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この水槽が上手くいかなかった訳

 30センチキューブ水槽をリセットしながら、次のレイアウトを考えつつ色々な知識を改めて確認していくうち、この水槽が上手くいかなかった理由が何となくわかってきました。

 この水槽は最初、溶岩石の壁面に水草が這うような水景を意識していたのですが、たまたまチャームさんの水草1コイン(500円)セールが行われていたので調度良いかと買い込んでしまったのがそもそもの原因でした。そして水が上手く出来上がっていなかったのに植栽始めてしまったので水草が環境に耐えかねて腐り始めてしまいました。

似たような原因がもう一つ、魚を導入する日を決めていたことです。なので最初の失敗を引きずったまま、何とかリカバリーして間に合わせてしまったのです。間に合わせてといっても無理があったわけで、費用も掛かってるものだからどうにかしようと戻ることをしなかったので、結局失敗してしまいました。急がば回れとはまさにこの事です。

 本来水槽は立ち上げ作業といって、ろ過装置だけ回して2週間ほど待つのがセオリーです。この間に水をろ過してくれるバクテリアを定着させるのです。

生き物の入った水槽では、それらの糞尿からアンモニアが発生します。アンモニアは生き物にとって有害です。そのアンモニアを分解するのがバクテリアです。バクテリアはアンモニアを亜硝酸塩(有害)に変えさらに硝酸塩に変えます。硝酸塩は水草などがあれば吸収されますが、なければコケの栄養になります。溜まる硝酸塩を水槽の外に出せなければ、水を替えて外に排出します。

 バクテリアは空気に触れる水面から取り込んでいくので自然発生みたいなものですが、ガラスなどのツルツルした面には定着しずらいので、ろ過装置内に溜まりやすくなるよう工夫したり、底砂を入れたりします。そして自然発生とは言いましたが量は簡単に増えません。なのでその定着を促すために水質悪化に強い生き物を入れます。パイロットフィッシュと言って一般的にはアカヒレやヤマトヌマエビが選ばれることが多いようです。何故パイロットフィッシュが必要なのかというと雑な言い方をするとバクテリアのエサになるアンモニアを与えるということですね。

ただ生き物を必要としない立ち上げもあって、一例としては栄養系ソイルを低床に使うことです。栄養系ソイルは最初から水草の栄養が土に詰まっていて、初期に大量にアンモニアを放出します。このアンモニアを使用してバクテリアの定着をうながすわけですが、このアンモニアの量が極端に多く一見綺麗な水に見えても生物が住めない猛毒の水と言っても間違いではない状態なので、バクテリアが消化できないうちは何度も多めに水換えしたりして、アンモニアの放出が終わるのを待つしかありません。普通は3ヶ月くらいかかるので待つことができない人には難しい方法です。

 そしてこの水槽ですが、水が完成する前にベタを導入してしまったのが所謂パイロットフィッシュを導入したような結果となり、バクテリアが足りずにコケが大発生。これは立ち上げ初期に普通に起こることで、普通は多めの水換えなので余分な栄養や有害物質ごと排出するのですが、知識が足りず水換えはあまりしませんでした。油膜が張るという水質悪化のサインはちゃんと出ていたのに、水換えなどの急激な環境変化は魚に負担になると思い逆に避けていたのでした···

 今度は忘れていたセオリーももう一度思い出してじっくりと立ち上げる水槽に向き合おうと思います。そして最初の諦めていた水景を目指してみようと思います。

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