LUMIX S5IIは最高の旅用カメラ。写真&動画のハイブリッドフルサイズ機として、プロの現場でも使えると感じた理由とは
こんにちは。映像クリエイターのシュウケイ (@shukei122) です。
普段はサラリーマンをしながら休日に日本各地へ足を運び、「日本の隠れた魅力を世界に伝えたい」というコンセプトでTravel Vlog (旅動画)などをYouTubeに投稿しています。
Instagramでは旅先で撮った風景写真をメインに投稿しており、「LUMIXJAPAN Instagram公式アンバサダー」としても活動中です。
今回は僕が「最高の旅用カメラ」だと考える、2023年2月16日(木)発売の新機種「LUMIX S5II」(以下S5II)の魅力をご紹介します。
「旅先や日常の思い出をフルサイズカメラで美しく形に残したい」と考えられている方々のご参考になれば幸いです。
LUMIX S5IIのココがすごい!
動画の収録時はまだ2週間程度しか機材を触っておらず、前回のモデル「LUMIX S5」(以下S5)からのアップデートを中心にご紹介しました。
なので本記事でも、「旅用カメラ」の観点からより動画性能を中心に深堀りしていきます。
S5IIは発表直後にTwitterでトレンド入りするくらい、年初から多くのカメラ好きの方々を賑わせた機種ではありますが、ここで一度、「S5IIが世間を賑わせたポイント」について、僕なりの見解をまとめてみました。
【理由①】お手頃価格のフルサイズ機
フルサイズといえばカメラのセンサーサイズの中で比較的大きいセンサーで、高画質・美しいボケ味・暗所性能・広いダイナミックレンジ(白飛びや黒つぶれがしにくい)などのメリットがあり、デジタルカメラの中でも高価に販売される傾向にあります。
私見ではありますが、プロが現場で動画・写真ともに十分使える性能を求めるとボディ単体で30万円以上、最低限の標準ズーム+単焦点レンズも揃えるとなると軽く40~50万円近くまで膨れ上がるでしょう。
一方、S5IIの発売開始時の価格は、スペックに対してかなりリーズナブルな価格を実現しています。
特筆すべきは、20-60mm F3.5-5.6の便利ズームに50mm F1.8もセットで、2本のレンズが同梱されたダブルレンズキットが30万円を切っていること。
この2本だけでかなりの撮影範囲をカバーできますので、コストを抑えつつ本格的なフルサイズカメラデビューを果たしたい方にオススメです。
像面位相差を積んだ6K 30pや4K 60p 10bitが撮れるカメラの中では、かなり手の届きやすい価格設定と言えるでしょう。
とにかくこのコストパフォーマンスの高さは魅力的で、まだ駆け出しで大きな資金を確保できないクリエイターや、趣味でハイスペックなフルサイズカメラを楽しみたい層にとってはかなりありがたい存在になります。
【理由②】動画・写真性能を高次元で両立
以前の記事でご紹介したS5は、特に動画の面では、十分にプロ機といえる性能でした。
そしてS5IIは上記の性能に加え、価格を抑えながらも大幅なアップデートを実現しました。
動画の面では4K 60fpsノンクロップ / 4K 120 fpsが撮影できないなどの弱点はありますが、「旅用カメラ」として更にパワーアップしてきました。
【理由③】新機能「リアルタイムLUT」の搭載
後ほど詳細をご説明しますが、リアルタイムLUTとは自分好みのオリジナルLUTをカメラに読み込み、静止画や動画に焼き込んで撮影できる機能です。
カメラ内で色味をカスタムしたり、メーカー提供のソフトでプリセットを作れるカメラはありますが、リアルタイムLUTの凄いところは一般的な編集ソフトのDaVinci ResolveやPhotoshopなどで自由自在に好きなLUTを作り、自分の好きな世界観を編集なしの撮って出し素材に反映できること。
言わば「オリジナルのフォトスタイルを無限に作る」ことができます。
LUMIX S5IIが最高の旅用カメラである5つの理由
上記の動画は、S5IIを使用したTravel Vlogの使用事例です。
「思い入れのあるLUMIXカメラを使って、旅先の絶景や体験の魅力を記録し人々に伝えるため、これからもずっと大好きな写真や動画を撮り続けたい」という思いを込めて制作しました。
こちらの動画をもとに、旅動画との相性の観点でS5IIの魅力をご紹介します。
①像面位相差AFの搭載
多くのLUMIXユーザーが待ち望んでいた機能だと思いますが、 像面位相差AF搭載により、S5の弱点でもあったAF性能が大幅に向上しました。
追従感度が早く、且つ被写体の背景が小刻みに動くウォブリングが発生しにくくなり、より「撮影ではなく旅を楽しむこと」に集中して動画を撮ることができました。
僕自身はコントラストAFを採用しているS5使用時はMFで対応することも多かったのですが、 被写体を追従したいときは思い切ってAFに任せられるようになったのはかなり嬉しいポイント。
中望遠域の単焦点レンズ、例えば85mmを使うようなピントをあわせるのがシビアなシチュエーションだったり、 鳥や動物など被写体の動きが早いシーンもきっちり追従してくれるようになりました。
また、AF性能が高ければ、カメラの扱いに慣れてない家族や友達に安心してカメラ撮影をお願いできるのもかなり大きなポイントです。
②歩き撮りの手ブレ補正強化 (アクティブI.S.)
「LUMIXといえば強力な手ブレ補正」と言えるほど大きな特徴ですが、今回は特に歩き撮りの手ブレ補正が強化されました。こちらはS5 vs S5IIの手ブレ補正の比較動画です。
元々S5の手ブレ補正もかなり強力なので、広角域20mmではさほど大きなブレは感じませんが、特に標準域60mmでは顕著に違いが現れてます。
また特に中望遠域では、通常は手持ちだとブレが目立ちますが、しっかりホールドして撮影できるのも素晴らしいです。
強力な手ブレ補正は、動画の面ではジンバルを使わなくても安定した絵を撮れますし、 写真の面では特に夜間で三脚いらずでブレのない写真を撮れるのが嬉しいポイントです。
③6K 30p 10bit 撮影
これだけコンパクトなボディにもかからわず、なんと内部で6K 30p、且つフルエリアを使用したオープンゲート撮影(全画素読み出し)が可能になり、より高画質を実現しています。
6Kはデータ量が重くなるデメリットはありますが、高画質になることに加え、4K書き出しの場合は1.5倍までクロップしても画質が劣化しないので、 広角で撮っておいて画角や構図を後から編集で調整したり、あるいはインタビュー撮影などでもかなり重宝します。
④軽量コンパクト・グリップ
S5IIのボディの重量は740gでS5と大差なく、且つ20mm-60mmやF1.8シリーズは約350g以下なので、約1kg程度と軽量・コンパクトなシステムである点も、旅用途ではかなり嬉しいポイントです。
またS5IIからはよりグリップが深くなり、長時間での撮影が疲れにくくなりました。
⑤24bit / 4chの音声収録
S5IIからは情報量の多い24bitオーディオを採用しており、音声に破綻が起こりにくい仕様になりました。こちらはS5 (16bit) vs S5II (24bit)の音声比較です。
S5の方が若干こもったような音であるのに対して、S5IIは周辺環境の音(車の音など)をよりクリアに拾っており、繊細な音質になってるかと思います。
また海辺のシーンでは、波の音をクリアに拾ってくれたので、普段はサウンドエフェクトとして編集で別の音声を引っ張ってくる必要がありましたが、その手間がなくなったのはかなり嬉しいポイントです。
リアルタイムLUTを使った時短術
前の項目で触れましたが、リアルタイムLUTは自分好みのオリジナルLUTをカメラに読み込んでリアルタイムで反映させ、静止画や動画に適用して撮影できるため、大幅に編集時間を短縮することができます。
これらの写真は、買い物ついでにリアルタイムLUT「S-Night Time 1」を使用して撮影した、編集一切なしの撮って出しの写真です。
特に写真の場合はRAWなのでカラグレ耐性が高く、好きなLUTでカメラ内RAW現像できるのは、まさに革命的です。「RAW+JPEG」で撮影しておけば、LUTが焼きこまれてないRAW画像もしっかり残るのでおすすめです。
プロユーザーはDaVinci Resolveで自分好みのプリセットを自由自在に作れるし、ライトユーザーは好きなクリエイターの世界観での撮影を楽しむことができます。
編集する必要がなく、「LUMIX Sync」というアプリを使えばBluetoothでスマホに写真を移動できるので、帰りの電車でサクッとSNS投稿ができます。
RAW現像のために家に帰ってから編集する時間が短縮できるので最高です。笑
こちらは、妻に撮ってもらったポートレートで、こちらも編集なしの撮って出しです。
友達や家族にオリジナルのクリエイティブLUTを当てた写真撮影を楽しんでもらうことができるのも良いと思います。(プレビューが編集後の写真なので、撮る側は写真が上手くなった感覚にもなれます笑)
また、こちらはMC-21の動作テストのために撮影した動画素材ですが、こういった素材もリアルタイムLUTで焼きこんでおけば、あとで色編集する手間もないので、さくっと動画を撮りたいときにはおすすめです。
但し、動画の場合は素材にそのままLUTが焼き込まれてしまうため、後で色編集する場合は、リアルタイムLUTの使用は避けるのが無難でしょう。
上記でご紹介した「S-Night Time 1」や「S-Golden Hour 1」は、実は僕が制作したオリジナルLUTでして、LUMIX BASE TOKYOの公式サイト「LUMIX Color LAB」で無料ダウンロードできるのでぜひGETしてみて下さい!
究極の動画・写真ハイブリッド機で「思い出をより美しく」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
色々と機能についてご説明しましたが、特に旅や日常を思い出に残す用途であれば、S5IIは欠点が見当たらない本当に素晴らしいカメラです。更には、プロの現場でもガンガン使っていける機種であることも間違いありません。
僕は学生時代、海外旅行に沢山行きましたが、当時はスマホで写真を撮ったりして、画質が荒く綺麗な写真や動画があまりありません。なので今すぐにでもこのカメラを持ってタイムスリップして、高いお金をかけて見た景色やユニークな体験をもっと美しく形に残しておきたかった!!という後悔をしています。笑
今後はより旅行ムードが復活してきて、写真や動画を撮る機会が増える方々も沢山いるかと思います。ぜひこのS5IIで「思い出をより美しく」切り取ってみて下さい!
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