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「自分がいることで人と人が繋がっていることを実感できた」

はじめに


この『ー私たちの新世界ー 大陸横断記録』では、10月2日(日)に大阪で行われるミュージカル『A COMMON BEAT』関西公演に出演されるキャストの方にインタビューをして、インターンやお客さんがまだまだ知らない舞台の一面を見て行く連載になっています!

今回は、コモンビート関西エリアマネージャーでありキャストのあかりんさんにインタビューさせていただきました!
担当インターンはジュンです。

【富士山に登ったというあかりんさん】

大学生の頃に初参加したというあかりんさんは、現在は社会人としてお仕事をされながら関西公演のサポートと出演をしています。質問にハキハキとテンポ良く答えていただく中で、全力でミュージカルと向き合っている気持ちを受け取りました。

なお、インタビューをすることなんと2時間。
この記事だけでは収まりきれなかったのでパート8まで用意しました!
本日9月5日(月)は、パート1をお送りします!
(他の投稿はまたご案内をするのでお待ちください。)


 「こんばんはー」と、zoomに入室してきたのは今回のインタビュー相手のあかりんさん。お仕事が忙しい中時間をもらってしまうのにも関わらず「よろしくお願いします!」と快く挨拶をしてくれました。
 今回このような形でインタビューするのが初めての自分も緊張が少し和らぎ、早速質問に入っていきます!

⒈あかりんさんとコモンビートの関係とは?

ーーあかりんさんが最初にコモンビートに関わるきっかけはなんでしたか?

6年前、大学3年生の時かな。ミュージカルに大学の先輩が出ていたんです。その先輩を見に行ったんやけど、他に出演してる大人たちの姿に感動しまくって。
「人間ってこんなキラキラした顔できるんや」と思って、次は自分が舞台に立ちたいと思ったのがきっかけかな。

ーー確かにコモンビートのミュージカルって、見ていると自分も出たくなりますよね。初めて出演したのはいつですか。

大学4年生の時。大学3年生で見た公演の半年後とかには、短スパンでもう次のミュージカルのプログラムが始まってて。そこで関西公演に初めて出たって感じ。

ーーあかりんさんは関西のエリアマネージャーさんをされてますよね。エリアマネージャーさんって具体的にどういうことをするんですか。

人と人を繋ぐってのが一番の役割。ミュージカルを全国でやるようになって、事務局が動かすのにはすごいもう幅広くなって地域差がどんどん出てしまって。それではなちゃん(※)とかりょうちゃん(※)とかが、この地域で頑張ってる人とか、この地域の様子とかも認識しきれなくなってきたというか。
「ミュージカルを次に繋げていこう」ってなったときに、この地域の公演が終わったら次のキャストを担うのは誰やとか、っていうのを事務局だけでは管理しきれなくなっちゃって。だから各地域のエリアマネージャーを置いて地域の人と人とを繋いでいく役目っていうのをずっとやってたんやけど・・・
コロナになってオンラインだったからさ、エリアマネージャーいらんのちゃうか説というか、そうそんなんもあって、もちろん確かに全国区だったからなくてもいけるなってなったけど、やっぱこうやってミュージカル復活したときに、その地域で誰かが頭一つ抜けて頑張らなあかん瞬間のときには、エリアマネージャーとか必要なんやなって改めて感じてるというか。
人と人と、今と未来と、今と過去というか、その時系列的にも、私マネージャーやってるけど、私の前に繋がってきた関西の繋がりもあるわけで、そういう人たちの力を借りないと今回復活公演(再会記念公演)も難しかったからそういう人たちにお願いしたりとか。だから「繋ぐ」役割やなって思う。

※はなちゃん:コモンビート事務局長。読書家。最近子猫を飼おうとしている。
※りょうちゃん:コモンビート理事長。映画とサッカーが好き。

ーー即席で集まってる感じじゃないのがいいですね。

そうだね。最初エリアマネージャーの話聞いた時、「そんな荷が重いことできるか」って思ってさ。
前任の人がものすごく関西公演を繋いできた人やったから、そんなふうになれへんなって思ったけど、でも何か自分がいることで人が繋がっていくんやなっていうのを最近は感じてる。
いることに意味があるって言われてきてそれの意味もよくわかってなかったけど、何かそういうこともあるんやなっていうのがちょっと実感できてるというか。

ーーこのミュージカルができなかったこの2年間ってどういう心境でしたか。

2つあって、1つは「もうやっと自分の時間ができた!」って笑
ずっとずっと動いてたから、止まっていいんや!みたいな。でもそこにみんなだんだん自分の時間が楽しくなってるから、何かを繋げていかないと人が繋がらへんっていうか。人がどんどん離れちゃうみたいな感覚があった。
オンラインになって事務局とみんなが繋がれるようになって距離が近くなったはある。
けど一方で、距離の近い人とそうじゃない人が結構分かれちゃったというか。オンライン参加するような人はどんどん近くなるけど、コモンビートにずっとじゃないけど関わってくれてる人たちの層がいろいろあるわけで。でもその層の端っこの方はどんどんどんどん離れていったような感覚だったから、そこを繋ぎとめるのってその一人一人の顔がわかる人だよなあと思ったときに「また頑張らなあかんのかあ」っていうのも心境としてあったかな笑

2年半思い返してみたら、今の再開公演みたいに一生懸命ずっと動いてたわけじゃないけど、でも何かしらのタイミングで関わるきっかけとして「エリアマネージャーの企画とかやって」ってはなちゃんが投げてくれてた。
だから端っこの層を拾える何かをしたい、と思ってこれた2年半やったかなって思う。

ーーやっぱり普段からエリアマネージャーだと練習現場でも頼られる場面とか多かったりするんですかね。

それが、私のキャラクター的にそんなはあまりない笑
Haruna(※)とかめっちゃ頼ってくれるし、別にそんな頼らんでも良いよ感も出してるっていうか。
だけど、何か聞かれたときとかに答えられるものは用意しとこうと思ってるし、自分が答えられへんかったらこの人に聞けばいいっていうようなのは常にあるんやけど、特別頼られるみたいなのはないよ笑

※Haruna:今回開催される関西公演の演出。普段はコモンビートで国際交流事業をしているハートフルな人。

ーー前回の関東公演では理事長のりょうさんもキャストをやられていたんですけど、役割の隔たりというか、役職があるからどうっていうわけじゃないのもコモンビートらしいなと思っていて。みんな友達っていうのが不思議というか。そういう関係性の構築もやっぱり普段の稽古場から出来上がってくるんですかね。

例えば、バイト先でも気が合う人と合わへん人っておるやん。この延長線やと思ってて。みんなが友達というよりかは、自分の性格と近い人とかと仲良くなりやすいっていうか、一緒に頑張ったメンバーは仲良くなりやすいし、最初はやっぱり距離はあるんやけど、何かきっかけでグループトークで共通点探しとか、今はミュージカルの練習時間が短いからそういうグループトークとか話す時間あんまりないけど、結構よく練習でやってて、そういうので共通点を見つけて仲良くなるってことが多かったかな。

ーー学校のクラスで「あ、私もそのアニメ見てる!」ってなって友達になるみたいなのに似てますね。

そうそう。りょうちゃんと映画の話したりするのもそういう感じ。このサントラ今聞いてるよーみたいな。逆に、「理事長」のりょうちゃんはあんま知らんというか笑

ーー「隔たりのなさ」に関してりょうさんが言ってたんですけど、練習中もキャストさんたちが自分で小道具とか衣装とかを管理されてたり、率先して大道具を運んでいたりするのを見て、「キャストさんが自分でやられていいんですか」「スタッフの仕事なんでやりますよ」とか言ったんですけど、「何か自分たちでそういうのを自主的にやっていくのがコモンビートでは大事だし、役割で変に区切らないのも大事にしてるんだよね」っていうのを言われて、それに近いんですかね今の話は。

確かに!りょうちゃん、それを言葉にできるのはさすがだな笑

ーーそれに加えて言ってたのは、そういう関係性が舞台が終わった後も続いていくっていうか、日常にまたそのまま戻って行くっていうのを目指してるんだよねっていうのを言ってて。

だってやりたい気持ちが参加資格ってコモンビートずっと言ってて。やるって決めて参加してるから、お客さんじゃないはずなんやんか。だから自分が自主的に居る場所っていうところで、誰かがこの場所を作ってるけどその誰かは「隣の人」なわけで、すごい誰かが前でひっぱてくれるわけじゃないから。だったら自分も何か一緒やから、初めて参加しようが、経験者で参加しようが、どういうところから来てようが、一緒にやると決めたことには変わらへんから、そこに対しての気遣いは大事だけど、「自分はやらんでいい」ってことにはならへんやろから、こないだも片付けを時間がないから全員でやろうって10分で終わったよ。
毎回これにしようっつって、うん大変やね運ぶのって言って。でも、やるのは大変だとか誰かがこれやってくれたんやなっていうのを気づけるから、大事なことやなと思って。

ーー確かに。前回の関東公演の準備をしに行ったときに、キャストさんまで手伝ってくれて、しかもめちゃくちゃ手際よくて。お互いに「手伝ってくれてありがとうございます」って言ってコミュニケーションが生まれるみたいな場面があってよかったなって思いましたね。

何かそうやって気遣いできる関係ならいいな。やってくれて当たり前じゃなくて、お互いがやってくれてありがとうって思えるから。やってくれたことへ対しての感謝はさ、絶対生まれるけどそれを伝え合う文化があるってのはいいことやなって思う。



⒉あかりんさんが感じる地域の違いとは?

ーーコモンビートでは全国区でミュージカルをやってきていますよね。その中で地域差って感じますか?

感じるね、やっぱり。昔、ウェルキャス(※)があった時代。ウェルキャスディレクっていう、各地域のウェルキャスを統括する役割があったんだけど。鹿児島のプログラムに参加していた人が自分にとって大事な人で、その人を応援しようと思って鹿児島のウェルキャスディレクターをやった時のことなんだけど。
体育館でご飯が炊かれて、みんなめっちゃ何人分のおかずとか持ってきとって、500円かな?そのくらい払ったらキャストもそのご飯やおかずが食べれるみたいな感じにしとって、お昼ご飯が食堂みたいになってたり。
やっぱり地方に行くと地方の面白さがあったから、そういうのがめっちゃ温かいなと思って。関東とか関西では絶対農家の人おらんからさ笑

※ウェルキャス:ウェルカムキャストの略。過去に作品に参加したことのあるキャストが会場ロビーでスタッフをしたりする。

ーーあかりんさんは、今年は関東公演に出て、関西公演にも出ていますね。関東と関西で何か違いがあったりしますか。

関東の人は実力者が多いかな。今回の関東は、本気でこの舞台のクオリティを求めていくって感じた。

ーー実力者が集まる?それってどんな理由があるんですかね。

多分、そういう人が比較的多いんちゃうかなと思ってて。コモンビートって、知り合いの知り合いって感じでどんどん人が繋がっていくやん。んなら、その舞台を経験した人からどんどんそういうコミュニティへ広がっていくのも多いんだろうし。実際、ダンスの先生やってましたとか、うまい人が集まってくる場所でもあるし、需要のある場所でもあるんだと思うから。
まあ一概には言えないけど、過去には普段からプロとしてやっていた方も参加していたかな。

ーー文化としてそういう人が集まりやすいのが、東京っていう感じなんですね。コモンビートのプログラムとして「経験がなくても参加できます」っていうのが市民ミュージカルとして売りっていうのを聞いていたので、なんかそれ聞くと意外だなっていうのはします。

そうだね。一般の人(舞台を専門にお仕事をされていない方)ももちろん多くいるんやけど、どっちかと言うと関東はそういう感じ。
で、やっぱ関西はノリと勢いというか、関西はさ、昔っからノリと勢いでやってる感じ。それを見て感じたんやっぱ演出によって雰囲気も全然変わるから。

———どこに行っても雰囲気作りってめちゃくちゃ大事ですよね。ぽすさん(※)とHarunaさんで結構違ったりするんですかね。

全然違う。あんどぅ(※)が演出するときも多分違うだろうしね。

※ぽすさん:関東公演で演出をしていた。普段はコモンビートでインクルージョンチームの仕事をしている。声がめちゃくちゃ通る人。
※あんどぅ:ミュージカルのキャストリーダーをしている。関西公演では黄色大陸。普段は宮古島で民宿をしている。

ーーなるほど。それってもう地域差っていうか、個性ですね。

そうそう。私今まで3回このミュージカルに出てるけど、3回とも演出が違くて。その人によって大切にする言葉とか大事にする時間とかが違うから、雰囲気は全然変わるかな。
なんかちょうどこないだの関東公演に関西メンバーも5人ぐらい参加してて。その公演映像を関西のメンバーもオンラインで見てる人多かったんだけど。劇中曲『♪願いを乗せて』とかでも関西メンバーはずっと「リズムに乗って」ってずっと言われ続けてたから、めちゃくちゃそれが身に付いて染みついてというか、「この曲が流れたらリズムに乗れ」って言われ続けてきたんだけど、それがめっちゃ動きに露骨に出てたっていう笑「関西メンバーはめちゃくちゃ(リズムに乗って)揺れてるけど、これはうちらが言い続けてきたからだね」みたいな笑

ーー関西公演は、大阪出身のキャストの方が多かったりするんですかね。

今回は半分全国区というか。静岡、愛知とか、中部からのメンバーも多い。昔は52期の名古屋と合同合宿とかしたりしてたのもあったから。そういう地域の繋がりを超えて参加してくれてて、今回スタッフになってるまるも、元々浜松でスタッフやったりしてて。そういう感じで人がたくさんこの関西公演に来てくれてる。他には、もっと西の九州の方から来てくれたりとか。とにかく北海道から宮古島までいて、関西公演といえど100パー関西人じゃないっていう感じ。でも雰囲気は関西でお届けします笑

ーー地域がバラバラでも関西色みたいなのが出るんですね。

スタッフの雰囲気の色が出てるんだなって思う。なんか主張強いメンバーが関西のコアをやってたメンバーだから、そうせざるを得ない笑
あと関西はおせっかいな人多いから、過去に出演していた人とかを巻き込むんやけど、そのメンバーの影響もあるかな。

 なるほど。ここまでのインタビューだけでもうコモンビートのミュージカルの特性がなんとなくわかって来ました。キャスト、エリアマネージャーとしてのあかりんさんは、その経験を普段の社会人としての姿でどう活かしているのでしょうか。

【次回】パート2
「ミュージカル関係なく大事なアクションがある」
に続きます!!
(投稿日はnoteのチェックをお願いします)



☆関西公演情報☆


【ミュージカル「A COMMON BEAT」再開記念シリーズ 関西公演】

▼日程
2022年10月2日(日)
初公演:開場 12:30 開演13:00
千秋楽:開場 17:00 開演17:30 ★オンライン配信あり

▼会場
吹田メイシアター 大ホール

▼詳細

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