旅行家か、滞在者か。
大正期・昭和初期に四度も来日し、数多くの日本の文化人と交流を持ったチェコの女性旅行家、小説家、翻訳家でもあるバルボラ・マルケータ・エリアーショヴァー(Barbora Markéta Eliášová, 1874~1957)の活躍およびその功績については、少なくとも筆者が知るかぎり、日本ではこれまでほとんど紹介されていない。現在のチェコでは、東南アジアのみならず、南アフリカやオーストラリアなどを歴遊した女性旅行家としてその名が知られている。しかし、知られているとはいえ、決して