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Renofa Yamaguchi FC 2019 Season Story vol.1「整う戦力・掴んだ手ごたえ」

みなさんこんにちは。なんかしっくり来るタイトルが思い浮かばないので、とりあえず英語にしてカッコつけとけの精神です。めっちゃ安易。

2019年のJ2リーグが終了して、はや二週間。皆様いかがお過ごしでしょうか?  

きっとクラブ公式Twitterの顔写真付きのツイートを見ては、一喜一憂して神経をすり減らしているところではないでしょうか。選手たちは子どもたちとサッカーをしたり、給食を食べたり、駅伝を走ったり、ハッピーバースデイを迎えたり、オフもめっちゃ忙しそう。

皆さん安心してください、先日J1がようやく全日程を終了しました。そして来週にはプレーオフも終了します。本当に恐ろしいのはこれからです。これからなのです。(震え声)―――


さて、今シーズンのオフはチームやサポーターにとってなかなか厳しいものとなるかもしれない。いや、私もあまり憶測でネガティブなことを言いたくないのだが、シーズンを振り返って冷静に考察してみると、そうなることが十分に考えられる。できることなら、極力そうはなってほしくはないが。というのも、今シーズンは当初掲げた「J1昇格」という目標並びにそれに対する期待値の高さと実際の結果とのギャップが予想よりも結構大きいものとなってしまったからだ。

それほどまでに期待されていたものの、結果が思わしくなかったシーズン。その流れをこれから4回の記事に分けて、各試合に少しずつのコメントをつけ、重要な試合などは少し力を入れながら、レノファ山口の今シーズンを振り返ってみることにする。

おそらく全4回が完結する頃には、選手たちの動向が結構決まっていると思われるので、その時には「何だかんだ平和なオフだったな~」といえることを願いたい。私もなるべく早く書き終えるように精進しますので、みなさんどうか最後までお付き合いをお願いします。では、今回はプレシーズン~開幕戦編です。どうぞ!

プレシーズン ~整う戦力・掴んだ手ごたえ~

――2018シーズンは8位というJ2参入以降最高順位でシーズンを終えた我らがレノファ山口FC。次年はプレーオフが十分に狙えそうなこの順位もさることながら、就任一年目の霜田正浩監督の下で選手たちが披露したアグレッシブなスタイルは、サッカーファンの間でもちょっとしたムーヴメントを起こした。さらに、2018シーズン途中にJ1のガンバ大阪に移籍した小野瀬康介や、浦和から期限付き移籍で加入していたオナイウ阿道などの才能が、この霜田レノファにて一気に開花。選手の育成という点においても霜田監督は評価されることとなった。

それもあってか、2018シーズンオフはオナイウ阿道がJ1の大分へ移籍したものの、霜田サッカーの中核を担うキャプテンの三幸秀稔や、前貴之、池上丈二などの主力選手の流出を防ぐことに成功。そればかりか、J2の他チームで主力として活躍していた佐々木匠や田中パウロ淳一、吉濱遼平などの獲得に成功。そして広島からは、あの工藤壮人を期限付き移籍で獲得。坪井さんという超ビッグネームが来てから感覚が麻痺しちゃってますが、相当の大物です。そうか、うちは普通にこんな選手に来てもらえるようなようなクラブになったのか...(感涙)そしてさらに、現役ウズべキスタン代表のDFドストンを獲得するなど、J2の他クラブと比べてもかなり充実した戦力を揃えることに成功し、かなり充実したシーズンオフとなった。さらにチームとしても「J1昇格」を目標として掲げ、周囲からもそれを期待する声があがる。各所からの期待が膨らむ中で、2019年のレノファ山口は歩み始めた。

PSM vsサンフレッチェ広島 ~新戦力の躍動~ 

そして迎えたプレシーズンマッチ。みらスタでの新チームお披露目となったサンフレッチェ広島戦には下記のようなスタメンで挑んだ。

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新戦力を多く起用し、メンバーの平均年齢も低い。おそらく「試す」という要素が強いメンバーだろう。そんな中、いきなり飛び出した菊池流帆の雄叫びでスタジアムが沸く。攻撃ではベガルタから期限付き移籍の佐々木匠が躍動。スルーパスやドリブルで観客を魅了した。また、前年と大きく変わったところと言えば守備の仕方である。2018シーズンは開幕戦で披露したハイプレスの印象が強く、とにかく積極的に前へ前へという印象。しかし、この試合で披露したのは、それとはちょっと違って「無理に前からボールを取りに行かずに網を張っておいて、そこ引っ掛けてしまう」というような感じのものだ。私の言葉ではこれが説明の限界であるため、こちらのジェイさんの記事をご参考にしてください。すごく分かり易いです。(ここで私の語彙力は限界を迎える)


試合は結局0-1で敗れたものの、J1の強豪を相手に、攻撃では前述した佐々木匠を筆頭にチャンスを作り、守備ではちょっとしたラインコントロールのミスで失点を喫したものの、試合を通して大崩れする事ないという収穫があり、前年とは違うということを示したゲームとなった。

PSM vsC大阪

そして1週間後に行われたセレッソ大阪戦では結果が付いてくることになる。

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上記のスタメンで挑んだ試合、ベテランの佐藤健太郎や工藤壮人、さらに主力の前貴之などを先発起用し、広島戦と比べると、ある程度シーズンを意識したメンバーが並んだ。前半はこの日ワントップに入った、J1での実績十分の工藤壮人が華麗なターンからシュートを放つなど、広島戦同様に前年との違いをみせる。安定した守備も見せ、無失点でハーフタイムを迎えると、ここでキャプテンの三幸に変えてルーキー小野原を投入。キャプテン不在時のテストということだろう。

2018年は三幸を出場停止で欠いた際には、普段との違いが結構顕著に現れてしまい、その際には三幸に対してかなりのありがたみを感じたのを覚えている。そんな事態が起きないようにという、万が一に備えたテストだろうか。しかし、この日の後半は三幸不在の影響をそこまで感じさせることなく、攻撃でチャンスを作る。特に田中パウロや高井といったサイドの選手はスタンドを沸かせるプレーを多く見せた。そしてその高井のクロスから吉濱のゴールで山口が先制。その後守備陣もシステム変更等で守り切り、山口が多くの手ごたえと共に勝利という最高の結果を手にした。

上記で記したようにレノファの2019プレシーズンは、「戦力の確保・前年度からの進化・J1チームに勝利」という3要素が揃い、かなり充実したものとなった。これにはサポーターも心を躍らせ、新監督の下で未知数の状態で臨んだ2018年に比べると、かなり期待と自信みたいなものを持ってシーズンへ臨んだ方も多いはずだ。チームとしてもJ1昇格という目標を掲げてのスタート。2019年のレノファ山口は期待が高まるなかでシーズンへと突入していくことになる。開幕戦の相手はJ1から戦力をほとんど落とすことなく降格してきた柏レイソル。実力を試すにはこれ以上ない相手だった。

シーズン開幕戦 vs柏レイソル

強豪柏レイソルとの開幕戦。スタメンは以下の通り。

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霜田監督のチョイスは就任当初の2018シーズン開幕戦と同じく4-3-3のシステム。おそらく監督の一つの理想なのだろう。注目は前年途中に小野瀬が抜けた後の課題であったウイングの質だ。また、アンカーに三幸を配置してインサイドハーフに佐々木・吉濱を起用。かなり攻撃的な中盤だ。私はこの中盤の構成にも霜田監督の理想が垣間見えたように感じた。確かにこの中盤がシーズンを通して監督の思惑通りに機能すればJ2屈指の攻撃力を持った、ロマンたっぷりのチームになっていたかもしれない。

そして試合が始まると、前半8分にその攻撃的な中盤の一角、吉濱遼平がいきなりゴールネットを揺らす。

幸先の良すぎるスタートに「これは今年行けるかもしれない」そう思った方も多いのではないだろうか。私もその1人だ。しかし、さすがの強豪レイソルも反撃に出る。元レノファ小池龍太の突破に対してエリア内で瀬川がファールを犯してPKを献上。これをクリスティアーノがとんでもないキック力でゴールへ突き刺してすかさず同点。あのスピードはもう凶器です。怪我しちゃう。

その後試合は、両チームともにチャンスを作る互角の展開。山口は田中パウロ・高井の両ウイングを中心に柏ゴールへ迫るも得点できず、迎えた79分、サイドから柏のクリスティアーノが入れたシュート性のクロスがそのままゴールへ。完全に崩されたわけではないが、柏に逆転を許してしまい、このまま試合終了。開幕戦は柏レイソルにそこまで圧倒されたわけでもなければ、絶望的に力の差を見せつけられたわけでもない。しかし、その中でも勝ち切るレイソルはさすがの一言だ。ただ、レノファとしてはこの優勝候補相手に互角に戦えていたし、チャンスも多く作っていた。失点もどちらかと言うとアンラッキーな形に見えたため、そこまで悲観する人は少なかったことだろう。むしろレイソル相手にここまでできたため、この後のシーズンへ前向きな気持ちを持った方が多かったのではないだろうか。


開幕戦には敗れたものの、昨シーズンとの違いを見せ、悪くはないスタートを切ったレノファ。しかし、ここから徐々に噛み合わない部分が出てくることとなる。――

次回は第2節~第12節「噛み合わない歯車」を投稿予定です。今回は3試合をゆっくり振り返りましたが、これからは少しペースを上げていきます。みなさんもシーズンを懐かしみながら見ていただけると幸いです。それでは!



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