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遺言を残そうと思ったら-12(公証人は多分ミスしません)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:遺言を残す 】

今日も引き続き遺言について書いていきます。

さて、昨日は、遺言が「要式行為」であることを説明しました。

遺言が「要式行為」であることの意味は、作り方をミスったら、遺言書もただの紙切れになってしまう、ということです。

例えば、自筆証書遺言は全文を自署することが要件になっていますので、パソコンで作成した遺言書をプリントアウトして、それに署名押印しても、それは作り方をミスってしまっているので、自筆証書遺言を残したことになりません。

自筆証書遺言は、紙とペンと印鑑と朱肉があれば作成できるので、とても簡単で便利なんですが、だからこそ、こういった「方式ミス」をしかねず、それが大きなデメリットだと思います。

「プリントアウトしちゃダメ」とか「署名だけじゃなくて押印が絶対に必要」なんてのも、知識がなければミスしやすいポイントだと思います。

そのため、方式ミスによって遺言書がただの紙切れになってしまう可能性はそれなりに高いと思います。

この「方式ミス」を、ほぼ100%防止できるのが、公正証書遺言です。

というのも、公正証書遺言は、公証人が遺言書を作成します。

もちろん、遺言の内容は自分で公証役場に伝えるんですが(内容を伝えないとどんな遺言を作ればいいか公証人もわかりませんから)、その内容を公証人がパソコンに打ち込んでおきます。

そして、遺言を残す本人に公証役場まで来てもらい、あらかじめ公証人が作成した遺言書をプリントアウトしておいて、それを本人に見せます。

公証人は、連日何度も公正証書遺言を作成していて、いわば、公正証書遺言作成のプロです。

というか、公正証書遺言を作成する際は、作成費用を公証役場に支払うので、「料金を受け取る」という意味で公証人がプロであるのは間違いありません。

(まあ、公証人の業務には公正証書遺言の作成が含まれていて、その業務遂行の対価として公証人は給料をもらっているわけですから、公証人が公正証書遺言の作成にプロとして責任を負うことは明らかです)

もちろん、公証人は、遺言が「要式行為」であることはよくわかっていて、方式ミスが致命的であることも熟知しています。

そして、日々公正証書遺言を作成していますから、作成も手慣れたもんです。

どうやれば方式ミスなく公正証書遺言が作成できるか、日々考えながら作成していますし、正直なところ、方式ミスなく公正証書遺言を作るマニュアルがあって、それに従ってチェックしながら作成しますから、方式ミスはまず起きません。

まあ、正直言うと、公正証書遺言作成の要件はそこまで複雑ではないので、いちど使った公正証書遺言の書式データを使い回せば、それで自動的に方式ミスのない公正証書遺言が作成できます。

公正証書遺言は、自筆証書遺言とは異なり、データをプリントアウトして、それに署名押印することも許されています。

だから、公正証書遺言は、公証人があらかじめ遺言書をデータで作成しておくのです。

もし、作成当日に訂正箇所があれば、データを修正してすぐさまプリントアウトできます。

で、僕もはっきりとは知りませんが、このデータは、もちろん使い回しができるはずです。

公正証書遺言の条文は、長年にわたって全く変更されていませんので、過去の遺言書データを使い回すことができます(そのはずです)。

そうやって、使い回していれば、基本的に方式ミスは起きません。

(もちろん、使い回しの弊害として、いちどのミスが気づかれないままになってしまうというのも考えられますけど・・・)

この「方式ミス予防」というのも、公正証書遺言を利用するメリットなんですが、やっぱり、いちばんのメリットは、遺言能力が死後に争われにくい、ということだと思います。

ここはまた明日書きます。

それではまた明日!・・・↓

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