零細独立会計士の歩き方 1.1
前衛職と後衛職
私は、会計士の仕事には「前衛職」と「後衛職」があると、勝手に分類しています。
前衛職は顧客サービスを提供するポジション、後衛職は事業会社の管理部門で仕事をしていくポジションという想定で使っています。
自社の売上獲得に貢献するのが前衛職なので、監査法人での監査業務の提供やコンサル会社でコンサルティング業務を提供するのもこれに該当する分類です。
最初はデリバリの一部を担うわけですが、最終的にパートナーを目指すのであれば「年間いくら(売上・利益)の案件を獲得できるのか」が求められると思われます。
なお、前衛職でありつつも案件獲得が出来ない場合、内外での「タンク職」の役回りを引き受ける可能性が高くなり、それはそれでしんどいのではと推察しております。
後衛職においても、前衛職と同様、もしくはそれ以上の高度な専門知識・チームマネジメント力・交渉力を必要とされる認識ですが、通常「売上・利益をもってこい」とは言われないと思われます(資金を調達してこい、という話はあるかもしれません)。
会計士として仕事をしていく中で、どこかのタイミングで、自分が「前衛職」なのか「後衛職」なのか、選んでいくことになるのだと考えます。
独立して零細事業を営む会計士はもちろん「前衛職」であり、かつ「顧客・案件を獲得する」ことから逃れることはできません。
まずはこの点において腹を括る必要があります。
しかし「どのように顧客・案件を獲得するのか?」については
・事前に座学で学ぶのが難しい
・大手での経験があったとしても、零細自営業のそれは方法論が異なる
ことなどから「独立してから考えはじめる」ことが多く、苦労するポイントでもあります。
テキストで学ぶことが難しい内容ではあるものの「ないよりはマシ」と思いますので、次回以降、説明を進めていきます。
次回は「直営店と代理店」をテーマに説明します。