
Z世代のSNS活用は、リアルの拡張なのかもしれない。
スパイスボックスでは、先月SNS上のブランド顧客と出会い、アンケートやインタビューで深掘りできる新サービス「Loview」(β版)を発表しました。
今日のテーマは、SNS上のブランドファンを捉える(さらに巻き込む)上で、意識したいZ世代について。
※この記事は広報メンバーまつばらの記事の転載です。
多様な価値観の乱立
スマホやSNSを使いこなすのはもはやZ世代(※1)だけに限ったことではないけれど、現在29歳で割とZ世代とは近い(?)ミレニアル世代初期の私から見ても、今の10代後半〜20代前半の “最近の若者” は(あえてそう呼ばせてもらおう)、他の世代と比較してSNSにおける発信の価値観はまったく異なると感じました。今回はそんなZ世代についてマーケティング視点で考えていきます。
※1・・・1996〜2015年生まれ(諸説あり)の生活者
Z世代をターゲットにしたマーケティングを行うためには、彼らの日常生活や価値観を深く知ることが重要。特に、Z世代においては「多様化」が一つのキーワードになっています。主語を大きくしすぎてはいけないけれど、SNSがまだ浸透していなかった時代においては、情報は基本的に並列に並べられていて、それらを満遍なく摂取する(受け身で)ことが当たり前。もちろん、当時からヲタク文化や、ニッチな領域を好むコミュニティは存在したし、情報を探す熱量は昔の方が高かったかもしれない。今と違って情報が少ない中で取りにいくわけだから。
でも「主流な価値観とそれに付随する細かな価値観」といった主従関係が明確にあった昔と違って、いまは様々な価値観が乱立しています。ヲタクが忌避されたり、何かに熱中している人を嘲るような空気感は、Z世代には(少なくとも表立っては)見られません。多数派、少数派はあれど、それがリアルな場での強さに結びつくわけではないのです。
対面でのコミュニケーションを渇望するデジタルネイティブ世代
また、長期化している新型コロナウイルスの影響も、考慮に入れる必要があります。大学のオンライン化やリモートワークに対して、好意的に受け止める若者が多い、という記事は多いですが、それもまた一つの価値観であること、そして大切なのは「なぜ、そう思うのか」「その考えに至った理由」を紐解くことだと思います。
新型コロナウイルスの影響を受け、自宅で過ごすことを余儀なくされた生活者。これは年齢問わずすべての人に当てはまりますが、これまでの世代なら何不自由なく経験できてきたこと、大学への通学、文化祭などの行事、友人とのお出かけ、成人式……「今だからこそできること」をことごとく制限(禁止)されていることに辛さを覚える人が多く存在することは、SNSを見ても明らかです。
私は自分で望んだ大学に通っているけどオンライン授業ならもう辞めようかなってマイナスに考えちゃうことがあるけどマリウスは「大変なこともあるけどチャンスも広がっている」と雑誌で答えてて逆境のような状況を絶好の機会と考えて乗り越えて自分を成長させてて同じ大学生として尊敬でしかない
— おしお (@_oOSZxxx) December 3, 2020
ずっとツイートしてなかったけど、鬱病みたいになり、精神科?心療内科に通ってしばらく経ちます。全てがオンライン授業のせいとまでは言いませんが、人との関わりが減ったことも原因なのではないかなと思ってます。大学に行きたいと思っていたけれど今はもう外に出られなくなりました。
— 大学生 (@daigakuhagimare) February 10, 2021
モバイルアプリやWEBサービスの開発を行う株式会社ナナメウエが2021年5月に実施した「コロナ禍におけるZ世代の気持ちの変化」に関する調査によると、18歳〜22歳男女の約69%が新型コロナウィルスの流行が「孤独感」や「不安感」感じるきっかけになったと回答。「友人に会いづらくなった」「新たな出会いが減った」「授業のオンライン化」が理由として挙げられています。
自分の好きなモノ、ヒト、コトを“他者目線”を持って共有
デジタルネイティブ世代と叫ばれながらも、人との接点・つながりへの渇望は他の世代と変わらない、むしろ強いZ世代。彼らは、リアルでは叶わないさまざまなつながりを、SNSの活用によって補っていると考えることもできるかもしれません。
SNSと一括りに見るのではなく、Twitterでは情報収集を、Instagramでは友人とのコミュニケーションを、TikTokやYouTubeでは暇つぶしを……など使い方だけでなく、各SNSによって自分を演じ分ける(いくつものコミュニティに所属)ことも。でもこれって、リアルなコミュニケーションにおいては至極自然なことだと思いませんか。誰もがさまざまな人々と交流して、情報摂取したり(逆に共有したり)、コミュニケーションの仕方を変えたりしています。(この人には丁寧に接しよう、この人は友達だからラフに話そう、のような)
彼らがデジタルネイティブ世代と言われる所以は、リアルと同じコミュニケーションが、SNSでもナチュラルにシームレスに行われているということではないでしょうか。
Z世代向けチャット小説アプリ「TELLER」の読者を対象とした映画に関するアンケート調査では、新しく観た映画について「家族や友人・知人に会話の中で薦める人」が63.9%。また、約28%はSNSにレビューを投稿しており、Z世代は、自分の気に入った映画は友人・知人に薦めたりSNSにレビューや感想を投稿する等マイクロインフルエンサーのような働きをしていると読み解けます。
特に好きなものに関しては、専用アカウント(※2)を作って発信していることも。もちろんそうしたアカウントを作成するのはZ世代に限ったことではありませんが、彼らのSNSを見ていると好きなものやブランドに関する口コミや、フォロワーへのシェアを積極的に行っていることがわかります。
※2・・・「美容についてだけ投稿・シェアするアカウント」「アイスについてだけ投稿・シェアするアカウント」などテーマに特化したSNS活動をするアカウントのこと。
ブランドがZ世代と関わるには彼らの日常(=SNS)に溶け込み対話すること
リアルと同じようにSNSでコミュニケーションする彼らと繋がるには、ブランド側もその中に入り込んで、彼らと同じ目線でコミュニケーションをとる必要があります。
彼らの日常であるSNSを媒介として対話することで、関係性を築きながらインサイトを理解することが可能になります。TikTokなど、若年層がよく利用するSNSを分析し、プラットフォームのトンマナやカルチャーを踏襲したコンテンツ発信を重ねるなどもその一例です。
また、Loview運営チームが大学3年生296人を対象に実施したアンケート調査では、Z世代は好きなブランドからであれば、SNS経由のアンケート依頼を9割が好意的に協力、65%が月に1度協力したいと回答しています。

ターゲットとなるファンとフレンドリーにつながり、彼らを理解し続けることが、自社ブランドのファンを増やす、またファンのホット度を上げる第一歩となるでしょう。
Loviewでできること
自社のブランド(商品)のファンの把握の方法はいろいろあると思いますが、その中でも「Loview」はTwitterから自社ブランドファンを発見し、アンケート・インタビューが簡単にできる顧客分析サービスです。ブランドファンのアカウントを発見、またファンと直接連絡をとることでリアルな行動や心理を聞き出せるため、Z世代の多様な価値観を把握することが可能です。
商品開発や、プロモーションの企画、オウンドメディア、自社のSNSでの発信、トレンドを加味したクリエイティブの制作など、さまざまな目的に応じてファンを選出(※3)して、直接アンケートやインタビューを実施することができます。
※3・・・Twitterのバイオグラフィを分析した年齢・性別などのデモグラフィック情報やUGCの量やいいね数などのファンレベルなどの情報を元に、デモグラフィック情報をもとにスクリーニングすることができます。
企業の一方的な情報発信ではなく、企業と生活者の双方向でのコミュニケーションを大切にしたいと考えるみなさま、ファンと繋がり、ファンと一緒にマーケティングや商品開発を考えていきませんか?
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