1.いざカナダ・オンタリオ州ロンドンへ
2022年4月24日から2022年年末までカナダオンタリオ州のロンドンに留学している。本来ならば2022年4月から大学3年生であるはずだが現在休学している。記録を駄筆ながらここに記していきたいと思う。
4月24日 いよいよ今日カナダに飛び立つ。
11時50分の飛行機にも関わらず前日まで飛行機の時間を13時と勘違いしていたという抜けぶりだった。そして再三に渡る母の警告があったにも関わらず荷造りも深夜3時まで掛ってしまった。実質2時間半しか寝ていないのだが、日本を経つ、そして友人と家族が見送りに来るという事で冷め止まぬ興奮があり、元気そのものだったのだ。
芦屋から関空の道中、そして保安検査前までトークが止まらない。
「出国前に選ばれたのは『綾鷹』でした」「いやー国が違えば風土、そしてfoodも違う」なんてつまらぬジョークを飛ばす余裕がある様に見えたが、保安検査前まで行くと、これから異国の地で、1人親元を離れ友達にも会えない事を考えると嗚咽が漏れてしまった。
フライト行程は韓国の仁川国際空港へ向かい、5時間ほどの乗り継ぎ待機時間をえてカナダトロント空港に向かうものだった。
関空を出発してトロント空港までの間は先程から一転胸中には一切の不安が吹っ切れて、楽しかった。韓国へ向かう飛行機内では人生初の韓国上陸にワクワクしていた。
初めての韓国上陸、空港内で食する本場のスンドゥブ、そして何よりもチェジュ航空の綺麗なスチュアーデスさん。アイドルグループ顔負けの美貌。
「お飲み物ご入用ですか?」なんて少し韓国語訛りながらもそんな丁寧な日本語を使う事に感心。イエップスニオ(お綺麗ですね)
仁川国際空港は非常に入り組んでいて、乗り継ぎする人の為のシャワー室を備えた漫画喫茶らしからぬ施設まであるのだ。海外といってもすぐお隣の韓国、言葉は全く通じないけど儒教を重んじるお国。なんだか心のどこかに通じるものがあるんじゃないかと思ってしまう。しかし時間になりいざエアカナダの搭乗口前に行くとインド、中東系、ヨーロッパ、北米、多様な人種と飛び交う様々な言語に無意識に緊張が走る。飛行機に乗り込んでからの機内アナウンスは英語・フランス語、出発地言語の韓国語。我らの聞き慣れている日本語はどこからも聞こえてこないではあるまいか。横の東南アジア出身であろうお婆さんは乗り込むや否やすぐに就寝していた。私はせっかくのエアカナダ楽しんでやろうとキングスマンファーストエージェントとマトリックス1を視聴する。機内食のビーフもしっかり味が染み込んでいて美味しい。なによりもハイネケンビールがあるではあるまいか。
ビール片手に仁川国際空港で購入したヤンニョムチキンと共に映画を視聴し機内での時間を満喫していると、窓の外に薄暗い空に薄紅色の雲、茜なのだろうか、それとも暁だったのだろうか。広大な土地に連なる山脈。アメリカ大陸はやはり大きい。多少時間が経っても先程の窓からの景色と変化がないのだ。端と端が見えない。この山脈はどこまでも連なっているのではないかと思わされる。次第に空が明るくなる。綺麗に整備された何ヘクタールにも及ぶ北米の企業的農地が広がっている。機内にも灯りがつき始めた。英語とフランス語の機内放送が流れる。気がつけば外に街並み・都市が見える。壮大であった。画一的に並ぶ低層の住宅・広い道路、その奥がダウンタウンだろうか、密集している高層ビルが見える。現地時間4月24日17時頃に到着。日本を発ったのは4月24日11時50分。トータル17時間近くのフライトのはずだが、13時間の時差がある。ちょっと得をした気分だが、体は疲れている。時差の謎は深い。
1人入国手続きをしていく。完全にアウェーに来た。ここでは日本語が通じないというのか。全神経を耳に集中させよう。入国審査はシンプルなはずだった。目的・期間を答えれば問題なかったはずだが、突拍子をつかれたのが「あなたはバレエダンサー?」と聞かれたことだ。流石に理由が気になったので聞き返すもなんとなくで聞いたという事以外は聞き取れなかった。なんとなく?なんとなくでバレエダンサーかどうかは聞かないだろう。そんな雰囲気した?現地の人からしたら私細すぎたかしら。初めてのカナダ・1人で来るカナダに不安と緊張を覚えながらもトロントからロンドンへの2時間近くのバスに乗車。車外の景色を眺めながら「果たして本当にこれからカナダで8ヶ月生活するのだろうか」「果たして本当にここはカナダなのだろうか」と思うも長時間のフライトには逆らえず車に揺られながら眠りにつくのだった。