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事業開発におけるよくある質問②【書籍紹介】意思決定のための「分析の技術」

正しく意思決定をするにはどうしたらいいですか?

事業開発やその支援をやっているとよく聞かれます。
こんにちは、LIFULL STARTUP STUDIOです。
我々の仕事は、新規事業を市場に投入し、事業を推進することです。

事業開発では、限られたリソースを勘案して、「やること」や「やらないこと」を決めるフェーズがあります。
思い入れがある機能であっても、開発をあきらめることもあります。
このような意思決定を行う時に、何が正しいのか迷うこともあります。本稿では、正しい意思決定上に重要なことをお伝えし、「間違った意思決定をする」ことに対する怖さを低減できればと思います。

正しい意思決定は無い

身もふたもない見出しですが、実はこういうことです。
LIFULL STARTUP STUDIOの考え方として、
「正しい意思決定は無いとは言わないまでも、後からわかるもので、今から心配しても仕方がない。しかし、スピード感を重視し、必ず内省を行うこと。」というものがあります。
まずは意思決定の技術について書籍を紹介し、この考え方に触れていきます。

書籍紹介:『意思決定のための「分析の技術」―最大の経営成果をあげる問題発見・解決の思考』

事業開発上の意思決定をカンで行って、うまくいくことは少ないです。
カンだとステークホルダーを説得しきるのが難しく、そもそも行動に移せなかったりで時間がかかってしまいます。
また、ステークホルダーが少ない状況だとしても、数えきれないほどの分かれ道をすべてカンで乗り切って、目標地点まで進められることは感覚的に難しいことも想像がつくのではないでしょうか。

もちろん、天才的なひらめきやセンスがある方もいるので、例外はあるかと思います。

この書籍では、意思決定をできる限りカンで行わないために、意思決定の根拠を数字で定量的に示す技術が紹介されています。


<概略>
分析には定石の切り口があり、それを知っておくことで、「分析」の質は飛躍的に向上する
〇定石の切り口として、以下が紹介されています。
 ・「大きさ」を考える
 ・「分けて」考える
 ・「比較して」考える
 ・「変化/時系列」を考える
 ・「バラツキ」を考える
 ・「過程/プロセス」を考える
 ・「ツリー」で考える
 ・「不確定/あやふやなもの」を考える
 ・「人の行動/ソフトの要素」を考える
陥りがちな間違いや注意点についても指摘されて、知っておくと事業を効率的に進められる示唆も多く得られる書籍です。
抜粋ですが、
・答えるべき問い(分析の目的)がそもそも違う、
・問いに対するメッセージが研ぎ澄まされていない
・分析からのメッセージが「経営上の判断を助け、効果的な打ち手」につながっていない
などです。
一生懸命に数字を集計したのに、ステークホルダーの納得感を得られなかった方にはヒントがあるかもしれません。

事業開発の現場で、特に多い分析は、「大きさ」×「変化/時系列」と思います。
「現在の市場は、100億円で経年で3%成長しており、一方こちらの市場は70億円で経年で10%成長しており、後者の方が魅力的である」という意思決定をよく見かけますよね。
とはいえ、このようにすっきりとして話になるのはごく稀です。

「現在の市場規模は、100億円で成長率は悲観的に見て1.2%で、楽観的に見て5%、
 一方こちらの市場は新たな市場ゆえ、規模は70~150億円と推定され、成長率は3%程度と推定されます」のように、どちらにするにも確固たる根拠がないケースの方が圧倒的に多いものです。
こんな時に、「間違った意思決定をすること」の怖さが登場します

意思決定以上に大事なこと

ここまで、意思決定に必要な分析の技術や実践の一部を紹介しました。
見出しにあるように、実は意思決定以上に大切なことがあるのです。

それは、スピードと柔軟性です。
「正しい意思決定は無いとは言わないまでも、後からわかるもので、今から心配しても仕方がない。しかし、スピード感を重視し、必ず内省を行うこと。」につながってきます。

現実問題として、いかに定量的に分析をしても、不確定なことが内在されていて、誰が見ても正しいと判断できる状況は稀です。

新規事業を開発していく場面では、存在していないかもしれない市場を考えることが多く不確定なことがより多いと感じます。
逆に、不確定なことがあまりに少ない場合は、新規性が無く、先行者がすでに市場を切り開き終えている環境かもしれません。

では、そのような時に大事なことは、何でしょうか?
まずは行動を起こし、ビジネスに飛び込んでみるということです(①スピード)。

そして、その行動がどのような変化を生むか複数パターン想像しておいて、その時に戻るか進むかを決めておきます。
変化を速めにキャッチして、まずい時は戻ればよいし、問題なければ進めばよいのです(②柔軟性)。

このように、「まずはやってみて、何が起きたら、こうする」という先を見通す段取り力が事業開発をスムーズにする重要なポイントと思います。

このような話を事業責任者にお伝えして、すっと腹落ちした方は事業スピードが上がり、成果を出す量が増えていくように思います。

こういった行動の分かれ目はどこにあるのでしょうか。事業責任者にインタビューをして、気づいたのは「人間」という生き物の特性なのかもしれないと思い始めております。
「人間」という生き物は、一貫性を持つことにとらわれがちであり、それが意思決定を難しくする要因なのかなと思います。

まずは、やってみて、変化を早めにキャッチして、次の行動につなげる。
後から、振り返りどこに変化の要因があったのかを振り返ると、血肉となり徐々に事業開発の勘所が身についていくと思います。

LIFULL STARTUP STUDIOとは

LIFULL STARTUP STUDIOでは今だけでなく数百年先を見据え、社会課題を解決しながら、世の中を変えていくビジネス、そして経営者をつくりだすスタートアップスタジオです。
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