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#326 日々の蓄積が初動の精度を上げてくれる

これまでのブログで散々繰り返してきたので改めて言及する必要はありませんが,僕は弁護士です。

実名も出していますし,ググればすぐに顔写真や経歴も出てくると思いますが,僕は2017年1月から弁護士として働いていて,2年半働いたところで,働きすぎで疲労回復が追いつかず,限界を突破してしまった結果,うつ病を発症しました。

うつ病を発症した2019年7月10日から今日まで約1年3か月間ずっと働いていません(「休職」というやつです)。

職場に正式な手続きとして「休職」というものがあるわけではなく,7月10日から,文字通り「働けなくなった」ので,働いていません。

7月10日から,突然出勤しなくなったんです。僕は。

詳しくは↓のブログで書いていますが,少しだけ事務所には顔を出して症状について説明したり,休みたいと伝えたりもしました。

まあ,「休みたい」と伝えたものの,「休まない方がいいんじゃないの?」とか「休まれたら困る」とか言われてしまいました(笑)。苦しむ従業員に対して,ひとこと「ゆっくり休んでいいよ」と言うことすらできないなんて,器が小さすぎて呆れてしまいます(笑)。

後々の手紙で「ゆっくり休んでください」という言葉はありましたが,やっぱり初動が大事です。

後々出てきた言葉は,僕が自宅を離れて実家に戻り,物理的に働けなくなった後になって伝えられているわけですから,その時点では既に「ゆっくり休んでください」としか言いようがない状況でした(笑)。

距離が離れて物理的に出勤できないようになったわけですから,「働いてくれ」なんて言うことはできません(笑)。物理的に出勤できない人に「働いたら?」と提案するのはバカにもほどがあります(笑)。

「休むより働いた方がいいんじゃないの?」という提案が大問題なのは,この提案の内容が間違っているからではありません。この提案が間違っているから問題じゃなくって(まあ,間違っているんですが),働けなくなるほど苦しんでいる人に対し,「働いたら?」と提案してしまうこと自体が大問題なんですね。

「働けません」「つらいんです」と訴えている人に対し,「働いたら?」という言葉を放つこと自体,相手に大ダメージを与えてしまいます。

その「大ダメージ」に気づけなかったこと,想像力が足りなかったことは,後々に「ゆっくり休んでください」と言ったところで挽回できるものではありません。

何事も初動が大事ですが,こういった,従業員の苦しみに対するケアも初動が大事です。

「初動」って,考える時間がありません。一瞬で判断し,行動に移す必要があります。そういう初動時こそ,その人の能力だったり,生き方が如実に反映されます。

いろいろと準備する時間があれば,だいたい及第点はとれるんです。だからこそ,準備が大事なんです。準備していれば,自分の実力不足をカバーできるからです。

でも,初動の際は「準備」なんてできません。現実が目の前に迫っていて,即座に行動に移さなきゃいけません。

「ちょっと考える時間をください」と,時間的猶予をもらうこともできません。だって,その場合は,「ちょっと考える時間をください」が答えになるからです。そして,多くの場合,「ちょっと考える時間をください」は失敗です。機を逸してしまうからです。

「ちょっと考える時間をください」なんて言う人は,そもそも自分が即座に行動しなきゃいけないことも理解できていないわけですよ(笑)。自分が「初動時」にいることすら認識できていない。

僕がうつ病を発症した2019年7月10日の出来事に当てはめて考えると,僕が「働けません」「眠れなくて苦しいんです」と訴えてきた時点は,まさ「初動時」です。自分の雇っている従業員が苦しみを訴えてきているわけで,緊急事態が目の前で起きているわけです。

その際,前日までと同様に僕に働いてもらい,何事もなかったように済ませたい気持ちもわかりますが,ただそれは,自分が「初動を起こさなきゃいけない立場」にいることを認識できていません。

苦しみを訴えている人に「働いたら?」と言ったら相手がどう思うか,その後何が起きるか。そんな人を働かせていたら,何が起きるか。苦しみをわかってもらえない経営者と他の従業員に思われたらどんな影響が出るか。

こんなことを瞬時に考え,結論を出さなきゃいけないわけです。

というか,「考える」暇なんてなくて,ほとんど,自分の「直感」として結論を出さなきゃいけない。だから,骨身に染みついた,それまでの経験や考え方が如実に表れるわけです。というか,「直感」なんて,骨身に染みついた考え方のみが結実したものでしょう。

もし自分が経営者で,逆の立場だったら,「ゆっくり休んでください。気づいてあげられなくてごめんね」と言ってあげたいです。

苦しんでいる人が働いても,仕事の能率が上がらず経営的にマイナスですし,何よりも,僕は幸せのために働いているので,従業員が苦しんでいたら,自分の幸せにつながりません。従業員がやる気満々で働くからこそ,幸せな職場を実現でき,社会の幸せに役立つんです。

確かに,いきなり従業員が抜けてしまった穴をふさぐのは大変でしょうが,とはいえ,苦しんでいる従業員をそのままにしていたら,より一層事態は悪くなります。

僕の場合も,あの状態の僕をそのまま働かせた場合,判断能力が完全に欠如していましたから,何をやらかすかわかりませんでした(笑)。

今思うと,何かをやらかしてうつ病が発覚するんじゃなくて,不眠や不安・恐怖といった症状でうつ病が発覚してよかったと思います(笑)。

まあ,うつ病で担当事件を全部放り投げてしまったのは,大きな「やらかし」ではあるんですが,ただ,今のご時世なら「うつ病で働けなくなった」というのも,それなりに言い訳として成り立ちます。

うつ病などの精神疾患を「なまぬるい」「たるんでいる」と評価するのは個人の自由ですが,今のご時世だと,それを大っぴらに発言することは許されません。

電通の女性従業員が働きすぎで自殺してしまったのは2015年で,既に5年も前です。この事件は刑事裁判にも発展し,電通が罰金判決を受け,略式起訴だったにもかかわらず,社長が法廷に出頭を命じられました。

三浦春馬や竹内結子といった著名人が自殺したことが報道され,うつ病などの精神疾患に対する見方も,かなりポジティブに変わりつつあります。

こんな理由で,僕だったら,苦しんでいる従業員には「ゆっくり休んで」と言います。

従業員が苦しんでいる場合に限られませんが,時間的猶予がない中で結論を出さなきゃいけない場面は,これから幾度も訪れるでしょう。

その結論が間違っていたとしても,「時間がなかった」なんて言い訳が認められるほど,世の中は甘くありません。この世の中は,勝ち負けがはっきり出てしまう,厳しい世界ですから。

僕らは共産主義を放棄して,勝ち負けがはっきり示される資本主義を選んでいます。だから,成功と失敗がはっきりしますし,言い訳をしたところで,失敗がなかったことにはなりません。

こんな厳しい世界で,時間的猶予がなくても結論を出せるようになるためには,日々,試行錯誤を重ねて,そのフィードバックを積み重ねるしかないんでしょうね。

毎日毎日,目の前の仕事をこなしながらも,ブログを書いたりして自分を客観的に見つめ,その日の出来事をフィードバックする。そうやって,日々の出来事を,経験として,筋肉や骨のレベルで定着させていく必要があるのでしょう。

仕事ばかりしていちゃダメなのは,火を見るよりも明らかです。仕事ばかりして,責任逃れ主義のダメダメな「じゃまおじ」「じゃまおば」になってしまっている人が,この日本にはどれだけ多いか。

責任から逃れようとせず真正面から受け止め,フィードバックを怠らない。そういった蓄積が,いつの間にか,自分の「初動」の精度を上げてくれると信じて,これからもぼちぼちやっていきます。

【今日のうつ病】(うつ病経過まとめ:こちら

今日までに経過した期間↓

・うつ病発症(2019年7月10日~):471日(1年3か月と13日)

・実家療養後の1人暮らし(2019年9月27日~):392日(1年と26日)

・午前中の散歩(2019年11月7日~):351日(11か月と16日)

・毎日ブログ(2019年12月3日~):325日(10か月と20日)

・出勤練習(2020年3月30日~):207日(6か月と23日)

今日で,出勤練習を始めて6か月と23日目になります。既に書いたように,新型コロナウイルスの影響で,4月13日~5月11日までの約1か月間,一時中断されていましたが,それを差し引いても,約6か月間勤練習を積み重ねてきました。

今日は出勤しました。午前9時~午後6時(定時)まで滞在予定です。

そんな今日の「SleepCycle」を見ると(睡眠記録アプリ「SleepCycle」についてはこちら),昨晩は午後11時38分に布団に入りました。昨日と同様寝つきは良かったです。朝は,アラームが鳴る前の7時23分に目が覚めました。睡眠時間は約7時間45分と少しだけ短めです。SleepCycle独自の睡眠品質は78%/100%とまずまずです。

(なお,僕のうつ病は,主な症状が不眠(①寝つきが悪い②中途覚醒③朝早く目が覚めてしまい二度寝もできない)で,この不眠症状の有無が,その日の調子の良し悪しや,回復の進み具合を左右します。そのため,毎日の睡眠時間や睡眠の質について,睡眠記録アプリ「SleepCycle」に記録されているデータをもとに逐一書き出すことにしています。)

ここ3日ほど寝つきが良くて,とてもありがたいです。今日も,アラームが鳴る前に目が覚めてしまったとはいえ,それほど朝早いわけではありません。睡眠品質が「78%」なのが気になりますが,とりあえず,今日も調子が良いです。

今は,疲労回復が追いつくかどうかを実験している真っ最中です。先週は,3連勤が限界(=疲労回復が追いつくのは3連勤まで)ということが判明しました。今週は,今日で3連勤目ですが,今のところ疲労回復は追いついているようです。先週と同じ日数をキープできたのは,素直に喜びたいです。

今晩の眠りも問題なければ,新記録達成ですが,まあ,そんなに期待せず,肩に力を入れないようにして,昨日まで通りに夜を迎えようと思います。

今日もブログ書けてよかった!

それではまた明日!・・・↓

昨日のブログ↓

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