見出し画像

改装後のマンダリンオリエンタル バンコクのリバーウィングへ / バンコク・タイ⑨

こんにちは。
ゆっくりとホテルステイを楽しみたい、ということで選んだのがマンダリンオリエンタル バンコク。

タイといえば思い浮かべるのが宮本輝さんの『愉楽の園』。
20代で初めて読んでから何度も読み返しているこの小説からは、まとわりつくような湿度とむせかえるような匂い、アジア特有の喧騒が放たれ、ズブズブと「愉楽」に浸ることができる。

そしてこの作品の舞台として登場するのが「東洋において最も格式の高いとされるホテル」と評されるマンダリンオリエンタル バンコク。

華やかで静謐。

浮ついたところのないどっしりとした風格あるロビーを抜けると、

シルバーのゾウさんが出迎えてくれます。

現在チャオプラヤ川として知られるメナム川のほとりにあった外国人船員のための休憩所が、1876年「The Oriental 」というシャム王国初の高級ホテルとして設立されます。

花で編まれた馬着ならぬ象着?が綺麗でした。

第二次世界大戦中は日本陸軍に貸与され、東京の帝国ホテルの管理下で将校クラブとして使用されました。終戦間近には、解放された連合軍捕虜がここに収容されていましたが、彼らはここが日本の所有地であると思い込み建物を荒らし、かなりの修復が必要な状態となってしまったそうです。

ホーチミンの「マジェスティック」を思い出すわー(記事「ホーチミン歩き ベトナム旅行記②」)

控えめな鈍いゴールドが麗しい。

その後、フランス通信社の従軍特派員として太平洋地域に勤務したポーランド出身の写真家Germaine Krull、Bhanubandhu Yugala殿下、タイの弁護士 Pote Sarasin、そしてJohn WebsterとJim Thompsonという特務機関に勤務していた2人のアメリカ人が寄付しホテルを修復。「The Oriental 」は、1947年6月に営業を再開しました。(記事「タイシルク王 ジム・トンプソンの家(The Jim Thompson House)/ バンコク旅行記④」)

1974年、香港のマンダリン・インターナショナル・ホテルズ・リミテッドがリバー・ウィングの建設に資金を提供、その結果「The Oriental 」の株式45%を取得します。2008年、「The Oriental 」は「Mandarin Oriental Bangkok」として名前を変更し始動します。

「Mandarin Oriental」とかかれた建物がリバー・ウィング。

そんなリバー・ウィング、約98億円をかけた過去最大の大改装が2019年に終了、ということで部屋を取りました。
ジェフリー・ウィルクス(Jeffrey Wilkes)デザインのインテリア、ジム・トンプソンのファブリック、チーク材のフローリング。

スタンダードな部屋でも40㎡ほどあるのでゆったり。

チャオプラヤ川沿の客室、水をイメージしたインテリアでした。

水色にゴールドの船、色合わせが美しい。

ポニョなお魚たちが泳ぐランプスタンドに

いつも全力で愛らしいポニョ。

スーツケース台の壁紙が素敵でした。RIMOWAのCheck-In Lを広げてCabinを置いても大丈夫なこの広さは嬉しい。

鏡の使い方が上手いので空間が広く見えます。

水色カワイイ

アメニティにはプラスチックが使われていません。櫛、歯ブラシ、綿棒の柄も木製でした。
あっ、terraの歯磨き粉!アーユルヴェーダの専門家やホリスティックな歯科医と協力してつくられるterraの製品には、フッ素や硫酸塩、テフロン、パラベン、ステビア、内分泌かく乱物質など含まれていません。

マカロンをいただいて

早速船に乗って対岸へ。リバーサイドのテラスを抜け、船着き場へ。

ホテル専用の船に乗り込みます。

うーん、川が道になってるところって気持ち良い。香港のスターフェリーも浦賀の渡しも好き。(記事「国内で唯一、ドックの下まで見学できる総煉瓦造りの「浦賀ドック」に降りてみた」)

へー対岸に巨大モール「アイコンサイアム」ができたのね。

2018年11月にオープンした「アイコンサイアム」、バンコク初出店となる高島屋も入ってました。暑い国らしい22時までの営業。

ICONSIAMまでお願いしまーす

あっ、弥生ちゃん

右手にそびえるのは、マンダリンオリエンタルのレジデンス「The Residences at Mandarin Oriental Bangkok」。3.2mの天井高の物件、それは気持ちいいだろー。

2フロアからなるエルメス。
ガラスファサードの画期的な技術を持つドイツのseele社が手掛けた外面。素晴らしく美しい!

昼硬いガラスは夜のライトでは柔らかく繊細な表情を魅せてくれました。

香港などアジアのモールで思うこと。規模感の違い。
圧倒的吹き抜けと細々してない空間の使い方。ゆったりと買い物出来て気持ちいい。

日本は消防法などの規制で大胆な吹き抜けが出来ないのでしょうが。

疲れてお茶したいのに並ぶとか、店内に入っても窮屈な座席間隔とか、飲み物のサイズが小さいとか(お腹タプタプになるほどお茶をリフィルしてくれるレストラン、ありがたい)。
買い物中の休息って必要。ゆったりした空間で癒されたら購買意欲も増すのにね。

天井が高いだけで開放感が全然違う。

レッドソールの鱗〜

ムンバイでのコレクションが麗しかったDior。プレフォールのウィンドウになっていました。

ゾウさんの什器欲しい。
壁欲しい。

ムンバイでのコレクション、素晴らしかったね!とスタッフと盛り上がり、また長居してしまう。(記事「異なる文化が出会う場所。ムンバイで開催された Christian Dior Fall 2023」)

Christian Dior Pre-Fall 2023

ホテルに戻って来て、あっ「ザ・ヴェランダ(The Verandah)」の絵カワイイ!

オールデイダイニングのレストラン「ザ・ヴェランダ」。緑のファブリックと、

壁画に見惚れていたら、「撮っていいですよ、お入り下さい。」と快く迎えて下さった。

タイのアーティストが描いたというあたたかい絵には、生き物たちが楽しそうに生息していました。タイ北部に伝わる伝説の獅子をモチーフにしたSinghaはタイ語で「美しい森の王様」という意味だそう。

ゾウさんも鳥さんもヘビちゃんも愛らしい。鱗な川面も素敵。

おやすみ〜チャオプラヤ川。

続く。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?