
リベンジポルノという社会問題に、言葉のデザインで自分ができること
リベンジポルノをAIでなくす、HIMEPA運営のNAKOといいます。
現在20代で、SNSでの発信やライティングなどの仕事をしています。
数年前、私は突然性被害に遭いました。
大学を卒業して、ほとんど社会人経験がないときのことでした。
希望していた企画開発のチームに配属され、プロジェクトマネジメントを学び始めたばかり。
私のその先の生活は性暴力によって変えられてしまいました。
性被害にあって、引きこもっていた時期
加害者は全く知らない人。
口止めの脅しとして動画を撮られ、「誰かに言ったら今の動画を会社のアドレスに流すから」と言って出ていきました。
動画の拡散はされずに済みましたが、「動画は事件から1週間後くらいに消した」という加害者の発言を信じるしかありません。
事件後の私は、そのまま出社することもできず、意欲を持ってやっていた仕事を辞めざるを得ませんでした。
スタートしたばかりの社会人生活、私のキャリアは性暴力によって断たれました。

それから数年間、事件によって負った心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療や療養をしていました。
少しずつ被害から回復をしてきたとき、ふと社会から大きく切り離されてしまったこと、自分でお金を稼げていないこと、学生時代からずっと何かを頑張ってきて、こんなに何もしない時期が人生でなかったこと、いろんなことを自覚させられたような感じでした。
地元にしばらく戻っていたあのとき、昔からの友人は、「とにかく今までいろいろやりすぎていたんだから、今くらいはちゃんと休みなよ」と言ってくれたりもしました。
それでも私はやっぱり黙っていられなくて、切り離されてしまった社会と繋がっていたくて、発信やデザインの勉強を少しずつ始めました。
性被害に遭う前、学生時代からWebメディアの編集やWebアプリ企画のインターンをしていた私は、その経験もあって企画開発のチームに配属してもらえました。
小学校のときも、クラスでの係はずっと新聞係で、高学年になってからは行事の企画運営が楽しくて、児童会や生徒会の活動に夢中になっているような人間でした。
事件がなければ、本当はそういう仕事がしたかったし、休んでいたあのとき少しでも社会と繋がっていたいと思って選んだのも、SNSでの発信や文章を書くことでした。
やっぱり記録を残したり、それを伝えていくことが好きなんだなと思います。
発信を始めて。気づいたのは
自分の被害のこと、自分が被害によってキャリアを断たれたことなど、最初は個人的なことだけを書いていました。
SNSには、私以外にも同じように被害に遭ったこと、その後の生活で困っていることを書いている人たちが沢山いました。
でもそのときほかの人の声を見ていて知ったのは、私が性被害に遭って、その後当たり前だと思って助けてもらったこと、相談したことは、全然当たり前じゃないのかというショックでした。
私が受けられた支援を、全くと言っていいほどSNSにいたほかの人たちは受けられていなかったのです。
相談先を知らないという理由はすぐに思いつきますが、
”相談していいことだと思えない”
“自分が悪かったと思ってしまう”
そして、"被害を被害だと思えない"という現実があることも知りました。
自分の被害について書くだけでなく、相談先のことや自分が利用した支援制度について発信してみようと思いました。
被害に遭った人たちは同じことで困っているのに、ほかの人がどうしているのか情報がなかったから。
そこで繋がれるんじゃないかと思いました。

例えば、みなさん「ワンストップセンター」って知っていますか?
内閣府が全都道府県に最低1つずつ設置している機関で、性暴力の被害に遭ったとき、電話で相談ができたり病院や弁護士を紹介してもらえたり、支援制度を教えてくれたりする機関です。
それでも、全国に設置されたのが6~7年前くらい。
ここ数年で認知度は上がっているけれど、まだまだ知られていません。
こうした機関はあるけれど、被害に遭って支援が必要な人には、その情報がなかなか届かない状況があることに気づきました。
以下は「性被害」で検索したときに出てくる、内閣府のページです。
内閣府:ワンストップ支援センター一覧
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html
リベンジポルノや晒しという犯罪が日々SNSで起きていて、女子中高生やさらに幼い子どもも被害に遭っている...
国もページで支援機関を紹介している...
でもその中で、被害に遭っている若い人たちは、被害に遭っても「性被害、性暴力に遭った」と検索しないし、被害に遭ったことを相談するのは、こうした相談機関ではなくて、youtuberやインフルエンサー、ネットで知り合った人なのだという現実。
正しい知識・情報を持っている人と、困っている人が使っている言葉・いる場所に乖離があるのだと分かりました。
だからこそ、ここに言葉のデザインが必要なのだと思います。
「性暴力」「性被害」という言葉では情報が届かない人に届けるために
情報を必要な人に届けるためには、その人が使う言葉を使わないとだめなんだなと、今まさに試行錯誤しています。
私、NAKOのアカウントで投稿した中で、今一番「保存」をしてもらえたのは、下の投稿です。

「リベンジポルノ」というワードも、普通に生活している中では検索しません。
だからこそ、「拡散された」と言い換えたり「晒された」という言葉を使ったりします。
使うハッシュタグも、単に #性被害 を使うだけでなく、#大学生と繋がりたい #高校生と繋がりたい #恋愛相談など、被害を被害と思えていない人に偶然見てもらえるようなことを狙って、いろいろ試しています。
びっくりしますが、最初 ”恋愛の悩み”としてされた相談が、よくよく聞いていると明らかな性被害やデートDV、犯罪だった...ということも普通にあるんです。
被害を被害と気づくのにも、入口の知識が必要になる
ここまで話してきたように、被害を被害と気づくのにも、知っていなければ難しいことがあります。
今回このnoteの記事を書いて発信したのも、「入口の知識」を少しでも多くの人に届けたいからです。
リベンジポルノや性被害の問題、NPOは一生懸命活動に当たっていますが、発信という部分にさけるリソースはほぼありません。
だから、この問題や分野に対して、デザインや企業ができることは、あまりに沢山残されていると思います。
このような社会問題は“儲からない”と一蹴されてしまうけれど、私は「AIでリベンジポルノをなくす」ことができると広めていきたいし、必要な人に力となる情報を届けていきたいです。
今後も試行錯誤しながら、大切な情報・言葉を伝えていきます。
もっと多くの人に情報をリーチさせたいので、よかったら私のアカウントで発信している情報を、周囲の大切な人たちにシェアいただけたらうれしいです。
NAKO SNSアカウント
・Twitter(@NAKO_porn110)
・instagram(@nako_no_dv)
・Tiktok(@nako_porn110)
このnoteも、Twitterなどでシェアいただけるだけでも大きな応援になります。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
性被害をなくすための第一歩である大切な情報のシェアも、どうぞよろしくお願いします。
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性的動画の拡散に終止符を。
NAKO
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