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「天使の羽を見た」

確か、顔を洗いに洗面所にやってきたところだった。


先に洗面所にはハンナがいた。鏡を見ていた。



ハンナ
   「私ってさー、毛深い?」



この質問。された方は地獄である。


瞬間、時は静止しボクの脳内で、いろんなボクが会議を始めた。


脳内ボクA「絶対に否定するべきだ、答えは”No”。

    そして急いで顔を洗いここから出ていくんだ。

    決して振り向いちゃいけないよ、洗面所を出るまではね。」


脳内ボクB「バカ!そんな事言ったら、逆に刺激する
    適当いうと、思ってもないことを言うなと、不機嫌になる。
    
    言うべきだ、黒豹のようだと。
    黒豹のように毛深いと



    みろ!背中が黒豹のようだ!」



脳内ボクC「お前らわかっていないよ・・・
    
    そんなこと言ったら間違いなく修羅場になるだろ
    ちゃんと本音で言わないと、ダメだ!」


ボク一同「そうだな。よし!」


時は動き出す。


ボク「
   
   あ、うん。毛深いよね。


   背中とかほら!少し毛が生えていてなんと言うのか・・・・・・



   天使の羽みたいだよね!」




ボクは洗面所を後にした。


振り返りそうになったけど、戻れない気がして、振り返らなかった。



鏡に映るハンナは、ニヤニヤしていた・・・・と思う。



怒っていたのか、喜んでいたのか。



ボクにはわからない。そして顔は洗っていない。



私、毛深い?

その答えは「うん!毛深くて、背中がもう天使の羽みたいだね!」


が正解。


多分。。。




そんな、備忘録。

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