映画「カラー・パープル」


原題:The Color Purple
directed by Blitz Bazawule
starring :Taraji P. Henson, Danielle Brooks, Colman Domingo, Corey Wawkins, H.E.R. Halle Bailey, Phylicia Pearl Mpasi, Fantasia Barrino

黒人差別が厳しい時代。
洋服を作るのが得意だった優しい母を亡くし、横暴な父の言いなりで、嫁がされては子供を産んでは、自分では育てることを許されず、養子に出され、また別の男と結婚させられ、自由のない生活を送っていたセリー(ファンテイジア・バリーノ)は、最愛の妹・ネティとも離れ離れになってしまう。そんな中、セリーは自立した強い女性ソフィア(ダニエル・ブルックス)と、歌手になる夢を叶えて自立したシュグ(タラジ・P・ヘンソン)と出会い、彼女たちの生き方に心を動かされ、少しずつ自分を卑下せず、未来を変えていこうとする、ついにセリーは家を出る決心をし、運命が大きく動き出す。

確か、以前、テレビだったかで、ウーピー・ゴールドバーグが主演したスピルバーグ監督による映画を見たことがあった・・・
今回の映画化はミュージカルの舞台となった同作を再び映画化したというもので、踊りや歌がふんだんに盛り込まれて、すごく辛い話でもあるけれど、ミュージカル独特の明るさとダンスのパワフルさが、とても華やかな作品として目に映る。
でも内容は、すごく虐げられて虐げられてた黒人女性の姿・・・実は今もアメリカ社会の中から全く消えたわけではない差別の根強さを改めて見せつけられる。すごく自立した生き方をしていたはずのソフィアが、白人女性に見下され、警察に捕まり自由を奪われ、自尊心を踏み潰される姿、すごく強烈だった。
また、幸せな結婚をしてアフリカ、つまり黒人の人たちにとっては「ルーツ」の国で暮らしていたのに、社会情勢の悪化に伴い、アメリカに戻ってくるとなったときの困難さ・・・なんか当たり前に自分のルーツの国で暮らせないのだという情勢の残酷さが胸に痛かった。
舞台でも主人公を演じた女優さんがセリーを演じていて、まさにぴったり!だった・・・男たちも最後はまぁ、笑いをとっていくんだけど・・・それはミュージカル化された中で丸く収められたのかなぁ。

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