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宇宙兄弟から学ぶ!次世代リーダー論。「完璧なリーダー」はもういらない。を読んでみた

本書では、『宇宙兄弟』のエピソードと重ね合わせながら、これからの時代、六太のような「リーダーっぽくない人」でも、リーダーとして活躍できると著者は語っています。

「いやいや!どう見ても六太は、リーダーじゃないでしょ!」と、『宇宙兄弟』のファンの中にはそう感じる人も多いかもしれません。

確かに六太は「何をやっても、デキのいい弟に先を越されてしまう兄」というコンプレックスに苦しみ、なかなか自信をもてません。でも、彼がいるとなぜか結果的に物事がうまくいく。そんな六太のような人物はみなさんのまわりにもいませんか?

実際に私も優秀で完璧なリーダーではありません。しかし、これから目標達成できる強いチームを作っていくため、この本を選びレポートにまとめさせていただきました。

書籍の紹介 

 宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。

長尾 彰 著

索引型の優秀なリーダーは、もういらない

「リーダーは先頭を走り、みんなを引っ張れる優秀な人間でなければならない」
リーダーという概念に、漠然とそういったイメージを抱いている人は多いのではないでしょうか?私もそう思っていた1人です。

しかし、自信満々で有無を言わさずに「こっちへ行くぞ」とみんなを索引するようなカリスマ的リーダーは減少し、個々が自分の行き先を考え、自己責任を負うようになっています。

優秀なリーダーが悪い訳ではありません。ただ、優秀でなくてもいいのです。

宇宙兄弟の六太も幼い頃に兄弟で誓い合った宇宙飛行士への夢を誓い合い、
弟・日々人はブレることなくその夢を叶え、日本人初の月面着陸者に抜擢されました。一方六太は勤めていた会社をクビになり、実家暮らし。
兄とは弟を引っ張っていく存在でなければ」そう六太は思っていたと思います。

でも六太が「弟よりも優秀ではない」という理由で、兄だという事実はなくなるわけではないのです。

リーダーとは「選ばれた優秀な人間」ではなく、リーダーシップを発揮している人のことなのです。

心を揺さぶる存在「シェイカー」を目指そう

「魂を揺さぶられる」「一緒にいると頑張ろうと思える」そんな人たちを
シェイカー」と呼びます。

リーダーシップは「自分の得意分野や強みを活かして、人に影響を与える」ことです。ただし、その方法は自分の都合の良いようにコントロールすることではなく、シェイクすることです。

六太のシェイカーは天文学者のシャロンです。六太が「どちらが正しいか?」で悩んでいたとき、シャロンは「頭で考えなきゃいいのよ、答えはもっと下」といったあと、胸に手をあてて「どっちが楽しいかで決めなさい」と助言をしました。

この経験はのちに宇宙飛行士選抜の重要な局面で六太に大切なヒントをくれました。

シャロンのように正しい正しくないではなく、相手の心を震わせることができることがリーダーシップなのです。

人々に共感されるリーダーシップの秘密

共感を呼ぶリーダーシップを発揮している人には、必ず「なぜ」があります。

優れたリーダーには共通する思考や行動があり、その方式を「ゴールデンサークル」として提唱しています。 「ゴールデンサークル」とは物事を下記の順番で考え、伝えて共感を得ます。

①Why(なぜ、なんのために)
②How(どうやって)
③What(何を)

多くの場合はこの順番が逆になっており、③の「What」から入って、②の「How」で完結します。①の「Why」は重要視されていないことがほとんどです。

でも「What」や「How」は理解できても共感はできません。人は””にではなく、”なぜ”に動かされるのです。

例えば、資料1つでも「なぜ資料を作成する必要があるのか」ということを先に伝える必要があります。

「この資料、クライアントごとにまとめておいて」であれば「What」と「How」だけのメッセージになり、共感は得ることができません。
共感されるリーダーシップを発揮するためには、「Why」をしっかりと認識しておく必要があります。

しんどくないリーダーシップ、あります

リーダーシップには大きく分けて「賢者風」と「愚者風」に分けられます。

賢者風タイプとは、いわゆる優等生タイプ。

頭脳明晰で決断力に長け、先頭に立ってみんなを引っ張りながらチームをまとめていきます。語る言葉が他人に対しても自分に対しても「Should(~しなければならない)」で構成されていることが多いです。

一方愚者風タイプは、一見すると優秀な人物には見えません
先頭に立って引っ張るというよりかは、「どうすればいいと思う?」と、
チームや相手の意見を聞きたがります。指示や命令ではなく、「私はこうしたい、こうしてほしい」といったニュアンスで伝えることが多いです。

賢者風リーダーシップを発揮する時には「しんどい」がつきまとうと著者は語っています。「間違えてはいけない」というプレッシャーや、先頭ポジションは1つしかない為、主導権争いや、マウンティングが起こることもあります。目標達成以外のところで神経がすり減り、徐々に自分らしさをなくしていく人もいます。

しかし、愚者風リーダーシップでは「しんどい」がありません。そもそも「愚者風」が意味するのは、「賢者であろうとする必要がない」というところなのです。

リーダーの仕事は、メンバーの仕事を仕切ったり、命令したりすることではありません。「リード」することなのです。

一般的に見れば、宇宙飛行士はエリート中のエリート。優秀であることが標準装備とされているからこそ、六太の愚者風リーダーシップは意外な効果を発揮し、仲間たちの心を動かします。

意見の対立には、反論よりも効果的な方法がある

時には自分のメンバーから反論があることもあると思います。自分は正しくて相手が間違い。この考えこそが間違っていると著者は言います。

立っている立場が違えばものの見方が違うのは当然なので、反対意見や反論がなくなることがまずないのです。

そしてその反論は相手にとっては正論なのです。つまり、全員正しい

否定や論破で解決するのではなく、まずは「なぜ相手がその視点を持ったのか?」を理解することから始めてみることが大切です。

賢者風は「自分が正しくて相手が間違い」と判断し、愚者風は「全員が正しい」と考えるのです。

トラブル時のリーダーシップ

どのようなミッションでも、チームが目標を果たそうとすれば、意見の違いやトラブルは発生します。大切なのはこれらの事態を避けることではなく、どう向き合うかです。

宇宙兄弟の閉鎖環境試験のエピソードでも、課題に絶対不可欠な時計をメンバーの誰かが壊すというトラブルが発生します。

六太以外は犯人を割り出すことを強く主張します。しかし六太だけはその犯人を知っていながら信じるという選択をしています。そして本人には直接「なぜあのようなことをしたのか?」と「Why」だけ質問しているのです。

六太は犯人を見つけることでトラブルを「解決」するのではなく、その原因を探り、根本から「解消」しようとしていたのです。

例えるのであれば、「ケガや病気をどう直すか」は解決アプローチ
「なぜケガや病気が発生するのか」を考えるのが解消アプローチです。

問題の根本から洗い出し、それをチームが共有するだけでも、問題の「解消」に繋がり、その上で「How」を話し合えば、メンバーのみんなが納得できる、ベストなアイディアが生まれるのです。

リーダーシップは組織の形によって変化する

賢者風リーダーシップと、愚者風リーダーシップには、それぞれが発揮しやすい組織の形というものがあります。

その組織の形とは次の2つです。
賢者風リーダーシップには、「ヒエラルキー型
愚者風リーダーシップには、「ネットワーク型

ヒエラルキー型とは、階層構造になっており、ピラミッドのように下にいけばいくほどメンバーの数が多くなり、上にいけばいくほどメンバーの数は少なくなります。トップによって物事が決められ、トップダウンにより下が動いていくイメージです。

メリットとしては、「みんなが同じことを同じようにできる」「1を100に増やす」ことが得意です。したがって、索引力のある賢者風リーダーシップとの相性は抜群です。

ネットワーク型は、複数の自立したチームが同じ階層上で網の目のように繋がっているかたちです。物事が上から下に流れるのではなく、それぞれのチーム内で決めた指針に沿って進んでいきます。

メリットとしては、「みんなが違うことを違うレベルでできる」「0から1を生みだす」ということが得意です。メンバーの個性や、得意分野での活躍を促す愚者風リーダーシップを活かすことができるのです。

六太は1億ドルの経費削減の立案というミッションを与えられ、愚者風リーダーシップを発揮しあらゆる人物の人脈を活用してこのミッションを成功させます。

ヒエラルキー型では、短期的な成功をもたらすことができる
ネットワーク型では、長期的な成長をもたらすことができる

個人の強みを活かすネットワーク型の組織では、愚者風リーダーシップを発揮できる最高の場なのです!

リーダーは「嫌われる勇気」も必要ありません

著者は、どんなに嫌われないようにと配慮しても限界があると語っています。立場が違えば厳しい言葉を投げてくる人は必ずいるし、こちらの配慮など関係なしに一方的に嫌われることだったる。

嫌われたくない」「みんなから頼られる人間でいたい」こうした欲求が動機として働いているリーダーシップは、相手の感情に振り回されて、ブレてしまう危険もあります。そもそも嫌われないために仕事をしているわけではありません。

NASAの宇宙飛行士の中には六太と弟を比較して、軽くあしらい、その能力を認めなかった者もいます。でも六太は相手に怒ることも、不満をぶつけることもせず、「無敵」思考で接していきます。

六太がこんなにもフラットでいられるのは「事実」と「解釈」をきちんと分けて認識しているからなのです。

例えば、「書類にミスが多く、上司に提出できていない」は事実。(実際に起きていること)
しっかりしてくれ」は解釈です。(事実かどうかは別として、そう思ったこと)

事実に目を向け、解釈に関しては必要以上にナーバスにならない。

周囲からの評価や態度で委縮してしまう人は、これを実践するだけでも、チームの中で伸び伸びとリーダーシップを発揮できるようになるそうです。

まとめ

金曜のNNGの朝会でありゆかは自分らしくいるべきだというフィードバックをいただき、自分らしいリーダーになるために完璧なリーダーであるべきではないという本を選びました。

この本を読んで、完璧なリーダーである必要はないと気持ちが楽になりました。私は入社1年目でマネージャーに昇進し、マネージャーとしてしっかりしなくてはならない、みんなと引っ張っていかなければならないと思いこみ、賢者風リーダーを目指してしまっていました。

しかし、長橋社長からフィードバックをいただいたように、私は賢者風リーダーを目指す上で自分のいいところを押し殺してしまっていました。
私が評価されていたのは賢者風リーダーの素質があったからではなく、愚者風リーダーの素質があったからだと今更ながらに気が付きました。

そもそもマネージャーの役割は売上を達成することであり、優秀であることは役割ではありません。私は今まで、心のどこかでメンバーを自分の良いようにコントロールしようとしていた気がします。だからこそ、私はシェイカーを目指し、「ありゆかの為に頑張ろう」と思って貰える存在になりたいです。

そしてそう感じでもらうためには自分の思っていること、どうしたいかを自分から発信して共感してもらうことが大切だと感じました。

本書の中で、共感を得てもらうためには「Why」から入るとありましたが、
私は常に「What」から入った指示や質問をしてしまってメンバーにも上司にも共感を得てもらうことができていませんでした。
これから業務をお願いするときは、なぜこの依頼をしているのかのなぜを伝えることを意識していきます。

また、メンバーから反論があった際に表面上では受け入れているふりをして、内面では自分が正しいのになんで?と感じたことがあります。
この本を読んでその考え自体が間違っていたと反省をしました。

メンバーが見ている視点が自分と同じなわけがなく、もちろん自分が見ている視点がメンバーと一緒なわけではありません。実際に仕事への価値観もなにもかも違うのが当たり前でした。

メンバーからの意見や反論を「うるさいな」ととらえてしまうのか、それを学びにするのとでは大きな差があると思います。これからは自分以外の人の反論や、意見はすべて正解だと思い、自分が見れない気づきを与えてくれていると感謝して自分の力にしていきます。

また本書の中のネットワーク型はこれからのティール組織と近いと感じています。ネットワーク型と愚者風リーダーシップは相性が良いとある為、私は愚者風リーダーとしてあえてリーダーらしくない自分らしいリーダーを貫こうと改めて思いました。

会社がものすごく早いスピードで進化している中で、私のそのスピードに追いつき、そして追い越し、私が愚者風リーダーとしてリーダーシップを発揮していきたいです。

今後意識すること

・週報の返信を毎週行う

今の自分のスタンスは変えないで、Whyを伝えて共感してもらう努力をします。その為に、今までは毎週送っていなかった週報の返信をするようにします。なるべく正直に今の気持ちを伝えるようにします。

・依頼をする際に必ずWhyを伝える

今まではWhat、Howが中心の依頼の仕方でしたが、これからはWhy(なぜ)を一緒に伝えるようにします。メンバーだけでなく上司にも意識して、習慣にしていきます。


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