクとリターンを考えるなら、

【リスク、失うもの】
・時間
・お金
(・健康、安全など)

に対して

【リターン】
・英語
・その他の国際環境能力
・経験

をしっかり得られるか?というところが天秤の作りかた。

詳しく見ていきましょう。

社会人語学留学のリスク

まず、社会人になってから語学留学することのリスクについて見ていきます。それぞれのリスクにおいて解決策がある場合は、それも追記します。

①転職に不利になる

まず社会人留学される方が最も気にしているのが、退職→再就職の流れがスムーズでないという点。

履歴書上の空白ができることについて不安に思う方がいちばん多いです。

これは概ね問題ないと言えます。

デザインやIT関連、ビジネススキルや資格など、退職してから専門学校や通信教材を使って学習する方もたくさんいらっしゃるでしょう。

そういった方々と同じで、英語というスキルを短期間で効率よく取得するための手段として割り切って留学する方にとっては、あくまで自己研鑽の時間です。

そのため転職活動において、はっきりとその理由が述べられれば全く問題ないはずです。

私が知る中でも10人以上の方が留学後に日本の一般企業に普通に就職できていますし、年収が上がったという方もたくさんいます。

ですのでこれは実際のところリスクに入りません。

あなたのキャリアプランを度外視した留学計画(やたら期間が長いとか)を勧める留学エージェントにだけ気をつけておけば問題なしです。


②お金がたくさんかかる

続いて不安視されやすいのが、お金の問題。

だいたい、1ヶ月の留学をするのにセブ島で最低30万円、欧米は50〜60万円くらいはかかります。

例えばTOEIC600点前後のレベルから、英語力が転職活動に好影響を与えるTOEIC800以上を獲得するまでには、最低でも3ヶ月は留学が必要だと思います。

すると総額で100万円〜150万円程度のお金がかかると思っておきましょう。

もちろん自己学習や英語コーチングサービスよりもお金がかかりますが、英語以外の面で実際に外国人と英語で交流する機会が毎日たくさんあることなどはメリットとして考えていただきたいところ。

なるべくお金をかけずに留学する工夫の仕方はもちろんあります。

ただ、特に私たちは「お客様に合わないコストカットはおすすめしない」というスタンスでいます。

例えば滞在先が1人部屋より6人部屋の方が安いに決まっていますが、プライベートな時間や空間がないと…。という方は少し高くても1人部屋にしていただきたいところ。

留学に行く前は「今燃えてるから6人部屋だろうと1日10時間のレッスンだろうと大丈夫っす!」という燃えたぎっている方でも、現地に着いたら日本では感じない「海外で暮らすストレス」にじわじわ侵されます。

外ではスリに気をつけて気を張っていたり、慣れない英語で会話しようと頭をフルに使ったり、体に合わない食事を摂っていたり。

体育会系で体は丈夫!とかあんまり関係なくコロッと体を壊すこともよくあることなので、お金のために無理をしないというのは原則として覚えておいてほしいです。


③英語力が上がらないかもしれない

これ、社会人の方から意外にたくさん相談されることです!

「留学して英語力上がらなかったら無駄ですよね…」的な。

英語力が期待していたほど上がらない可能性はもちろんあります。

この記事で書いているように、真っ当に英語に取り組めば、英語力が上がらないなんてことはありません。

しかし逆に、手を抜いていたり適当にやっていたら旅行と同じ。あくまで勉強の一部ですから、個人のやる気に左右されることは間違いありません。

まあ、これは英語に限らずなんでもそうですよね。


安全上の問題

これはフッ軽の方から意外に軽視されがちですが、れっきとしたリスクです。

現地のことを全然調べずに留学に行くと、スリやひったくりなどの被害に遭ったり深刻な感染症になってしまったり、大きなケガやトラブルに巻き込まれる可能性があります。

海外は日本とは異なります。

日本に住んできた方々は何十年もかけて「日本の社会の危ないこと」を即座に(または事前に)避けられるようになっています。

日本だと例えば、少し田舎の観光に行くのにWi-Fiをあてにしないとか、地震が来たら机の下に隠れるとか、「もしもし?俺だけど?」と電話が来たら疑うとか。

こういうことは外国人にとっていささか新鮮な対処法であることもあるのですが、日本人の多くの方にとっては当たり前だったりしますよね。

海外のことがなんとなく分かっていても、新しい国や長く住んでいない国に行くのには常に一定のリスクがあります。

社会人語学留学のリターンとは?

なんかリスクばっかりではないですか…。みたいになってしまうのでここからはメリット、リターンを見ていきます。

新しい武器が手に入る

人生はRPG。武器と防具を常にアップデートして人生の魔王に立ち向かえ。
ってふざけてるみたいですが、武器は多い方がいいですね。

日本人の人口の縮小や高齢化により、日本だけでなく海外のマーケットに目を向けてビジネスを展開する日本企業も当然増えています。

世界の公用語である英語を使える人材は日本国内の企業でも求められます。

AIに進歩で英語が全く話せなくても問題ない時代が来る…!と言っても、商取引を人間同士が行うならAIを介する人より英語が話せる人の方が熱意が伝わる確率が高いのは当たり前。

英語だけでなく海外の文化や習慣を知り、今まで当たり前だったことが世界では当たり前じゃないんだと知ることもめちゃくちゃ大事です。

英語が話せるからと言って全く海外に出なかったとしましょう。

イスラム教徒の方に豚肉の美味しさを語ったりお酒を飲みにいきましょう!と誘ったり、ヨーロッパ人の前でパスタをずるずるすすって食べたり、容姿に関することやプライベートな質問をガンガン投げかけたりするような人がいたら、上手にビジネスを進めていけるとは思えません。
※上記はあくまで例なので、例外があることはご承知おきください

こういう国際感覚も、留学で培える大事な武器です。


ハードシングスに立ち向かえる経験

「経験」って抽象的なんですが、留学していると1つや2つ(場合によっては5つや10つ)の「大変なこと」に遭遇するのは珍しくありません。

こういう経験を乗り越える体験ができるのも非常に重要なリターン。

全てが時間通りに進まないゆるさ、行政ですら頼んだ手続きを「あ、忘れてた!」と言ってくる緊張感、ところ構わず突きつけられる理不尽な「No !」など、海外あるあるは尽きません。

私自身も初めて海外留学して帰ってきた時に思ったことは「日本で暮らすのって楽で快適だなあ…。いい国だ…。」です。

人間的な成長ができるのは間違いありませんし、こうした理不尽なハードシングスをたくさん乗り越えると、年齢不相応な他を圧倒する冷静オーラを醸し出せるようになる人もいます。

何が起こってもなんとかできる、それに対応するための布石を常に打ちながら生活できる、みたいな人類としての圧倒的な強さが手に入ります。


新たなキャリアの選択肢

留学をすることで英語力が付いたり英語でコミュニケーションが取れるようになってくると、自然とそれに対応したキャリアの選択肢も見つけやすくなります。

今までは無理すぎて視界に入っていなかった求人が「自分にもできるかも?」と思えるものになっていたり、「英語ができるからあとはこのスキルを付けよう!」とハードルが下がったり。

また留学後に現地で就職したり、留学先で出会った人と仕事の話をする中で会社や仕事を紹介されたりすることもあります。

いろんな人の情報が入ってくるので、フリーランスで働く道が見えてきたりするかもしれません。
「フリーランサーは超人的なスキルを持ってる…。私には無理…」と思っていたら、実は今のスキルがあれば少しアレンジするだけでできることだってあるかもしれません。

意外と「自分が知らないだけでできる仕事」ってものすごくたくさんあります。

そういう仕事やその情報に容易にアクセスできるようになるだけでも急に道が開けたりするものです。

こうした新しい選択肢に出会う、また選択肢自体を増やすことができる可能性は、社会人にとって大きなリターンになるはずです。

留学において「ローリスク・ハイリターン」を得るには?

では、留学で限りなくリスクを減らし最大のリターンを得るにはどうすべきでしょうか?

社会人の方々にとにかくお伝えしたいのは「信頼できるソースからたくさんの情報を得る」ことです。

留学におけるリスクのほとんどは準備不足や情報不足からくるものです。

留学にいったいいくらかかるのか?どの国のどの学校に行ったらお得なのか?
どれくらいの期間行ったらいいのか?どんなことに気をつけるべきなのか?

語学留学なら今時は、3時間もGoogleで調べれば一通りの情報は得られます。
まず徹底的に調べてリスクを減らしましょう。

その上で自分の目標を改めて確認し、留学によって得たいものがどうしたら効率よく得られるのかをエージェントなどに相談しましょう。

情弱だとエージェントの思うつぼです。留学の希望を明確にして伝えたり、相手の提案を深掘りしていくだけでも全然違うと思います。

人生の数ヶ月、数十万〜数百万をかけてやることに対してリサーチがしっかりできないようでは「ハイリスク・ローリターン」を引いてしまうのも当然ですので、しっかり情報の収集をしてみてください。
SNSは発信者の意図によって情報を歪めて伝えられる典型なので、あまりあてにしない方が良いと思います。

情報収集をしっかりした上で、留学という「ローリスク・ハイリターン」の大勝負をしましょう!

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